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#525 主体性を以て「覚悟」を決める

 江戸時代以前に生まれた人は、生まれながらにして自分の人生の道筋が決まっていました。特に身分制度が確固たる時代においては、自分たちの人生を「選択する」権利がない。自分の生まれた環境を受け入れ、その中で人生を作っていく。それはその人の運命や宿命という言葉で形容され、だからこそ、「覚悟」が生まれる。そんな時代がありました。

 明治以降、住居や職業選択の自由が生まれた頃から、私たちは自分の人生を「選ぶ」権利を持つことができるようになりました。選ぶことのできる自由と引き換えに、選び続けなければならない責任をまた負うようになったのです。

 私も以前の職場にいながらも、いつかその職場を離れるかもしれないという気持ちがありました。自分の中では一生懸命なっているつもりでも、その場に一生いないかもしれないという気持ちによって、どこか自分の中に「甘え」みたいな感情が生まれることも。

 一度先輩に、「覚悟を持った人間は強い」という言葉をいただいたことがあります。そこに居続ける選択をすること。自らの退路をたち、その場に自分の人生をかける「覚悟」。

 それは決して誰かに強制されたものではなく、様々な選択肢の中から自分自身で選びとった「覚悟」は人を強くするのだと感じるのです。

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