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#521 ブランディングとその本質

 ビジネスを成功させるための大切な要素として、「ブランディング」があります。ブランディングとはいわば、自社の価値、あるいは自社製品の価値を高め、自社と自社の商品やサービスを「独自のもの」として認識してもらい、他社と差別化を図る取組のことです。

 類似した商品が溢れる世の中において、その商品にどのような「付加価値」をつけることができるのは、そのものを購入する人にとって大切な要素だと言えます。

 ペプシコーラの味はコカコーラよりも美味しいと思う人が多いのにも関わらず、多くの人がコカコーラを買うのは、そのブランディングの効果であることは有名な話ですが、それはつまり、「人は商品にお金を払うのではなく、その商品からくる付加価値を買う」ことを表しているのかもしれません。

 日本では少子化が深刻化しており、特に私立学校では生徒の獲得競争が起こっています。多くの学校が共学化し、中高一貫校となり、様々なコースを作り特色を出そうとしている。競争が激しくなればそれだけ様々なアイデアが必要になるし、より多様な選択肢が生まれること自体はいいことなのかもしれません。

 一方で、ブランディングにこだわるあまり、その中身と広告がマッチしているのか。それが非常に怪しいということ。

 国際学科を作り多様性を謳う学校の校則が前時代的であったり、予備校と提携して面倒見の良さをアピールすることが結果自校の教員の質の低さを語るようなものであったり。

 私立学校がますます資本主義(ビジネス)の中に入っていくであろう未来において、ブランディングによってその本質が隠れてしまわないかが心配になる今日このごろです。

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