本との出会いは、世界との出会いだった。
電車の中で本を読んでいる人がいると、思わず目が行ってしまう。
スマホではなく本を読む佇まいは、なぜかうつくしい。
不思議だけれど、その手元や横顔は、凛々しく見える。
文明の利器に頼らず、文字を読む、ページをめくるー
自分の身体を使って、生きる時間を使っているからだろうか。
先日、株式会社SUGOIさんの「本で遊ぶ時間」に参加してきて、
なおさら【本】の持つ面白さを実感する経験に。
SUGOIのアキバさんとゆういちさんは、
オリジナル肩書きも参加してくださった大変にすてきでチャーミングなおふたりなのですが、そのSUGOIさんが主宰するイベントなので、
それはまた、いやもちろん面白いものでした。
ぜひみなさんにも共有したかったので、筆をしたためます。
イベントの詳細はこちら。
「気になっているけど、参加する勇気がない」
「本を読みたいと思っているけど、なかなかきっかけがない」
なんて方のためにも、ちょっと感じたことをまとめました。
ネオ読書会、令和に爆誕。
読書会というと、小学生や中学生の頃に「課題図書」なるものが長期休暇に出て、その感想文をもとにあーだこーだ話をする、なんていうイベントを思い出す。
私はといえば、小学1~2年生の時に読んだ葉っぱのフレディとスイミーがいちばん記憶に残っており、もはやそれ以外覚えていない。どれだけ興味なかったんだ。
というものの、ひとりっこだった私は小さなころから本が好きだった。
父親と近くの図書館に行っては本を毎回10冊くらいは借りて読み漁った。本の世界は、わたしをさみしさから遠いところへ連れて行ってくれた。
で、今なお月4~5冊くらいは本を読んでいるのだが、
それにしても本を読んでだれかと感想を言い合うなんていう経験は、
大人になってほぼ無いに等しい。
ただ、先日吉本ばななさんの名著「キッチン」をいまさらながら拝読し、その感動のあまりツイートをしたところ多くの方からコメントをいただき、「本って、孤独なものから拓けた存在にもなりうるんだ」と驚いた。
そんな経験も直近ではあったので、本と人との関係性が気になっていたわたしは今回のイベントでまたさらに驚いた。
体験談も交えながら、私的おすすめポイントを3つにまとめました。(プレゼンかよ)
①事前に本を読まなくても、参加できちゃうカジュアルみ。
本を読むことの一番のハードル。それは「読む時間」です。
※当たり前だよというツッコミはお受けいたしません。
もうね、これ本好きな人と共感したい事案なのですが、
本好きじゃん?買うじゃん?手に取るじゃん?読もうとするじゃん?
読み切れねーーーーーー!!ってなりません?
読みたいのに、読ませてくれない。
それが我々自称多忙人間。
っていうくらい、本を読む時間をとるってなかなか難しい。
恋のはじまりにある、まるで駆け引きのよう。。
で。この「本で遊ぶ時間」ではなんと、事前にほんの一部が切り取られて郵送される。その文章を事前に読んでおく必要は、無し!
その場で読む時間をゆっくりと取ってくれるのです・・・・
タイムテーブルはこんな感じ。
【イベントのおおまかな流れ】
1)自己紹介・アイスブレイク
2)主催者による本の紹介
3)見つけたパートを読む
4)読んだ部分の共有
5)みんなでまとめ
読む時間も込みのイベントだなんて、わあおファンタスティック!
忙しいビジネスパーソンにもおすすめしちゃう。
②新たな世界との、新たな出会いが待っている。
今回ピックアップされた本は、こちら。
ごめん、タイトルだけじゃよくわからない。
以下、本の概要。(Peatixから引用)
この本のテーマは、イギリスで行われたある壮大すぎる科学実験です。
その科学実験は、1950年代に始まりました。
最初は、生まれてすぐに亡くなってしまう赤ん坊についての研究。
それだけのことだったのです。その研究が少しずつ規模を拡大していき、果てには、一生涯を追いかけるという壮大な目標へと変わりました。
そこから、イギリスでは、この一生涯を追いかけるという科学研究を繰り返します。そこから、わかったことが今の私たちの生活を大きく支えています。
自分じゃ、絶対手に取らない。(笑)
まず装丁からして、オーベイビー可愛いね、くらいしか思わない。
そしてふと気づく、自分のコンフォートゾーンにある本しか読んでいなかったのではないかと。
自分の興味・関心とは別のところにある、
でも覗いてみると発見や刺激のある世界に触れられる点も、
とても魅力的だと感じた次第です。
散歩も同じような効果がありますよね。こんなお店ここにあったんや!入ってみよ~とか、この路地めちゃくちゃ怪しいけど惹かれる、、とか。
ワクワクを生み出してくれるセレンディピティを見つけるためには「無意識的に目に入る(時間を使う)景色」を取り入れる習慣が必要で、そのひとつの解になりうる時間でした。
③本はひとりで読まなくてもいい、という新常識。
何より面白かったのが、それぞれがパートを担当して本を読み進めていくことで、最後にひとつの本の全容が見えてくるという、ひとりではなく皆で本を読むスタイル。
どうやってみんなで読むねん、と思われる方もいるかもしれないが、
これは最新のテック(言いたいだけ)を使って難なくクリアーしている。
miroという画面上のホワイトボード的な機能を使って、
それぞれが5枚のスライドに見立てて担当箇所を要約していく。
なかなかこれが頭を使う。(大学時代のゼミを思い出した。)
本を読んで、みんなでまとめて、最後に発表していくシステム。
またこの発表の仕方や、まとめ方、着眼点もひとそれぞれで面白い。
ふだん、広告会社でプランナーなんてことをしている私からすると、
アイディアの着想のヒントがごろごろ転がっている時間だった。
総じて、正直なところ「遊ぶ時間」というよりも、
学びを通じて遊ぶたのしさを見出す時間、という感じだった。
忙しいときほど、SNSをただ見て、隣の芝生は青く見えるから人と比べてがっかりして、なんて悪いルーティンが生まれがち。
この時間はいい意味で自分にストイックに「考える」時間を課すことができるので、要らないノイズのデトックスにもなった。
凄く抽象的だけど、中世の「アトリエ」みたいな場のようでした。
立場・職業関係なく、それぞれの個性が集ってひとつのことをじっくり深く語る場。(もはや、9割ただの妄想であるが)
月に1回この時間があるか、ないかを選ぶとしたら、
有ったほうがいいと言い切れる。
本を通じて、本の中に出てくる世界はもちろん、
その場に集った人たちの持つ「世界」にも触れられる。
一石二鳥で本のおもしろさを感じられる場。
性別・年齢・経歴・業種など、参加資格は、一切ございません。
いろんな人たちといろんな角度から、
一冊の本を巡って語り合う会となっております。
コミュニティコミュニティしてないし、
ゆる~いツドイの在り方としても、とても魅力的な場でした。
※ただし、けっこうに頭を使うので、
熱量と体力のある日の参加をおすすめします。(笑)
お誘いいただいたゆういちさん、SUGOIさん、参加者の皆さん
ありがとうございました。
▼こんな人におすすめ
・ふだん本を読むけど感想をひとりで抱え込みがち
・ひとに伝える言葉やストーリー設計の練習がしたい
・だらだらする時間を何か有意義な時間に変えたい
・自分の世界をたてよこななめに広げたい
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