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後戻りできない医者

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(星の数でこの記事のオススメ度を
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皆さんこんばんは
フリックフラックいっぽです。

いつも僕の記事をお読みいただき、
ありがとうございます。



さて今日はね、
最近思い出した、
昔の出来事を
書いていきます。


あれは今から10年近く前ですね
僕が中学生の頃です。

足の指先にね
コブというか
小さな塊が出来た事があったんですよ。

何が原因だったか
覚えていないんですけど

それが日に日に大きくなってきて

痛みが生じるようになったんですね。

なんか分からんけど
痛いなぁ
と思いながら過ごしていまして


最初は耐えられるような痛みだったんですけど

それが耐え難いものになった頃、
病院に行くことになったんですね。

実家近くの
整形外科でした。


母に車に乗せてもらって
向かうんですけど

僕はね、その病院に行くのが
ちょっと嫌やったんですね。

理由は1つで
そこの院長先生が苦手だったから
なんですよ。


僕小さい頃、
通っていたお医者さんが幾つかありまして

例えば歯医者さんとか
耳鼻科とか眼科とか

虫歯があったし花粉症ですし
鼻炎ですし視力も悪いんで

そのへんのお医者さんには
よくお世話になったんですけど

どの先生もね
割と相性が良かったんですよ。

特に歯医者さんは
めちゃくちゃフランクな方で

親戚みんなその先生に
診てもらってたんですけど

通ってたら
たまに僕にプレゼントを
くれるんですね。

そのプレゼントが
すごく丁度いいんですよ。

例えば水時計とか

砂時計の水バージョンですよね

今考えたら何であんなに嬉しかったのか
わからないですけど

その当時の僕からしたら
水時計って
珍しくて綺麗なもの
なので
魅力的だったんですよ。


そういう物をくれるし
優しかったので
僕は歯医者の先生が好きだったんですね。


でも、その時に向かっていた
整形外科の先生は

それまでに1回しか
会ったことなかったんですけど


ちょっと医者過ぎるというか

かなり
医者医者した医者
だったんですね。

無駄な会話はせず
ただ淡々と治療をこなす
みたいな

恐くは無いんですけど

なんとなく冷たい印象というか
機械のような人だったんですね。



病院につきまして

診察室に行くと
その先生に足を見せました。

その頃にはコブは
緑黒くなっていて

硬めの水風船のように大きくて
不気味に光っていました。


先生が塗り薬や痛み止めなどの説明を
淡々としてくれて

その日の診療は終わりました。


正直ね、
足のコブが痛かったのもあるんですけど

めちゃくちゃ息が詰まる空間
だったんですね。


感情が一切行き来しないというか

先生も治そうとは
してくれてるんでしょうけど


まだ中学生やのに
こんな痛い思いして
可哀想に
すぐに楽にしてあげるからね

的な気持ちが全く感じられなかったんですね。


仕事やから治す
というのが見えてしまって


そこから数日後ですね

コブがどんどん大きくなって
痛みも尋常じゃないものに
なってきました。

痛すぎて眠れず
深夜の2時にリビングのソファーで
のたうち回っていると

父が帰ってきました。

僕の様子を見て
父はドン引きしていました。


普通は
心配するんでしょうけど

相当な痛がりようだったんでしょうね

完全に引いていました。


整形外科の先生に会うことの抵抗に
痛さが完全に勝ったので

次の日、病院に行くことになりました。


いつも通り診察室に通されて

足を見せます。


先生もどう治療するか
決めあぐねている様子でして


しばらく凝視した後、
近くのメス的な刃物を手に取りました。

そして僕のコブを
ツンツンしはじめたのです。

なんでツンツンしてるんやろ?
とは思いませんでした。


痛みが大きすぎて
何も考えられない状態でした。



しばらくツンツンされていたんですが
あるタイミングで
メス的な物が僕の足のコブに
クリーンヒットしたんでしょうね。

コブが破裂し
中から勢いよく僕の血液が
噴射しました。


その瞬間、

あの時のことを僕は忘れないでしょうね


整形外科の先生が


「ヒャッ!!!」


って言ったんですよ。


正確には
「ヒャッ!!!」
では無かったですね。


文字化出来ない音を
口の中から出したんですよ。


ビックリしましたね。


あんな冷酷な医療マシンが
体のどこから出たのかわからないような
音を出すなんて


破裂した瞬間から
今までが嘘のように痛みが無くなりました。


白衣が血液で汚れてしまった先生が
一旦退席します。


僕は母に痛みが
無くなったことを伝えました。

母は喜んでくれました。


僕の苦しむ姿をずっと見ていたからです。

数分後、
先生が帰ってくると
母が先生に謝りました。

「白衣汚してしまってすみません」

先生がすぐに答えました。


「いえ、汚れる為にありますので」



その後、塗り薬などをもらって
車で家に帰ります。


その道中、
母が僕に言いました。


「さっきの先生の
汚れる為にありますので
っていうセリフ
カッコ良かったな」



いや、カッコ良くないやろ!


「ヒャッ!!!」
言う前やったらカッコ良かったけど


「ヒャッ!!!」言うてもうた後なんで
そこから取り戻せないと言うか

後戻りできないんですよ。


「ヒャッ!!!」言うてもうた医者
としか思えないんですね。



あれからあの整形外科には
一度も行けてないですけど

あの先生は元気でしょうか


ではまた明日





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