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想像〇〇物語〜BARvsATM篇〜

⭐️⭐️⭐️⭐️
(星の数でこの記事のオススメ度を
5段階で評価しています)

まずはじめに

想像〇〇物語とは

僕が全く知らない職業や人種の方々の
生活を勝手に予想し
架空のキャラクターを使って
想像した話を物語形式で書いていく

そういった企画である。

それに関して僕は
全く検索せず
己の偏見と
これまでのわずかな経験だけを頼りに
書いていくので

こんなんあり得へんやろ!
とかは受け付けません。


数日前、僕が
数人の友達と飲んでいると
店内のテレビでサッカーの試合を
やっていた。

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BAR vs  ATM

僕はサッカーについての知識が全くない。


おそらく海外の
プロサッカーチームの
名前の略称であると考えられるが…

BAR vs ATM

僕には
お酒を飲む場所

お金を引き出す機械

にしか見えなかった。

第3回目の今回は
今までとは少し違い
僕がこの写真の文字を見て
どのような物語を想像したのか
書いていきたいと思う。



主人公
酒入 混男 (さかいり まぜお)
年齢 28歳
職業 BAR店長



(ここからが本文です)



開店時間が迫った暗い店内で
真っ黒なシャツに身を包んだ混男は
グラスについた水滴を
目の細かいタオルで拭いていた。

店内では
混男お気に入りの
ジャズが流れている。

入り口の重い扉が
鈍い音を立てて開く。

「すいません!
ちょっと遅刻してしまって!」

アルバイト店員の
賃金 稼男 (ちんぎん かせお)が
やってきた。

「おー来たか、まあ着替えてこいよ」

「はーい!」

稼男がロッカールームに消えた。

数分後
混男の店、
『BAR オフサイド』が
開店時間を迎えた。

「ねえねえ混男さん!
テレビつけ忘れてますよ!」

「稼男つけといて!」

『BAR オフサイド』では営業中
ヨーロッパ サッカーリーグの
試合映像を流している。

混男は大のサッカー好きだ。


リアルタイムでやっている試合や
混男自身の思い出に残っている試合を
録画したものを
営業中、店内のディスプレイに
映し出しているのだ。

「お客さん来ないですねぇ」

「まあ、まだ開けたばかりだからな。」

「金さんまだ来ないですかねぇ」

「金さんはまだだろぉ」

混男は雑談しながら
残りのグラスを拭いていた。

「そういえば、今度やろうって言ってた
サッカーの試合メンバー集まったか?」

稼男がやってしまった
という顔をしながら
返事する。

「す…すいません。
それがまだ集まってなくて…
友達に声かけたんですけど」

BARオフサイドのメンバーで
休日にサッカー場を借り、
試合をしようという話をしていたのだ。

サッカー場を
予約した日が間近に迫っている。

「それはまずいなぁ。
もう予約しちゃってるし
今更フットサル場に
切り替えるわけにもいかないもんなぁ。」

稼男は大人になってからの趣味なんて
サッカーじゃなくてフットサルで十分だろ
という言葉をグッと抑えて

「わかりました!すぐ探しますんで!
すいません!」

と返した。

ギギギギギ

鈍い音を立てて
入り口の扉が開いた。

「こんばんは〜」

「あら、金さんじゃないですか!」

髪の毛をガチガチにジェルで固め
高そうなスーツに身を包んだ男が
入ってきた。

少し若めの男2人を連れている。

「ここ座っていいですか?」

常連の
金 有余男 (きん よゆお)だ。

毎日のようにこの店に来ては
高いお酒をたらふく飲み
会計よりも余分にお金を置いて
帰っていく。

会社をいくつも経営をしているらしいが
いつも腰が低く
偉そうにしているところなど
見たことがない。

「今日はせっかくだし、
シャンパンを開けようか」

せっかくだし
と言っているが
ほぼ毎日のことである。

なんの記念日でもないのに
高い酒を開ける。
そしてこの男、酒がべらぼうに強いのだ。

「どういうのに致しましょうか」

「オススメで」

こう返してくるのもいつものことだ。
混男は12万円のシャンパンを
箱から取り出し
栓を抜くと
グラスを用意するよう稼男に促す。

「皆さんもどうぞ」

5人で一斉にグラフを持つ

「それでは今日という日に乾杯!」

かんぱ〜い!

皆の声が響いた。

「混男さん、
全然好きなの飲んでくださいね。
無理にシャンパン飲まなくても
他のお酒でもいいので
どんどん飲んでください」

チャンスタイムだ。

最近、客足の遠のいている
このBARオフサイドにとって
金さんだけが頼りだった。

「今日は何の試合流してるんですか?」

金さんが
店内中央のディスプレイを
指しながら聞いてきた。

「あーこれは先週の試合ですね。
日本人の選手が何人か出てるんですよ。」

「へー、そうなんだー。
いやー、
いつもねここでサッカーの試合を見ると
昔のことを思い出すんですよ。」

「昔のこと?」

「ええ、中高とサッカーをやってましてね。
僕は補欠だったんですけど
県大会もベスト4まで行ったんですよ。」

金さんがサッカー経験者だと言うことは
初めて聞く話だった。

「え、金さんサッカーしてたんですか?」

「あれ?言ってなかったかなー。
最初それで気になって
ここへ来たんですよ。」

「そうだったんですかー。
知らなかったなぁ。」

「そうなんですよ。
オフサイドって名前だから
絶対にサッカー好きの人が
やってるんだろうなぁと思って」

「なるほどね。」

「いやぁ、久しぶりにサッカー
してみたいなぁ。」

この言葉を聞いた稼男が
すぐに反応した。

「ねえねえ、金さん
よかったら今度試合しませんか?」

「え、どうしたんですか急に。
近々試合でもあるんですか?」

「そうなんですよ。
ちょっとメンバーを探してて」

混男が割って入る。

「おい稼男!
急すぎるだろ!
金さんを急にお誘いするなんて
失礼じゃないか!」

「いやいや、いいんですよ。
僕もサッカーしたいと思ってましたから。
ちなみに、日にちはいつですか?」

「来週の土曜日です。」

「あらあら、ちょうど空いてますね。
何人くらい用意すればいいですか?」

「それが、恥ずかしい話なんですが
こちらが用意できるメンバーが
7人ほどでして
金さんも7人ほど用意していただければ」

もはやフットサルでいいだろ
という言葉を
グッと堪えて稼男が言った。

「金さん!来てくださいよ!
是非ぜひ!」

「なるほど。
そのくらいならうちの社員で
サッカー経験者を集めますよ。」

「じゃあ決まりですね!」

稼男が満面の笑みを浮かべて答えた。


数日後

サッカーの試合当日

会場に現れた混男は
ロッカールームに行き
先に入っていた稼男に尋ねた。

「お前準備とかいろいろ大丈夫だろうな?」

サッカー場の予約は混男がしたが、
その後の打ち合わせは全て
稼男がやっていた。

「大丈夫です。
チーム名勝手に決めちゃったんですけど
それはいけますかね?」

「チーム名?」

サッカー場の中心の壁に吊るされた
専用ディスプレイを見てみる。

BARvsATM

「おいおい!
チームオフサイドとか
FCオフサイドとかでいいだろぉ〜
なんだよBARって!」

混男が
少し笑いながら言った。

「いやぁチーム名がオフサイドだと
縁起悪いじゃないですかぁ。」

「確かにそうか。
そうだな。

……ちょっと待てお前

おい…

ATMってなんだよ。」

「え?
ATMはATMでしょ。
お金とかを引き出す」

「なんでそんな名前なんだよ。」

「え、だって金さんいつでも僕たちに
お金を落としてくれるじゃないですか。
だからATMです」

「それはさすがにダメだろ!
何考えてるんだお前は!」

「えー、だってチーム名金はヤバイでしょ」

「それにしてもお前は!!!」

混男と稼男が口論していると
会場のロッカールームの扉が開いた。

「やぁ皆さんこんにちは。
今日は本当に楽しみだったんですよぉ。」

混男と稼男が
ヤバイという表情で顔を見合わせる。

「あれあれ?
僕の会社の名前言ったことありましたっけ?」

金がスコアボードを指差して聞いた。

「え、どういうことですか?」

「僕が経営している会社ね
赤坂テクノロジーマネージメントって
言うんですよ。」

混男と稼男が声を合わせて言った。

「「耐えたー」」


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