ニュースを見てはいけなかったのに

このたびの静岡における大きな土砂災害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げます。

私は故郷が仙台です。大好きな地元が津波に持って行かれました。

10年前。ちょうど私は大病で1人，自宅から２時間以上かかる病院に入院していました。

入院先も，あの日はものすごい勢いで揺れました。海辺なので津波が来るかもと，漁船がみんな沖に出ていました。そして私はニュースの映像で見てしまいました。

津波が。荒れ狂う波が大好きな故郷を飲み込むさまを。

後から聞いた話ですが，地元は一斉に停電になってしまったため，仙台といっても山形県に近い方にある実家では，津波があんなにすごい勢いで襲ってきたことを，リアルタイムでは全く知らなかったそうです。

父のところへは緊急の招集がかかり，現場に急行したそうですが，なすすべがなかったと言っていました。

その頃，関東のとある病院で，大病を患い辛い治療を受けていた私は，思っている以上に精神もやられていたらしく。

ニュースの映像を見て半狂乱になってしまったのでした。

病院のカウンセラーさんが，私が疲れきって眠るまでずっとそばにいてくださいました。

精神が健康でないときには，ニュースは見てはいけないとその時学びました。

なのでうちにはテレビがありません。

しかし今日Twitterで見てしまったんです。

途中でやめれたのに。最後まで見なければ良かったのに。

荒れ狂う土砂が山から流れ家を飲み込むさまを。

投稿した方は救助を求めてそうされたので，何も悪くありません。

今メンタルを病んでいる自分が，見てはいけなかったのに自分の意思で最後まで見たので完全に自分のせいです。

街中で一歩も動けなくなりました。身体中から冷や汗が出てぶるぷる震えが止まらなくなりました。心が撮影した方か，土砂に飲み込まれた方と同じ恐怖に持って行かれたのだと思います。

ここからが危ないのです。

なぜ罪もない方が被害に遭って，自分は生き残ってしまってるんだ，という感情がやってくるんです。私にも来ました。まずいと思いました。

何とか帰宅して，猫を抱きしめたら。

涙がぼろぼろこぼれて，ああ，自分は生きなけれはいけなかったんだ，と我に返ることができたのです。

すぐ精神安定剤を服用して横になりました。

今気付きましたが，買い物をした荷物をどこかに置いてきてしまったみたいです。でも，命は持って帰ってこれたから，もういいです。

精神が健康なみなさん，精神を病んでいる人は見た目では分からないのですが，精神が健康な人には分からない理由で，黄泉の国に身体を持って行かれてしまいます。

ニュースとワイドショーは本当に心に悪い。

ある意味，事実から目を背けて，自分の命を守る必要がある人がいることを，是非みなさんも知ってください。

精神が健康に近いときには，私もニュースを見ることはできます。でも，ワイドショーはもう永遠に見たいと思いません。