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vol.25:まるっと1年文章を書く事から離れてしまったのでリハビリさせてもらいます

超絶、ご無沙汰しております。障害者家族エッセイストの川島田ユミヲです。(今回のヘッダー画像は、連休前の平日に「やっと仕事休みやーー!」と意気込んで寝室の何から何まで掃除したり片付けたりしてスッキリした私の爪先です)

いやあ大変だ。前回から1年も空いてしまった。理由はあるようでないようでありよりのなしです。おおまかに言うならば

↑自分で書いたこのタイトルの文言が、ネガティブな方に作用してしまった、でしょうか。
所詮、学のない私などが垂れ流す文章など、ただただ稚拙で、誰の心にも届かないんじゃないか、とか。考えてしまったわけです。こんな事を書いてしまうあたり、更新を楽しみにして下さる皆様には申し訳が立ちません。

実はこの記事、去年も7月ぐらいに書こうと思って下書き保存していた物なんですが、ものすごいタイミングで尊敬する岸田奈美さんにケツ叩かれた。ツイート読んでリアルに「ひぃっ!」て声出ました。笑

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エッセイの更新はストップしていたものの、
「あっ、これnoteに書こう…」
と思った事はせこせことiPhoneのメモ帳に言葉を書き残しておりました。
テーマは様々あるのだけれど、やはり全てのセンテンスに通ずるのは

“ 差別をなくそう” を、なくそう。

これだった。

あらゆる障害者を “ 差別するな!” とか “ それは差別だ!” って言うその行為も、場合によっては差別ではないだろうか。差別するな、が差別。屁理屈かもしれない。天邪鬼かもしれない。でも、差別って一種のマウンティングだと私は思っているし “ 差別をなくそう!” と言う前に、私はこちらから接点を持ちたい。

とは言え、世の中に数多ある反対運動に対して異論を唱えているわけではなく。
当事者発信、当事者と関わりのある人が発起したものなど、色んな思いが大きくなってアクションを起こしたもの、流れを変えたものなど、たくさんある。発信できる当事者の声に目を向け耳を傾け、私が想像する以上の経験をしてきた人たちの事をもっと知って、よりフラットな世界を目指していきたい。

そんな私のSNSのフォロワーさまで、障害当事者で電動車椅子ユーザーの方がいる。先日シェアされていた記事と、その方の思いに、奮い立った。

シェアされていた記事は、柳原可奈子さんのInstagramの投稿について。私は弟との外出や旅行で飛行機を使った事がないため、座位保持補助具の貸し出しを航空会社が行っている事を初めて知ったし、併せて柳原可奈子さんのお子さまが障害当事者なのも知る事になった。

記事を読んで、柳原さんのインスタも見に行った。とてもわかりやすく体験談を綴られている。私もある種「こんなケースもありまっせ~~」と各種SNSやnoteに綴っているので、ほうほうフムフム、と読み進め、コメント欄には「うちの子もなんです」「うちもいつか飛行機デビューした時は利用してみます」「情報ありがとうございます」などの、共感するコメントが多数並んでいた。
コメントが300件超あるため最後までは読むことはできなかったが、当該記事に戻り、抜粋されているコメントに首を傾げた。

・こんなにも具体的に教えてくださるなんて、感動します。発信してくださって感謝です。

…ん???


教えてもらって、感動????
え?ちょっと何言ってるかわからない。心の中の富澤さん召喚しちゃう。

そして、フォロワーさんがこの記事に対して書いた言葉。

『身体が不自由なお客様の航空機利用について』の説明くらい、どこの航空会社のホームページにだって、探せばちゃんと書いてある。
こんなの今更わざわざ驚くにも感動にも値する話じゃないし、いちいち感動しないでほしい。
『芸能人、有名人、著名人の子どもが重度の障害者でした』ってことがわざわざネットの話題になり、ただ飛行機の利用に必要な手順や手続きを当たり前にこなしているだけなのに、いちいち『感動を呼んで』しまう。

もっともである。ただ、もしかしたら「感動した」という意見はごく一部かもしれないので、個人的には「この記事を書いたライターのワードチョイスが肌に合わない」のかもしれない。どうして感動という言葉を最初に持ってきたの?障害者の事をお涙頂戴ヒューマンドラマとか、感動コンテンツみたいに思ってる??と勘ぐってしまう。

ネットニュースを書く人たちもそれを生業としているのかもしれないけど、私だってほんの短い期間ではあるが、Webライターをやっていた事もある。ネットニュースを書いていたのではないが、自分の作る文章を見てもらう事、その依頼に準じた言葉を綴る難しさみたいなものはとても学びになった。
だから、こういう文章力のなさや薄っぺらさを目の当たりにすると、怒りは秒で沸点を越える。

あなたは、当事者とどれだけ関わりがある?
当事者と、どのくらいの距離感で向き合った事がある?

↑以前ジェンダーの問題を軸に同様の事を書いたが、今回の事象も似たようなもので、障害があるというだけで “ 感動コンテンツ化 ” している。感動ポルノという言葉をあまり使いたくないので、感動コンテンツ化している、という表記にさせて頂く。

たまたま病気や障害を持つ人が生活圏内にいない人たちにとっては、柳原さんのような発信は所詮フィクションなのかもしれない。しかも芸能人。より一層、現実味がないだろう。
でも、少しでいいから想像力を働かせてほしい。病気になる事や障害を持つ事は、他人事ではない。明日何が起きるかなんて誰にもわからないんだから。感動している場合じゃないのよ。

なんか、今までそんなに気にしてなかったけど、“ 脈略のない感動 ” って、ある種の差別じゃない?って思えてきた。
その感動に理由があれば、納得できる理由があればいい。むしろ理由があるなら聞きたい。全然聞きに行く。弟連れて。

前々からここにも書いてるんですが、私は私の弟と握手して仲良くなってもらえればそれでいいんです。
いや、仲良くならなくてもいいです。人間には好き嫌いの感情がデフォだし、うちの弟も時々好みがよくわからない時があります。
素っ気なく握手されても「感じ悪いな」って印象で終わるかもしれないし。
握手が嫌ならしなくてもいいです。知ってもらえればそれでいいです。言葉が喋れなくても、ひとりで外出が出来なくても、買い物が出来なくても、誰かしらのサポートで暮らしている人が、あなたの生活圏内にも必ずいるんです、という事を、知ってもらえれば。

だから私は弟と、今後もできる限り、色んな場所に遊びに行きます。

「障害があってかわいそう」
「障害がある人は魂がキレイなんだね」
「障害がある人ってみんな頑張ってて感動します」←new

こんな上っ面な言葉を、絶対言わせないような振る舞いを心掛けつつ、

“ 差別をなくそう ” じゃなくて、“ 関わりを持とう ” をモットーに。

<完>

おまけ。先週は「ハイドパークミュージックフェスティバル2023」に2日間遊びに行きました。

1日目
2日目

フェスはTシャツ目立ってナンボなので、初日はスナック玉ちゃんで買った「全日本スナック連盟(会員制)」、最終日は溶けてるムックで。

やっぱり芋が好き

コロナ禍でなかなか行けなかった野外音楽フェス。うちの弟はマスクを嫌がるので、この約3年間は屋内の展示施設や野外のイベント、行くのにとても足踏みしていました。
徐々に元の日常に戻りつつあるこのタイミングで、お世話になっている人たちにたくさん会えました。知らない人ともたくさん握手してました。お会いできた皆さま、どうもありがとうございました♡

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個人的に色々あり過ぎたこの1年の間のこと、色々ユーモアを交えつつエッセイに書いていけたらと思います。
今後とも御贔屓にして頂けたら幸いです。最後までお読み頂きありがとうございました!

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ハードルがあるのは障害者だけじゃない。「私たちは健常者だから」と言うそこのあなただって、職場や家族間での対人関係だったり病気したり大変な事(ハードル)が沢山あるでしょ?という意味で、エッセイのタイトルは「世の中全員、障害者。」と言います。おススメ&サポートして頂けたら嬉しいです。