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【全文紹介③】『プレ・シングルマザー手帖 』DV、女性問題、金銭問題....困難を乗り越えて、離婚と向き合うお母さんへ

割引あり

『プレ・シングルマザー手帖』シングルペアレント101・issue+design
(英治出版)
2023/8/8発売

本書は、離婚を考えるとき何から始めれば良いか分からず、孤独に悩むすべてのお母さんへ贈るエールです。
この本をより多くの必要としている方に届けたい。そんな思いから、全文公開をいたします。こちらの記事から本書に興味を持っていただけましたら、お近くの書店やAmazonでお買い求めいただけますと幸いです。
今回は全文紹介の3つ目をお送りいたします。

離婚理由別ケーススタディ

実際に離婚された方々の経験談を元に、主な離婚理由別に4人の架空のプレ・シングルマザーのケースを考えました。これらのケースを通して、あなたがこれから直面しうる課題と解決策について学んでいきましょう。

Case1 精神的暴力に悩むアイさん

直面する主な問題
・初めての相談でショックを受ける
・夫からのメールで気持ちがゆらぐ
・児童扶養手当が申請できない

Case2 身体的暴力に悩むカナコさん

直面する主な問題
・実家を頼れず、非難できない
・DVを受けている証拠を用意する
・面会交流が苦痛

Case3 女性トラブルに悩むマナミさん

直面する主な問題
・慰謝料を請求する
・養育費の支払いが滞る

Case4 金銭トラブルに悩むユキさん

直面する主な問題
・弁護士に相談する
・遠隔地での調停申し立て

※ この4つのケースは、シングルペアレント101がこれまで受けてきた500件を超える離婚相談と36名のシングルマザー、プレ・シングルマザーへのインタビュー調査の内容を基に作成しました。

Case1 精神的暴力に悩むアイさん

夫との出会いは、友だちが開いたクリスマスパーティーだった。失恋直後で落ち込んでいた私に、テニス仲間が声をかけてくれた。彼はユーモアがあり、話していて楽しく、メガバンクに勤めていることも魅力的だった。連絡先を交換し、すぐにお付き合いを始めた。
彼はとても紳士的で、荷物を持ってくれたり、車を降りる時にドアを開けてくれたり、私を大事にしてくれた。「彼が運命の人だ!」と、1ヶ月も経たないうちに結婚の約束をし、1年後には31歳で入籍。私は結婚後も正社員として働き、翌年長女を出産した。
周囲の人からも「人当たりが良く、穏やかで優しい人」と思われていた夫だったけれど、結婚後に豹変した。少し冷めてしまった料理を出すと、「お前は言ったことを一度で覚えない使えない女だな」「お前は頭がおかしいから病院に行ってこい」など暴言を吐きながら。お皿をシンクに投げつけたり、リモコンを投げたり、私の大事な本を破いたりした。直接暴力を振るわれている訳ではないし、普段はとても優しいので、子どもが生まれたら変わるかと思っていた。けれど、結婚3年目に次女を出産すると、さらに悪化した。育休中は毎朝夫が出勤するとホッとし、帰宅時間が近づくと恐怖を感じるようになっていた。

離婚の検討・準備

・初めての相談でショックを受ける
・またしても、辛らつな対応をされる

2週間後

・ようやく共感してもらい、安心する

6ヶ月後

・子どもの行動を見て、離婚を決意する
・暴力があった証拠を集めておく
・アパートを借りる

8ヶ月後

・荷物をまとめて引っ越す
・夫からのメールで気持ちがゆらぐ
・義父母が実家へ押しかけてくる

夫との合意

9ヶ月後

・調停を申し立てる

10ヶ月後

・調停で夫と会うのが怖い
・保育園に申し込む
・調停不成立、裁判へ
・裁判の準備をする

1年後

・裁判開始、本人尋問に出廷する

新生活の開始

2年後

・離婚成立の判決が出る
・児童扶養手当に申請できない
・面会交流で夫と会うのが怖い

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