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「認知症世界の歩き方Play!」を新任介護職員向け研修として開催!

2021年9月に出版した書籍「認知症世界の歩き方」(筧裕介著・ライツ社)をベースにしたオンラインゲーム型プログラム「認知症世界の歩き方Play!」を、社会福祉法人奉優会さまの新任職員研修でご活用いただきました!

認知症世界の歩き方Play!とは?

認知症世界の歩き方Play!は、認知症のある方ご本人の視点で認知症世界を旅するオンラインゲーム型プログラムです。

プレイヤーは「旅人」になりきり、すごろくの要領で認知症世界を旅をします。旅の中では、認知症のある方が日常的に体験する出来事に遭遇。暮らしを豊かにする地域の資源や人とのつながり、お役立ちアイテムを知ることで、​「認知症とともに生きる」ことを本人視点で学ぶことができます。

2021年12月にプログラムをリリースしてから、issue+designが主催する「体験会」で多くの方にご参加いただきましたが、今回は一つの法人さまの職員研修という形で、本プログラムをご活用いただくことになりました!

▶︎プログラムの詳細はこちら(認知症世界の歩き方カレッジ)

研修当日の様子

今回ご一緒したのは、東京・神奈川県・埼玉県でグループホームや小規模多機能型居宅介護などの介護事業所を複数箇所運営している社会福祉法人奉優会さま。当日は4月に入職したばかりの新任職員さんから、入職2~3年目の職員さんを中心に20名が参加。日頃は皆さんそれぞれ別々の事業所で勤務しているため、直接顔を合わせる機会は多くないという状況でした。
 *部課長級職員向け研修のレポートはこちら

オンラインでのプログラムのため、それぞれの事業所や自宅から、Zoomをつないでスタート。
パソコンの前でただ講義を聞くだけではなく、ゲーム型のプログラムとレクチャー、ブレイクアウトルームを活用したグループワークを組み合わせた3時間の研修になっています。

<プログラム概要>
・研修の目的確認、参加者同士のアイスブレイク
・オンラインゲーム「認知症世界の歩き方Play!」
・認知症世界をより深く理解するためのレクチャー
・ワークシートを活用した研修での学びの深掘り
・グループワーク・全体での学びの分かち合い

ゲームスタート!

最初は皆さんすこし緊張の面持ちですが、グループで自己紹介をして和んだところで、研修を通して伝えたいこと、ゲームのルール・操作についてスタッフから説明。 

そして、参加者がそれぞれウェブブラウザにログインし、「認知症世界の歩き方Play!」がスタートします。ブラウザ上のチャットでやりとりをしながら、1ターン目がスタート!

ルーレットが自動でまわり、ゲームが進んでいきます。

旅の中では、「認知症世界の歩き方」に登場する13のスポットを紹介するアニメーションや、認知症に関する基礎知識を紹介するスライドムービーを視聴したり、同じマスに辿り着いた他の参加者とマイクを通しておしゃべりをしながら情報交換・アイテム交換をしたりすることができます。

3ターンを終えた頃には、皆さんすっかり操作にも慣れ、旅を楽しんでいる様子。途中、グループで感想共有の時間を挟み、9ターン目まで進んでゲームは終了。

認知症世界をより深く理解するためのレクチャー

ゲームを終えた後には、旅の中で体験した「ミステリーバス」「サッカク砂漠」「カクテルバーDANBO」など、この世界で登場するさまざまなスポットを読み解きながら、認知症世界の理解を深めるためのレクチャーを行います。

<レクチャーの内容>

  • 認知症のある方が日常の暮らしで体験していること、感じていること

  • その背景にはどんな心身のトラブルがあるのか

  • 暮らしづらさを解決するための工夫や知恵、デザインはどのようなものがあるのか

  • 認知症でない人々が持つ、無知や偏見によって生まれている認知症のある方にとっての困りごと

グループワーク

ゲームとレクチャーのあとは、それぞれ感想や気づき、今後の業務に生かしたいことを書くワークを実施。個人でシートに入力した後、グループで共有します。

新任職員さん向けのワークでの実施内容

グループ内では、このような発表がありました。

「利用者さんへ対して、無意識のうちに思い込みがあったことに気が付いた

"できない"と決めつけずに一緒にやってみるということを意識したい。目の前にいる方の不安を取り除けるような声掛けをしたい」

「利用者の方との関わりの中で、自己決定の場を奪っているなと感じた。いかにその方の希望を引き出せるか、スタッフのチカラ次第だと感じた」

「困りごとなどわかってほしいことは人それぞれ違うということに改めて気がついた」 

研修を終えて

3時間の研修もあっという間に終わり、参加者の皆さんから、このような感想をいただきました。

「利用者さんがやりたいこと、実現したいことを実現させたい。できないだろうと思うことでも、ちょっとした工夫でできることがあると思う。まずは、一人ひとりの希望を普段の暮らしや、これまでの生活歴の中から知り、企画をしていきたい」

「利用者の方に信頼してもらえるような声かけの仕方や対応をしたい。そのために、ご本人の視点で考えることを大切にしたい

他の研修参加者との交流も楽しかった

「ゲーム感覚で、認知症の方の世界に入り込むことで、これまでよりも相手の気持ちに寄り添えるように感じた。認知症だからという思い込みをなくし、理解をしていくことが大切だと感じた」

また、研修担当者の方からは、「今まで職員育成の際、認知症についてどう伝えていいのかわからない課題を抱えていました。現場で認知症のケアをしているスタッフに認知症世界の体験をしてもらい、もっともっと認知症を理解することで、寄り添ったケアをしてほしい!という思いで今回の研修に期待をしていました。今までに経験したことのなかった研修でしたので、参加者からは"わかりやすかった" "ゲームの中で学べて実感できた"といった感想をもらっています」といった嬉しい声お寄せいただきました。

研修参加者のみなさんと最後に記念撮影!

奉優会の皆様、ご参加ありがとうございました!

より多くの方にこのプログラムをお届けするために

認知症世界の歩き方Play!を活用した研修では、ゲームとレクチャー、そして参加者同士のやりとりを通して、日頃接している利用者さんとの関わり方へのヒントや、認知症に対する新しい視点をすこしでも持ち帰ってもらうことができたら…という思いを込めて運営しています。

ぜひ、皆さんの職場での研修にもご活用ください。
対象者や時間、研修の目的などに合わせて内容を検討することも可能ですので、お気軽にご相談ください!

メニュー詳細、問い合わせについてはこちらから。お待ちしています!


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