【全文紹介④】『プレ・シングルマザー手帖 』DV、女性問題、金銭問題....困難を乗り越えて、離婚と向き合うお母さんへ
Case2 身体的暴力に悩むカナコさん
夫とは、友だちの結婚式で出会った。起業していて、自信家で、とても頼もしく思えた。夫には離婚歴があり、前妻は産後うつで実家に子どもを連れて戻り、そのまま帰って来ず離婚に至ったという。両親は結婚に反対したけれど「私なら彼とうまくやれる」と、心配を押し切って結婚した。
結婚してしばらくして、夫からの暴力が始まった。機嫌を損ねると顔色がサッと変わり、殴られたり蹴られたりするようになった。夫の地雷はどこにあるか分からず、家を隅々まで掃除したり、夫の好きな料理ばかり作ったりしていたけれど、何かにつけてすぐに暴力を振るわれた。怒ったあとしばらくすると反省した様子で謝ってきたので、いつか暴力はおさまると思っていた。
娘が生まれたことを機に私は仕事を辞め、専業主婦になった。娘が3歳になると保育園に預け、ラジオ局でパートとして働き始めた。
数年経っても暴力はなくならず、最近では娘の前でも手をあげられることが増えた。娘が変な声をあげたり、手足が震えたりするようになった。
暴力を受けていた期間が長かったので、私自身も、普通の日常の過ごし方が分からなくなっていた。
離婚の検討・準備
1週間後
夫との合意
2週間後
1ヶ月後
新生活の開始
6ヶ月後
離婚の検討・準備
子どもの言葉で離婚を決意する
娘が生まれてから、夫の暴力はさらにひどくなった。私はストレスから拒食症を患い、満足に食事ができない日々が続いた。難しいことは考えられず、目の前のことだけで精一杯だった。
なかなか次の行動に移せずに数年が過ぎた。娘が4歳になったある日、また夫から殴られている私を見て、初めて「パパ、もうこれ以上ママを殴るのはやめて!ママが死んじゃう!」と泣きながら訴えた。「このままいけば娘に対しても夫の暴力が及ぶかもしれない…。この子を守れるのは私だけだ」と、離婚を決意した。
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