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【全文紹介④】『プレ・シングルマザー手帖 』DV、女性問題、金銭問題....困難を乗り越えて、離婚と向き合うお母さんへ

割引あり

『プレ・シングルマザー手帖』シングルペアレント101・issue+design
(英治出版)
2023/8/8発売

本書は、離婚を考えるとき何から始めれば良いか分からず、孤独に悩むすべてのお母さんへ贈るエールです。
この本をより多くの必要としている方に届けたい。そんな思いから、全文公開をいたします。こちらの記事から本書に興味を持っていただけましたら、お近くの書店やAmazonでお買い求めいただけますと幸いです。
今回は全文紹介の4つ目をお送りいたします。

Case2 身体的暴力に悩むカナコさん

夫とは、友だちの結婚式で出会った。起業していて、自信家で、とても頼もしく思えた。夫には離婚歴があり、前妻は産後うつで実家に子どもを連れて戻り、そのまま帰って来ず離婚に至ったという。両親は結婚に反対したけれど「私なら彼とうまくやれる」と、心配を押し切って結婚した。
結婚してしばらくして、夫からの暴力が始まった。機嫌を損ねると顔色がサッと変わり、殴られたり蹴られたりするようになった。夫の地雷はどこにあるか分からず、家を隅々まで掃除したり、夫の好きな料理ばかり作ったりしていたけれど、何かにつけてすぐに暴力を振るわれた。怒ったあとしばらくすると反省した様子で謝ってきたので、いつか暴力はおさまると思っていた。
娘が生まれたことを機に私は仕事を辞め、専業主婦になった。娘が3歳になると保育園に預け、ラジオ局でパートとして働き始めた。
数年経っても暴力はなくならず、最近では娘の前でも手をあげられることが増えた。娘が変な声をあげたり、手足が震えたりするようになった。
暴力を受けていた期間が長かったので、私自身も、普通の日常の過ごし方が分からなくなっていた。

離婚の検討・準備

・子どもの言葉で離婚を決意する
・実家を頼れず、避難ができない

1週間後

・初めての電話相談で安堵する
・DVを受けている証拠を用意する
・病院、そして警察へ行く
・信頼できる相談員のもとへ
・友人宅へ避難する
・夫から執拗に連絡が来る

夫との合意

2週間後

・調停を申し立てる
・離婚条件について弁護士に相談する

1ヶ月後

・調停で何度も夫と顔を合わせる
・調停委員が夫の味方をする

新生活の開始

6ヶ月後

・警察で110番登録をする
・家を借り、子どもと2人の生活が始まる
・仕事がなかなか見つからない
・面会交流で夫と会うのが怖い

離婚の検討・準備

子どもの言葉で離婚を決意する

娘が生まれてから、夫の暴力はさらにひどくなった。私はストレスから拒食症を患い、満足に食事ができない日々が続いた。難しいことは考えられず、目の前のことだけで精一杯だった。
なかなか次の行動に移せずに数年が過ぎた。娘が4歳になったある日、また夫から殴られている私を見て、初めて「パパ、もうこれ以上ママを殴るのはやめて!ママが死んじゃう!」と泣きながら訴えた。「このままいけば娘に対しても夫の暴力が及ぶかもしれない…。この子を守れるのは私だけだ」と、離婚を決意した。

身の危険を感じたらすぐに110番で警察を呼ぶか、最寄りの交番や警察署に駆け込み、子どもと自分の身の安全を確保しましょう。
また、長い間一方的に暴力を受け続けることで自分が悪いと思い込み、夫の支配から抜け出せなくなってしまうケースが多く見られます。第三者に相談し客観的に状況を整理してもらうことが重要です。まだ離婚すると決めていなくても大丈夫です。少しでも気になったら、早めに、相談してみましょう。

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