Mitsuaki_Matsumura

知財契約条項の解説および交渉手法の検討

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2024年 知財カンファレンス日程

IPBC Korea 2024 22 February 2024 | JW Marriott Dongdaemun Square Seoul 6th Annual Automotive IP & Legal World Summit 01 - 02 MARCH 2023 | HILTON MUNICH CITY, MUNICH, GERMANY IAM Live: IP and Emerging Technology Europe 2024 6 March 2024 |

    • 【条項解説】 スタートアップの共同研究開発契約に競業避止義務条項は必要か?

      共同開発や業務提携案件において、競業避止義務を盛り込むべきかが検討ポイントとしてあがる。条項集にもよく挙げられる。 しかし、雛形にある競業避止義務条項を盛り込んでしまったがために、契約管理コスト膨大となり、その後の弁護士費用が膨らんでしまった事例も相当数のあるのではなかろうか。例えば、 ・競業避止義務を受けたがため、その後の新規案件の都度、競業避止義務の範囲を確認する必要が生じ、契約管理が煩雑になる(または色々な部署が競業避止義務を盛り込んだ契約を締結した結果、現時点にお

      • 【条項解説】 共同研究開発における第三者との紛争解決条項

        わざわざ取引費用をかけてまで契約書を準備し交渉する理由はなにか。 一つの考え方として、弁護士費用をはじめとした取引コストが契約締結前に発生しようとも、のちの紛争解決に伴うコスト(弁護士費用、裁判費用、社内リソースの確保)と比べて安ければ、契約書を準備しておくことに意義を見出すことができるというものがある。 この整理からすれば、紛争が発生しても裁判まで至る可能性が極めて乏しい業界においては伝統的に契約書がさっぱりしているのに対し(契約書が存在しないこともある)、取引に関する

        • 【条項解説】 共同研究開発における費用負担条項

          会社が複数集まりプロジェクトを遂行する以上、プロジェクト成果物(技術成果、知的財産権)に関する対価支払いとは別に費用負担、費用精算の取り決めが必要となる。費用負担については、認識の齟齬が生まれやすいため(負担してもらえると思っていた、そこまで負担するつもりはなかった)、契約締結時に契約条項において負担内容、精算メカニズムを明確にしておくべきである。 経済産業省および特許庁による研究開発型スタートアップと事業会社のオープンイノベーション促進のためのモデル契約書の共同研究開発契

        2024年 知財カンファレンス日程

          【条項解説】 "改良"発明に関する謎条項

          ソフトウェアライセンスであればライセンス対象物のバグフィックスやバージョンアップがあることから"改良"ソフトウェアの帰属、費用負担、ライセンス条件を定めておくことが一般的である。他方、一部の契約書に未だみられる特許発明の"改良"や"改善"に関する条項は、何を意図しているのか?ソフトウェアライセンス契約の悪しきコピペ以外に実務的な意図はあるのだろうか? 経済産業省および特許庁による研究開発型スタートアップと事業会社のオープンイノベーション促進のためのモデル契約書の共同研究開発

          【条項解説】 "改良"発明に関する謎条項

          【条項解説】 共同研究開発相手方の倒産リスクと相手方特許権の処遇

          共同研究開発案件において倒産相手方の知財権の処遇は、プロジェクトの座組み策定時に検討すべきポイントの一つである。とりわけスタートアップとの共同研究開発事案においては、資金繰りに窮したスタートアップ 側の特許権をはじめとした知的財産権の散逸を意識した契約条項を作成しておく必要がある。 経済産業省および特許庁による研究開発型スタートアップと事業会社のオープンイノベーション促進のためのモデル契約書の共同研究開発契約書v1.0(「モデル共同研究開発契約書」)では、第7条6項が次の規

          【条項解説】 共同研究開発相手方の倒産リスクと相手方特許権の処遇

          【条項解説】 共同研究開発に基づく発明の帰属、出願方法、実施条件

          共同研究開発事案における発明は、次の3つに分類できる。 ・共同研究開発以前の発明(「background発明」) ・共同研究開発を通じたなされた発明(「foreground発明」) ・共同研究開発後、同研究開発に関係なくした発明(「sideground発明」) このうち、foreground発明については、その帰属、出願方法、実施条件等を取り決めておくことになる。以下、経済産業省および特許庁による研究開発型スタートアップと事業会社のオープンイノベーション促進のためのモデル契

          【条項解説】 共同研究開発に基づく発明の帰属、出願方法、実施条件