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株価予測 ~出願特許から企業価値成長規模予測~
IP Surveyでは、
特許の競争力を評価するソフト
を開発しています。
特許には、発明した製品・サービスを、発明者以外に模倣して販売させない効力があります。
ただ特許の内容によっては、その効力に強さ・弱さがあり、
競争力の強い特許を出願している企業ほど、
対象の製品・サービス市場内で、市場シェアを拡大させやすく、
企業価値(時価総額)拡大につながりやすいのです。
IP Surveyでは、
特許の強さを定量的に評価するため、
下図の3パラメータ、
頑健性・カバレッジ・基本発明性
について解析するソフトを開発いたしました。
![](https://assets.st-note.com/img/1711348744216-7NUppkoIrF.png?width=1200)
また、競争力の3パラメータについて、
同一分野、同一期間における
相対評価を行い、
偏差値
として算出しています。
特許強さの市場シェアへのインパクト:走査型プローブ顕微鏡(SPM)市場での解析例
例として、2000年と2021年でのSPM市場において、
・市場シェア
・特許パラメータ(頑健性、カバレッジ、基本発明性)
に関して、代表企業の比較結果を下記にまとめました。
![](https://assets.st-note.com/img/1711351453178-LxoUBtVUbb.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1711351515639-OoXR2KR6BC.png)
図2および図3の円グラフは、それぞれ、
2000年と2021年の日本国内SPM市場シェアの様子です。
2000年 市場1位 SII(現:日立ハイテク) シェア30%
市場3位 日本電子 シェア8%
2021年 市場1位 Bruker社 シェア33%
市場2位 日立ハイテク シェア21%
市場--位 日本電子 シェア0%
20年間でBrukerが市場1位にとってかわり、日本電子が市場を失う結果となっていました。
【参考文献】
・科学機器年鑑 2019年版 No.1市場分析編 (株)アール アンド ディ
・科学機器年鑑 2022年版 No.1市場分析編 (株)アール アンド ディ
これらの企業に対し、各特許パラメータを分析しました。
2000年市場シェアとの比較対象:1997~2000に出願された特許
2021年市場シェアとの比較対象:2000~2021間に出願された特許
2021年については2000~2021年の変化を見るため、この間に出願された特許を対象としました。
その結果、2000年では、
市場シェアの高いSIIが偏差値60以上の特許を多く有しており、
市場シェアの低い日本電子は保有特許の偏差値が低い結果となりました。
市場シェアの高い企業が、高い偏差値の特許を保有している結果となりました。
2021年においても、同様の傾向がみられ、
頑健性・カバレッジ・基本発明性パラメータで
偏差値60以上の特許を最も多く出願していたBrukerは、
出願総数が最も多かった日立ハイテクよりも
市場シェアが高い結果となりました。
弊社での研究により、EV市場、家電市場、医療機器市場等多くの他の市場でも同様の評価結果が確認されております。
新興企業(2019 IPO銘柄)の出願特許と時価総額成長との関係
IP Surveyソフトの解析により、
特許の強さを示すパラメータが優秀なほど、
市場シェアを拡大できることがわかりました。
この特許解析ソフトを新興企業を対象として評価してみました。
今回の対象は、
2019年に東証へ上場した6企業(AI inside, 恵和, セルソース, HENNGE, メドレー, ステムリム)を対象に、
・上場後の時価総額成長状況
・上場前後の出願特許解析結果
について比較し以下にまとめました。
尚、特許のパラメータ評価のため、比較対象として、
同一の技術領域(=特許技術分類:FI)としました。
以下の表記では、特許パラメータについて、
R:頑健性
C:カバレッジ
B:基本発明性
としております。
簡潔に判定するため、上場時の時価総額と比較した現時価総額までの時価総額成長率、特許強さの総合判定をA~Dの4段階で示しております。PERは、東証プライム平均の20と比較し、高いか低いか判定しています。
以下に紹介する結果から、特許強さの4段階評価A~Dにおいて、
評価A:企業価値(時価総額)を着実に伸ばし、株式市場において高い評価を得ている
評価B~評価C:ブーム、トレンドにより一時的に時価総額が伸びうる可能性がある
評価D:時価総額の成長は見込めない
と株式市場での評価と合致する結果となりました。
今回の特許ソフト評価が、今後安定に時価総額を伸ばしうる企業であるかどうかの判定材料として有効であることが確認されました。
ソフトによる解析依頼、評価してほしい企業ありましたら、コメント欄からぜひご提案ください。
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