髙橋優

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髙橋優

【次回更新予定:2023/10/30 19:00】毎月第4月曜の19:00に声優/アニメに関する評論をアップします。執筆依頼はiovis.takahasius@gmail.comまでメールでご連絡をお願いします。昨年の仕事:『ユリイカ』湯浅政明特集号に寄稿(2022年6月)。

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  • 名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る

    四半期ごと(3, 6, 9, 12月)+αにアップしている名作/迷作アニメを回収するエッセイ企画です。

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    ユリイカ 2022年7月臨時増刊号 総特集◎湯浅政明 ―『マインド・ゲーム』『四畳半神話大系』から『映像研には手を出すな! 』、そして『犬王』へ―

    湯浅政明
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 このページは、髙橋 優がnoteに公開したアニメ/声優に関する評論記事の一覧です(随時更新)。各記事を楽しんでいただけましたら、スキ・シェアいただけたら大変嬉しいです。皆様のコメントが執筆の励みになります。  商業誌/同人誌へ寄稿した記事の一覧はこちらをご覧ください。  執筆依頼等のご連絡はiovis.takahasius@gmail.comまでメールいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。 蛮族のためのアニメ月評 毎月第4月曜の19:00にアップしている声優/ア

    • 名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第9回:『魔法のプリンセス ミンキーモモ』

      はじめに:『ミンキーモモ』との出逢い 1991年生まれの私にとって、湯山邦彦と首藤剛志の名前はTVアニメ『ポケットモンスター』と密接に結びついている。もちろん、1997年の放送当時――幼少の砌――から二人の名前をはっきりと認識していたわけではない。一方で、アニメのタイトルこそ『アドバンスジェネレーション』、『ダイヤモンド&パール』、『ベストウィッシュ』、『XY』、『サン&ムーン』と時代に合わせて変わりながらも、変わらずにオープニングムービーに残り続けた「総監督 湯山邦彦」の

      • 『しん次元!クレヨンしんちゃん』が投げかける難問:「がんばれ」と言いにくくなった時代に、それでも「がんばれ」と言うのはなぜか

         2023年8月4日に劇場公開された『しん次元!クレヨンしんちゃん THE MOVIE 超能力大決戦~とべとべ手巻き寿司~』(以下、『超能力大決戦』と略記)は、『クレヨンしんちゃん』シリーズ初の3DCGアニメーション映画である。制作期間7年をかけて2.85Dに調整された3DCGに違和感はなく、本作は看板に偽りなしの「しん次元」を堪能できる挑戦的なアニメ映画に仕上がっている。だが、それとはまた別の意味で、本作は挑戦的な作品だった。ギャグは冴えておらず滑りぎみで、全体を通して爽快

        • 宮﨑駿監督作『君たちはどう生きるか』と日本の近代:悪意に満ちた「石」とその桎梏

          ※本記事はアニメ映画『君たちはどう生きるか』のネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。  2023年7月14日、終戦記念日に先立つこと約一ヶ月、宮﨑駿監督作『君たちはどう生きるか』(以下、『君どう』と略記)が封切られた。『君どう』は一言で言えば、牽引力に溢れた挑発的なアニメ映画だった。一方で、多種多様なアニメーションの快楽に満ちている。うねる火炎、陰鬱とした屋敷、不気味な塔、不可思議な異界、集合物のうごめき(バラバラな動きのコントロールの妙)、グロテスクさ・滑稽さ・

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        • 名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第9回:『魔法のプリンセス ミンキーモモ』

        • 『しん次元!クレヨンしんちゃん』が投げかける難問:「がんばれ」と言いにくくなった時代に、それでも「がんばれ」と言うのはなぜか

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          過去に執筆した文章を読み返し、一部の表現に反省すべき箇所があったと判断したため、6つの記事(かのかり、のうコメ、ツキミチ、ファーストガンダム、暗黒兵士、F91の各評論)に修正を加えました。今後もよりよい表現に向けて精進してまいります。引き続きよろしくお願いいたします。

          過去に執筆した文章を読み返し、一部の表現に反省すべき箇所があったと判断したため、6つの記事(かのかり、のうコメ、ツキミチ、ファーストガンダム、暗黒兵士、F91の各評論)に修正を加えました。今後もよりよい表現に向けて精進してまいります。引き続きよろしくお願いいたします。

          名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第8回:『機動戦士ガンダムF91』

          (2023年7月8日追記:過去に執筆した文章を読み返し、一部の表現に反省すべき箇所があったと判断したため、本文に修正を加えました。) ※本稿は『機動戦士ガンダムF91 完全版』を前提に執筆したものです。 はじめに 富野由悠季の監督作『機動戦士ガンダムF91』(1991年、以下『F91』と略記)を映像作品として評価するのは、二つの意味で難しい。  第一に、『F91』というアニメ映画は名実ともに未完の作品である。富野自身が後年のインタビュー記事で明かしているように、『F91』は

          名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第8回:『機動戦士ガンダムF91』

          TVアニメ『お兄ちゃんはおしまい!』について:現代の興奮依存症と漂流する「男らしさ」の行方

           2023年3月に放送が終了したTVアニメ『お兄ちゃんはおしまい!』(以下、『おにまい』と略記)は、ひきこもりの成人男性がある日突然美少女の姿を手に入れ、女子中高生コミュニティのなかでセルフケアと社会性を身につけていく様子をコミカルに描く作品である。本作をたわいない性転換(TS)コメディの一つにすぎないと片付けるのは簡単だ。しかし、画作り・文藝の両面から見て、本作は良くも悪くも男性の「劣化」を的確に写し取っており、真剣な分析に値すると考える。本作は、童顔とグラマーなスタイルを

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          TVアニメ『解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ』について:現代の貴種流離譚における女性の排除

          (2023年7月11日追記:過去に執筆した文章を読み返し、一部の表現に反省すべき箇所があったと判断したため、本文に修正を加えました。)  2023年3月に放送が終了したTVアニメ『解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ』は遅咲きの作品だった。物語が大きく動き、タイトルに掲げられた「スローなセカンドライフ」の真意が明らかになるには、第10話を待たなければならなかった。しかも、本作の描き出す「スローなセカンドライフ」は一般的にイメージされがちな「スローライフ」――

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          TVアニメ『アキバ冥途戦争』におけるアキバブームの刻印:メイドに関する偽史的想像力をどのように考えるべきか

          ※Twitterでの指摘を受けて、本稿の文末に追記を加えました。  2022年12月に放送が終了したTVアニメ『アキバ冥途戦争』は、加藤智大による無差別殺傷事件(2008年6月8日)を生むような秋葉原の都市構造の変容を前提とした、マッチポンプ的な作品だった。  本作は「萌えと暴力について」というキャッチコピーを引っ提げて、秋葉原でメイドとして働く女たちがヤクザ映画さながらの殺し合いを演じる様子を余すところなく描き出す。1999年の秋葉原を舞台に繰り広げられるのは、メイドカフ

          TVアニメ『アキバ冥途戦争』におけるアキバブームの刻印:メイドに関する偽史的想像力をどのように考えるべきか

          名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第7回:『伝説巨神イデオン』

          はじめに 『伝説巨神イデオン』(1980~1981年、以下『イデオン』と略記)および『THE IDEON 接触篇/発動篇』(1982年、以下『接触篇/発動篇』と略記)は、富野由悠季が『機動戦士ガンダム』(1979~1980年)に続けて手掛けた衝撃作であり、放送および劇場公開から40年以上が経過したいまもカルト的人気を誇っている。  アニメスタイル編集長の小黒祐一郎はコラム「アニメ様365日」のなかで、「彼〔注:富野由悠季〕の作家性がもっとも色濃く出た作品は『伝説巨神イデオン』

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          『ONI ~ 神々山のおなり』が描く現代日本の差別と分断:馬場あき子『鬼の研究』に寄せて

          はじめに 2022年10月21日に配信が開始されたNetflixシリーズ『ONI ~ 神々山のおなり』(英題は“ONI: Thunder God’s Tale”)は、神々山に住まう「神」と神々山を脅かす「ONI」との衝突を物語の主軸として、鬼にまつわるクリシェに現代的な再解釈を加えた全4話(計154分)の3DCGアニメーション作品である。本作は、神々山で暮らすおてんばな少女・おなりの成長を描きながら、人間の心に潜む恐怖が差別を生み出すことを洞察した労作と言える。  本作の舞

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          未来志向の陣地戦と迎合主義の陥穽:『アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~』について

          ※本記事はアニメ映画『アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~』のネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。  大人になるってどういうことだろう。  そんな陳腐ながらも途方もない問いに、「アイドル戦国時代」以降の「アイドルアニメ」が応答するのはたいへん難しいことだ。アイドルアニメは、現実におけるアイドルユニットの林立を背景として、アイドル同士の鍔迫り合いや切磋琢磨を活写する方向に発展を遂げ、結果的に分節(articulation)を前提とした横断的

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          TVアニメ『恋愛フロップス』が示唆する美少女ゲームの帰趨:東浩紀『動物化するポストモダン』の再検討を通じて

          はじめに 2022年12月に放送が終了したTVアニメ『恋愛フロップス』は、「お嫁さん候補」である5人の美少女から言い寄られるという多情な状況を下敷きにして、多層的に悪趣味な構成をとったオリジナルアニメであった。本作は、新味に欠ける「美少女ゲーム」的な布置のラブコメディが展開する前半部と作中の入れ子構造の種明かしを行う後半部に分かれているが、全体を通じて徹底的にお下劣な文芸と意匠で飾り立てられており、美少女ゲームの持つ猥雑さを視聴者に再認識させてくれる。  前半部では、「聖キク

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          名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第6回:『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』

           フィクションにおいて、戦争のおぞましさや悲惨さを伝えようとするとき、そこには大別して二つの方向性が認められる。一方で、軍人が残虐な行為に手を染める様子を執拗に見せたり、愚かな政治が開戦の決断にいたる過程を丁寧に描いたりすることによって、戦争における「加害」の側面を強調することがある。他方で、末端の兵士が戦場で無惨に死んでいく様子を接写したり、民間人が無差別攻撃で次々に命を奪われる様子を大写しにしたりして、戦争における「被害」の側面に力点を置くこともある。  社会学者の福間良

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          TVアニメ『シャインポスト』と『Extreme Hearts』の明暗:アイドルアニメから見えてくる才能・努力・自己肯定感の連関

          はじめに 2022年7月期に放送されたTVアニメ『シャインポスト』と『Extreme Hearts』は、どちらも女性アイドルグループの奮闘を描くことを通じて、ありのままの自分を受け入れることの尊さを謳い上げた作品だった。しかし、視聴者に投げかけられたメッセージの表層とは裏腹に、この二作品は人間の才能について対照的な理解を示しており、結果的にアイドルアニメとしての巧拙が際立つことになった。  『シャインポスト』は、株式会社コナミデジタルエンタテインメントが手掛けるメディアミック

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          TVアニメ『Engage Kiss』が描いた合意と形式の板挟み:悪魔との契約の変遷が指し示す信頼の行方

          はじめに 2022年9月に放送が終了したTVアニメ『Engage Kiss』は、人間と悪魔との契約という古典的な題材を多角関係のラブコメディに落とし込み、相手を信頼することの難しさと尊さを巧みに描いた秀作であった。  本作の舞台となるベイロンシティは、次世代のクリーンエネルギー資源「オルゴニウム」の採掘と研究のために作られた、太平洋に浮かぶメガフロート型の都市である。どこの国にも属さず、自治権を有するこの街は、奇跡の鉱石「オルゴニウム」の恩恵によって、世界中の投資家・実業家・

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