何でもない日に娘からもらったプレゼント
「お母さん、好きな本何?欲しい本とかある?」
ある日突然、娘(7歳)から聞かれた。
「本……。好きな本……。いつも本屋さん行って適当に良さそうなやつ選んで買うからなぁ。欲しい本は本屋行かなわからんな」と答えると、
「えーーーなんかないの?欲しい本!」と言う娘。
横から父親が、「何かお母さんにプレゼントしてあげたいらしいで」とカットイン。
「え?プレゼントってなんで?誕生日とかまだ先やで?」(私)
「別に良いやん!なんか欲しいものとかないの?」(娘)
「うーん、じゃあ、美味しいチョコと珈琲かな^^」(私)
「わかった!」とにんまり笑う娘。
そして後のお休みの日、娘が父親と何かコソコソ話している。
「今日はお母さんにプレゼント買いに行くで」と娘の声はコソコソのつもりみたいだが、丸聞こえ。私がチラッとそちらを見ると、「何か聞こえた!?」とすごい勢いで詰め寄ってくる。
「いやいや、何も聞こえてないよ」と答える私。
その日は家族4人で公園でクレープ食べようと出かけたのだが、娘が「私とお父さんはちょっと用があるから、先行っといて」と言う。そして、コソコソのつもりで「チョコ買いに行くで」と父親に伝えている。(丸聞こえ)
夫も「サプライズやもんな」と笑っている。(丸聞こえ)
「わかった、わかった。先弟と行ってるわ」と2人ずつ別行動をし、後で合流した。その際「お母さん、今日帰ったらお楽しみがあるから、楽しみにしておいてよ」と娘は笑っている。夫もまたも「サプライズやもんな」、娘は「もうばれてるからサプライズじゃないわ!」と一喝。
「わかった、楽しみやな~」と答え、みんなでクレープを食べて、公園で遊び帰宅した。
部屋にあった、紙袋を持ってきて「これ使って良い?」と聞く娘。「良いよ」というと、いそいそ別室へ持って去っていく。
その後、風船を4つ合わせてお花のようにしたものを飾った紙袋を持って現れた。
「見んといて!!!」って言うけど、私が見ている方向の目の前を通ったら、そりゃ見るやろと笑えてくる。
そして、「お母さんにプレゼントがあります!」と満面の笑みで紙袋を渡してくれた。
「えーーー何やろ?ありがとう」と答えて紙袋の中を見ると、KALDICOFFEEで買ったチョコとドリップ珈琲、カフェオレベースが入っていた。私のこと思って、選んで(夫のお金で)買ってくれた、何でもない日のプレゼント。
最近、小学校も新学期が始まって、色々ストレスがあるのか家でわがまま放題だった娘。私もつい叱ることが増えていたのだが、彼女の中で何か思うところがあったのだろうか。
「わー嬉しい!ありがとう!美味しくいただくわ!」と伝えると、心から嬉しそうな顔をして胸に飛び込んできた。「一生大事にしてや」という娘。うん、それやったら食べられへんけどな。
姉をぎゅーっとしていると、嫉妬に狂った弟が横から割り込み、膝の上で泣き叫んでいる。カオス。「〇〇〇(弟の名前)もあげたかったー!」と言うので、「お母さん、煎餅とお茶の組み合わせも同じくらい好きやから」と謎の追加リクエストをして、膝の上で喧嘩する姉弟をなだめることとなった。
何でもない日に娘からもらった、チョコと珈琲。大事に大事に食べようと思う。
今回は物をもらったという話だったのだが、思い返せば子どもが生まれてから、何でもない日が特別になることだらけだ。
抱っこ紐で抱っこをして一緒に歩いた公園の道。葉っぱの色がいつもより鮮やかに見えた。
初めて歩いた日。大歓声で歩く娘を動画でおさめた。初めて逆上がりができた日もそう。家で大盛り上がりだった。
道端のお花を一緒に見ることも、ダンゴムシを一緒に探して捕まえることも。子どもが生まれる前だったら、素通りしていた道。
私一人だったら、気づけなかったこと、味わえなかった感情が数えきれないくらいある。
考えて選んでくれたプレゼントはもちろん嬉しいのだけど、いてくれるだけで嬉しいんだよ、と今度伝えてみよう。
連休明け久々に出社して、いつも以上に疲れていた昨日。帰宅後に娘からもらったカフェオレを飲み、チョコを一つつまんで疲れを癒した。
「疲れとれるわ~、美味しいな~」というと、娘はにっこにこだ。
大変なことも、腹が立つことももちろんあるけど、子どもって本当にありがたい存在だ。
「お母さんのところに来てくれてありがとう」と、私も何でもない日に伝えたいな、と思う。
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