CASEに関わる最新海外動向 (2021年8月)

2021年 8月5日~9月2日

この期間の重要な動向

■ 米国政府は2030年までにEV (BEV、FCV、p-HEV)を新車販売の40-50%にする声明を出した。

✔ ほとんどの主要自動車会社各社は40-50%にする準備は整っているとして賛同を表明した上で、連邦政府による排出基準強化、充電インフラへの継続的投資、EV購入に対する消費者インセンティブ拡大へのコミットを求めた。
✔ 米系3社(GM、Ford、Stellantis)は、今回、全米自動車労働組合(UAW)の支援が取り付けられている事で、EV化が進めやすくなっている。
✔ 労働組織化されていないTeslaや多くの海外企業にとって、EV化に伴う労働問題は概ね無いが、労組工場で製造されたEVに対する購入時優遇の可能性に対しては明確に反対を表明している。

■ 中国政府は「共同富裕 (common prosperity)」方針に向け、経済成長を後押ししているハイテク巨人に深刻な損害を与えることなく権力を掌握する、微妙なバランスをとろうとしている。

✔ 中国政府は、国全体でのより公平な収入の分配に焦点を合わせ、過剰な労働を抑制し、何百万人ものブルーカラー労働者を搾取から保護する規則を課す予定で、ハイテック企業にはそれに先駆けた社内労組化の動きがある。
✔ 社会的不平等に対処し、強力な利益を抑制するためにデータの管理を掌握しハイテク企業を追求するという傾向もある。例えば、DiDiにとって約4億人のライダーとドライバーの間で1日25M回の乗車を調整するのにデータは不可欠だ。政府にとっては、毎日数億人のユーザーから集めた移動データに対する制御を取り戻すため、Alibabaに対してよりも、DiDiに対して厳しい制裁を課す可能性が高い、という憶測がある。

■ 米国で充電インフラの拡充が進んでいる。

✔ Teslaは自社の販売台数拡大と伴に、他社EVに開放する可能性を前に、スーパーチャージャーの設置拡大を準備している。他社EVから切り替える事業機会にもなる。
✔ Electrify Americaは2025年までに米国とカナダで1,800箇所のステーションで約10,000チャージャーを設置予定だが、加えて南カリフォルニアで大型EVトラック60台向けに34箇の急速充電器を設置。
✔ Airbnbでは、この夏から、宿泊施設にEV充電器があるか検索できるようになっている。

■ EV化は自動車サプライヤーを困惑させているが、サプライヤーにとって製品範囲を変更する能力が存続につながる。

✔ これまで確立されてきた事業構造をスリム化し、ソフトウェアとデジタル化により多く投資し、R&Dパートナーシップに対してよりオープンになり、アジアの潜在的な成長に期待する必要がある。

■ 主要な自動運転車会社は自動運転技術を商業化する計画を具体化し始めている。

✔ 自動運転技術は、99%問題を解決したが、残り1% (例:建設作業員、自転車、左折、歩行者などの小さな障害等)が最後の難題で早急には解決困難。
✔ ロボットカーが状況に対処する方法がわからない時、(例:この車は駐車しているのか、それとも移動しようとしているのか?道路工事を避けて走る余地はあるか?等) リモートオペレーターがロボットカーを支援する方向に進んできている。

■ 卵と鶏の関係に近いインド政府の輸入関税低減とTeslaの現地生産化が、互いに少しずつ歩み寄る動きがある。

✔ もし近々インド市場が開放されると自動車産業に大きなインパクトがあり得る。

以下詳細です。

◎◎◎ 米国の動向 ◎◎◎

バイデン政権のクリーンカーとトラックに関する米国強靭化のステップに関する声明 

◇ Ford、GM、Stellantisは2030年までに米国のEV(BEV、FCV、p-HEV)が40〜50%の年間販売台数を達成するという共通見解としてコミットし、バイデン政権、議会、州および地方政府の支援を要求している。また、労働組合(UAW)が合意しているので進めやすいとしている。
◇ UAWは、政府のBuild Back Better Planの投資を受け、国内EVの生産能力を拡大するよう協力し、労働者の賃金と手当を良くすると表明。
◇ BMW、Ford、ホンダ、VW、Volvo等カリフォルニア体制の企業は、既に今後9年間で売上の40〜50%をEVに向けて推進しており、米系3社同様、連邦政府による強力な排出基準、充電インフラストラクチャへの継続的投資、EV購入に対する消費者インセンティブでの大胆な行動を求めた。Alliance for Automotive Innovationも、同様にEVを10年の終わりまでに新車販売の40〜50%に引き上げる準備ができているとし、その成功のためにはあらゆるレベルで政府が役割を果たす事が必須としている。

海外の自動車メーカーはホワイトハウスが労組工場を優遇することを批判した 

◇ ホンダ、トヨタ、その他の外国の自動車メーカーは、バイデン政権がEVの購入者を獲得するための競争で、組合化されたデトロイトのライバルを援助するという兆候に、不公平で、特定の自動車メーカーを支持する政策がEV採用のペースを鈍らせる可能性があり、また消費者の選択肢を狭める可能性があると不満を表明した。
◇ 議会は、労働組織化された米国工場で製造された車両に対してより多くのインセンティブを高める法律を検討している。

◎◎◎ 中国の動向 ◎◎◎

習近平政権の「共同富裕(common prosperity)」方針に先駆け、ハイテック企業にも労組化の動きがある 

◇ 中国政府は、国全体でより公平な収入の分配に焦点を合わせ、過剰な労働を抑制し、何百万人ものブルーカラー労働者を搾取から保護する規則を課す予定。
◇ DiDiは既に労組を設置した。DiDi以外のモビリティ事業者やハイテク巨人もまもなく従う可能性がある。

★ 習近平政権は、経済成長を後押ししている重要なセクターに深刻な損害を与えることなく、中国のハイテク巨人の権力を掌握することの間の微妙なバランスをとろうとしている 

◇ 社会的不平等に対処し、データの管理を掌握し、強力な利益を抑制するために民間企業を追いかけるという北京の決意の現れでもある。
◇ DiDiにとってデータは約4億人のライダーとドライバーの間で1日25M回の乗車を調整するのに不可欠だ。政府にとっては、毎日数億人のユーザーから集めたデータに対する制御を取り戻すための広範な取り組みのテストケースになる可能性があり、Alibabaに対してよりも、DiDiに対して厳しい制裁を課す可能性が高いという憶測がある。

★ 中国の乗用車協会によると、7月の自動車、SUV、MPVの総販売台数は前年比6.4%減だったが、NEV (新エネルギー車)の販売台数は約170%増の222,000台 

◇ 新エネルギー車の年間予測を、以前の推定220万台から240万台に引き上げた。
◇ 一方、今週初めの中国規制当局は、EVセクターのバブルの一つの兆候である共謀を通じたNEVの価格を引き上げることを罰すると述べた

◎◎◎ 欧州の動向 ◎◎◎

★ VWとDaimlerのEV化はドイツの自動車サプライヤーを困惑させている 

◇ ドイツの$94Bの自動車部品業界の半数以上は、EV化の世紀に一度のシフトのペースに圧倒されている。ドイツ政府は燃焼機関からの移行を支援するための€1Bの「未来基金」を了承した。
◇ サプライヤーにとって、製品範囲を変更する能力が存続につながる。確立されたプロセスをスリムにし、ソフトウェアとデジタル化により多く投資し、R&Dパートナーシップに対してよりオープンになり、アジアの潜在的な成長に期待する必要がある。

◎◎◎ インドの動向 ◎◎◎

★ インド政府は関税引き下げの前に調達計画と製造計画の提出を求めた 

◇ Teslaは7月にMarendra Modi首相に手紙を送り、EVの輸入税を現在の60%~100%から40%に引き下げ、すべての輸入車に課される、健康と教育プログラムに資金を提供するための10%の社会福祉追加料金を廃止するよう求めた。
◇ インド政府は今回、EVの輸入減税を求めるTeslaの要求を検討する前に、ノックダウンユニットの輸入での現地調達強化と詳細な製造計画を共有するようTeslaに要請した。

★ Teslaのインド政府への輸入関税引き下げ要請に対して、VW、Mahindora、Hyundaiのサポートを得た 

◇ インド政府は、Teslaのノックダウン製造を望み、Teslaは製造前に、輸入関税低減により、輸入車での市場性のテストを望んでいる。
◇ VWのインド部門は、「関税引下げはインド国内のプレーヤーに脅威を与えることはなく、むしろ投資を促進し、エコシステム形成をスピードアップする」と述べた。
◇ Mahindra & Mahindraも輸入関税の見直しを求め、Hyundaiインドも関税引き下げを支持した。

★ Teslaはインドの企業と部品供給の話をしている 

◇ Economics Timesによると、Teslaは少なくとも3社(Sona Comstar、Sandhar Technologies、Bharat Forge)のインド自動車部品サプライヤーと話をしており、現地で、インストルメントパネル、フロントガラス、ディファレンシャルブレーキ、ギア、パワーシートを含む重要な電気、電子、機械部品を探している。

◎◎◎ EVと自動運転の動向 (Tesla) ◎◎◎

★ Teslaは米国で2倍の出荷量となりEVの販売を拡大した、しかしEVはまだ市場の2.5%でしかない 

◇ 2020年の通年で、Teslaは米国で登録された新しいEVの79%を占め、その間、Teslaは米国EV市場を11%増加させた。
◇ 2021年前半の米国のEV販売台数は、前年同期の98,351台に対し、214,111台に拡大し、Teslaはのシェアは66%となったがEVは米国の自動車市場の2.5%しか占めていない。

★ 7月、中国製Tesla車の中国国内向け出荷が落ちこんだ 

◇ Teslaの中国製自動車の現地市場への出荷は、ネガティブな評判と同社が国内で販売したほぼすべての自動車のリコールを受けて、7月急落した。
◇ Musk氏は中国でのTeslaの四半期の最初の月は、輸出用車両の生産に焦点を合わせていると認めた。

★ ノルウェーで、Model Yが8月最後の1週間で配達が開始され、登録データによると1,115台の納入し、Model Yが国内で最も売れている車になった 

◇ 2番目に売れた車は、VW ID.4で、Tesla Model 3がそれに続いた。
◇ 現在、BEVの市場シェアは72%で、今年後半にはさらに多くのEVモデルが市場に登場しさらに市場シェアを押し上げる可能性がある。

★ 新しいリサイクルプロセスで、92%のセル素材が再利用可能となる 

◇ Teslaは何年も、サードパーティリサイクル業者と協力して、使用済みのバッテリーパックから材料を回収してきたが、独自の「バッテリーリサイクルシステム」にも取り組んでいる。
◇ Teslaによれば、2020年にはニッケル1,300トン、銅400トン、コバルト80トンがリサイクルされたという。Teslaはまた、ニッケル、コバルト、その他の原材料の生産者にもなりつつある。

★ Elon Muskは今回のFull Self-Drivingリリース (9.2)には満足していないが次のバージョン(9.3)は気に入っている 

◇ 今回のリリースに対して、高速道路と市街地の両方で単一のスタックを作成するため、更に大規模なNNの再トレーニングが必要と説明。
◇ リリース前のFSD Beta v9.3は大幅に改善されている。v10がより幅広いユーザへのリリースアップデートになる可能性がある。

★ AI DayでTeslaはDojoスーパーコンピュータを公開したが、まだボードまでしか出来ていない 

◇ Teslaは、既に百万台を超える車両からの非常に多くのビデオデータを処理し、ニューラルネットのトレーニングに使用しているが、現在のハードウェアに満足しておらず、社内開発をしている。
◇ 今回、そのチップセットは公開したが、1,200個で構築するスーパーコンピュータはまだ出来ていない。

★ 汎用の人間型ロボット ‘Tesla Bot’を実際に作ろうとしている 

◇ Musk氏は、Tesla車が周囲の世界を見て理解し、その情報に基づいて行動する能力から、Teslaはすでに世界最大のロボット会社であると説明。
◇ 4輪ロボットの代わりに、人間型ロボットを展開することは理にかなっていると考えており、ロボットの目的は「危険で反復的な、退屈な仕事」で、「来年のいつか」プロトタイプを準備する予定であると述べだ。

★ スマホアプリの新バージョンをリリース、UIを改善し新機能を追加 

◇ Teslaの所有者は、スマホアプリを通じて所有経験のほとんどを管理する。

◎◎◎ EVの動向 (VW/Audi) ◎◎◎

★ VWの最初のVW ID.4 EV SUVの生産前試作車がチャタヌーガ工場からオフライン 

◇ VW ID.4 SUVはすでに米国市場で販売されているが、それらはドイツから来ており数量に限りがある。
◇ VWは米国チャタヌーガ工場での生産は近づいており、ID.4の入手可能性が高まる。

★ Audiは 2033年内燃機関からの脱却に向けた‘Vorsprung 2030’というEV戦略を発表 

◇ Audiは、IAAを前に、EVデザインコンセプトGrandsphereを発表。2025年に生産が予定されているセダンの前身となる。
◇ VWグループのソフトウェア部門であるCARIADは、2025年までにすべてのブランドの標準化されたオペレーティングシステムとクラウド接続を備えたスケーラブルなソフトウェアプラットフォームを開発する予定。
◇ Audiは2026年以降すべての新車がBEVになることを約束しており、2030年の販売目標は300万台。2033年までに内燃エンジン(ICE)車両の生産を廃止。

◎◎◎ EVの動向 (BMW) ◎◎◎

★ 高級ブランドでも「共同富裕(common prosperity)」を利用することが出来ることを示す 

◇ BMWの中国部門は、メインパートナーであるBrillianceの資産を追加購入し、Brillianceが歴史的に強い下層都市部に安価でより良い車を拡大する。

◎◎◎ EVの動向 (GM) ◎◎◎

★ 火災リスクで全てのChevy Boltをリコールし、生産を一時停止 

◇ リコールにはこれまでGMに約$800Mの費用がかかったが、拡大されたリコールにさらに$1Bの費用がかかる。
◇ GMは、LGから新しいバッテリーモジュールを入手するのをまだ待っており、リコール修理プロセスも保留している。
◇ 生産停止の理由には、半導体不足もある。

★ 引き続きChevy Boltのオーナーにガレージに駐車しないよう警告している 

◇ GMは2025年までのBEV 30モデルに$27Bを費やし、社運をかけているが、出鼻をくじかれた。
◇ 既に、Boltのブランドに傷つけた可能性があり、先月、他の中古EVの販売は28%増加したにもかかわらず、中古Boltの在庫は75%増加した。

★ CEOはLGとの関係を維持しながら、複数のバッテリーオプションを強調 

◇ バッテリー火災の欠陥はBoltに限定されており、HummerやCadillac Lyriqなど、LGと共同で開発した今年後半に発売予定の主力EVのUltiumバッテリープラットフォームには影響しないことを強調。
◇ さらに、将来モデルは1つのバッテリーの化学構成や設計に縛られていないことを強調

★ Boltの火災に対する業界の疑問は、Boltのバッテリーパックが、受動伝播耐性を如何に作り込めていたのかという点 

◇ Teslaのバッテリー火災は、衝突でバッテリーが損傷した後に発火することが多い。Boltは静止状態で、ガレージや私道に駐車しているときに発火している。

★ Cadillac Lyriqの初見: GMは$60,000で利益が出せるのか 

◇ $60,000弱の基本価格で始まり、オンボードで19.2kW充電器が付属し、100kWhのバッテリーを搭載し、後輪で最大340馬力を出力し、「300マイル以上」の航続距離を持つ。
◇ 2022年の第1四半期に生産を開始し、2023年モデルとして2022年の第2四半期に発売を開始する予定。9月18日より予約受付開始。

◎◎◎ EVの動向 (Ford) ◎◎◎

★ FordはEVのF-150 Lightningの生産計画を2倍にしたが、まだ十分ではない 

◇ 2022年春のリリースに先立ってFordがすでに12万人の顧客予約を獲得した強い初期需要に応えたもの。
◇ Fordの今回の増産計画では、2022年に15,000台、2023年に55,000台、2024年に80,000台となっているが、現在の12万台の早期予約に対して、初年度15,000台しか製造されない状況ではディーラ価格の高騰がりが起こる可能性がある。(← 最近のFordの傾向)

◎◎◎ EVの動向 (Rivian) ◎◎◎

★ Rivianが市場価値$80Bを目指すのは自信の反映 

◇ 8月27日、S-1登録を証券取引委員会に提出し、11月25日の感謝祭の休暇の前後にIPOを行いたいと述べた。評価額$800Bを狙っている。
◇ Teslaが$80Bを超えるまでに約20年かかった。その時点で、Teslaはほぼ100万台の車両を生産し、世界最高の充電ネットワークを構築していた。(Teslaの時価総額は現時点で$713B、Fordは$53B、GMは$72B)
◇ Rivianには12年間のハードワークとAmazonの支援、投資銀行の加勢があるが、9月の出荷目標は100台。

◎◎◎ EVの動向 (日系) ◎◎◎

★ 日産は国連が支援する ‘Race to Zero’キャンペーンに参加し、2030年代の早い時期に100% EVにする 

◇ キャンペーンの一環として、世界の気温上昇を産業革命以前のレベルより1.5℃以下に保つことを目標とした「1.5℃コミットメント」に署名。
◇ 社内では日産EV36Zeroなどのプログラムを開始。

★ スバルは、最初のBEV Solterraの新しい写真を公開 

◇ 2023年モデルの車両として来年後半に市場に投入される予定。

◎◎◎ EVの動向 (中国系) ◎◎◎

★ NIOがノルウェーでES8のテストドライブを開始 

◇ ES8 SUVの出荷開始は今年後半。
◇ ES8の納品に先立って、7月上旬にスーパーチャージャーとバッテリー交換ステーションを出荷している。

★ NIOは致命的な事故を受け、ドライブアシスト機能を起動する前にドライバーにテストを要求する 

◇ NIOは、すべてのドライバーが補助運転機能Navigate on Pilot(NOP)を使用する前に受ける、新しいロック解除用アプリテストを導入。(XPengは導入済み)
◇ 6分間の情報ビデオでNIO Pilotの主要な機能を説明し、続いて10問の選択式クイズが出てくる。自動運転ではなく補助運転機能としてNOPを強調している。

★ XPengはQ4の出荷に向け、ノルウェーに最初のP7 EVを船積み 

◇ 2018年にG3 SUV、2019年にP7セダンを中国で出荷し、最近はP5という新しいセダンを競合のTesla Model 3より$14,000低くアグレッシブに設定している。
◇ 今回欧州に出荷されたP7が海上輸送されている間、現地での顧客体験、販売、配送、サービス、充電、ライフスタイル施設の包括的にカバーを確立する。

★ Xiaomiが「小米汽車(Xiaomi Automobile)」として正式にEV市場に参入 

◇ Xiaomi Automobileは10B元(約$1.55B)の資本で登録し、2万件を超える履歴書から厳選した300人近くの従業員が既に働いている。
◇ 今後10年間で60B元以上(約1兆円)を投資する計画を表明している。

★ GeelyのEVブランドZeekrはCATL等から$500Mの投資を受けた 

◇ Intel Capitalが投資ラウンドを主導し、CATL、 Bilibili、Cathay Fortune Group、Boyu Capitalの計5社が投資。
◇ Zeekrは中国の若くてトレンディな市場セグメントを目指したEVブランドで、今後5年間で6種のモデルを導入する計画で、2025年までに年間売上65万台を目標としている。

◎◎◎ EVバッテリーサプライの動向 ◎◎◎

★ CATLは増産を加速するために$9B調達した 

◇ 今回の$9Bのほとんどは、中国の3つの工場で生産能力を展開する計画を加速するために使用される。
◇ CATLは、年末までに世界の生産能力230GWhに達する予定で、BEV年間約400万台分のバッテリー容量となる。以前、CATLは、2025年までに生産能力を1,200 GWhまで増やす計画を表明している。

◎◎◎ 充電インフラの動向 ◎◎◎

★ Teslaは他社EVに開放する前に、スーパーチャージャーの拡大を準備している 

◇ Teslaはスーパーチャージャーサイトのデザインマネージャーの求人を拡大している。
◇ Teslaが今年後半に他の自動車メーカーに開放しより多くのEVを受け入れるには、急速充電ネットワークをさらに速く成長させる必要がある。

★ Electrify Americaは南カリフォルニアで大型EVトラック60台向けに34箇の急速充電器を設置 

◇ 大型トラックやトラクター、トレーラー等のサプライチェーンソリューション企業のNFI Industriesと協力。
◇ Electrify Americaは、大型トラック向け以外にも、一般EV用に2025年までに米国とカナダで1,800箇所のステーションで約10,000チャージャーを設置予定。

★ Airbnbでは、この夏から、宿泊施設にEV充電器があるか検索できるようになっている 

★ Siemensは今後4年でEVチャージャーを百万台生産 

◇ 今後4年間で、米国市場向けに100万台を超えるVersiChargeレベル2 AC商用および住宅用EV充電器を生産し、既存のEVインフラストラクチャ向け生産を増強。
◇ 2019年から、Siemensはバス、トラック、大型電気自動車等フリート用DC EV充電器を製造開始している。

◎◎◎ 車用半導体の不足+部材不足 ◎◎◎

★ Teslaは半導体不足により、8月の数日間生産を止め、トヨタは9月の生産を以前から40%削減、Multi Suzukiは通常の40%に減少する可能性がある 

◇ Teslaで不足しているのは、電子制御ユニット(ECU)、主にTeslaのModel Yの出荷遅延が発生したが、現在生産は正常に戻っている。
◇ 中国乗用車協会(PCA)事務局長のCui Dongshu氏は「州当局が主導する半導体に対する政府の全国的な独占禁止法の調査は、一部の半導体販売業者を脅迫し、彼らが蓄えていた在庫を解放し、それは生産と販売にさらに利益をもたらすだろう」と述べた。
◇ Musk氏は、ここ数か月の半導体不足に対して、今回初めてルネサスとBoschの名指しで非難した。

★ 一人のCOVID感染が世界最大の車メーカーの出荷を止め、Just-in-Timeの課題を引き出した

◇ ベトナムで最大級のワイヤーハーネス組立て工場で、一人の労働者がCovid-19(デルタ種)の検査で陽性を示し、8月4日、州当局は工場の操業を停止した。
◇ デルタ種は当時東南アジアの国々に急速に広まり、マレーシアからは特に半導体系部品の確保が困難になった。

◎◎◎ 自動運転の動向 ◎◎◎

★ ドライバーレス自動運転は、少なくとも当面は、新たな仕事を生む 

◇ 自動運転車会社は自動運転技術を商業化する計画を具体化し始めている、遠隔車両支援(Remote Vehicle Assistance)は大規模展開の重要な部分になっており、Waymo、Aurora、Zoox、Cruise、ArgoAIはリモートの人間オペレーターを利用する。
◇ リモートオペレーターは、ロボットカーが状況に対処する方法がわからない時、例えば、この車は駐車しているのか、それとも移動しようとしているのか?道路工事を避けて走る余地はあるか? - ロボットカーの脳から発信される質問に答える。

★ Waymoの自動運転は99%出来ているが、残りの1%が最も難しい

◇ Waymoは、99%の問題が解決したが、最後の1%が問題であることが判明した。建設作業員、自転車、左折、歩行者などの小さな障害が、コンピュータードライバーにとって依然として頭痛の種。

★ トヨタはパラリンピックでの自動運転サービスを一時停止し、再開 

◇ 28日夕刻、トヨタはオリンピック選手村での事故後、全ての自動運転e-Paletteを止めた。
◇ 豊田氏は「この事故は、視覚障害者やその他の障害を持つ人々とのパラリンピック中に、村の特別な状況で自動運転車が動作するのが困難であったことを示している」と述べた。
◇ サービス再開のため、(選手村での) e-Paletteの走行音を大きくし、すべてのe-Paletteオペレーターは、パラリンピックを考慮した追加のトレーニングを受け、オペレーターは、すべての発進、加速、停止を手動で実行する。歩行者の安全をさらに確保するために、交差点での交通警備員の数を6人から20人以上に増やす。

◎◎◎ MaaSの動向 ◎◎◎

★ Didiの株価下落にもかかわらず、シェアモビリティへの株式公開への興味は下がらない

◇ シェアモビリティに賭けようとしている株式投資家は、依然としてUber、Lyft、Didiだけでなく、より多くの選択肢を手に入れようとしている。2014年以降のこのセクターへのVCおよびPEの総投資額は、年末までに$100Bに近づく見通し。
◇ Grabには、月間25M人のアクティブユーザー、Gojekは、1億人のユーザが居り、デジタルライドヘイリングサービスのユーザー数は世界全体で13億人にのぼり、投資家にとって引き続き、魅力的な数字になっている。

★ Yandexは(ロシアの)Uberから食料デリバリー、自動運転ベンチャーを買い取る 

◇ ロシアではライドヘイリングが急成長しており、タクシー事業と補完的な食品配送技術とYandexのMarket eコマースのより緊密な統合が期待されている。
◇ YandexはUber、$1Bで両社のライドヘイリングとカーシェアリングの合弁事業への出資比率を66.5%から71%に引き上げ、さらに$2Bで残りのYandex.Eats、Yandex.Lavka、Yandex.Deliveryの100%を取得する2年間のコールオプションを受け取る。

★ Amazonは配送ドライバー不足の解消のため、マリファナ喫煙者も採用

◇ ドライバーの採用は配達事業主最大の関心事。Amazonの契約ドライバーは時給$17で、夜遅くまで働くこともある一方、スクールバスのドライバーの多くは夕食までに家に帰れて時給$20以上。
◇ マリファナのスクリーニングにより、労働者プールが最大30%削減され、除外しないことです応募者の数を400%も増やすことができる、という。

◎◎◎ その他の動向 ◎◎◎

★ 最新のIPCCレポートから気候変動に関する5つの重要なポイント 
1. 過去10年間は、125,000年のどの時期よりも暑かった。
2. 科学者は、特定の気象イベントを人為的な気候変動に関連付けることができるようになった。
3. 科学者たちは、温室効果ガスの排出により気温がどう変化するかの推定範囲を狭めた。
4. 地球は良い行動に報いる。
5. IPCCのボランティア科学者は、このレポートを発表する前に、すべての国連政府との合意を形成した。

★ グリーン燃料はEVの世界でもガソリン車を延命できる 

◇ e-Fuelは、電気で水を水素と酸素に分解して作られる水素を二酸化炭素と結合し、ガソリンやディーゼルに似ているが本質的に排出物のない液体製品に変換する。
◇ 日本は、10年の終わりまでに大規模な製造技術を確立し、2040年までに合成燃料を商業的に供給するために取り組んでいる。


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