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2020年7月の記事一覧

一ミリも忘れたくない恋があった

一ミリも忘れたくない恋があった

原田梨花さんのBlack!を読み終えました。
裕福な家庭の世間知らずのどんくさい女性が、父の死と母の再婚で一人になってリストラされてお金もなくて、でも周りの人々に助けられながら生きて働いて失恋しながらも恋をして成長していくような感じの話です。
読んでると主人公の恋愛も面白いし、主人公の幼なじみの恋愛や職場の恋愛とか、色々な形の「好き」がありました。

わたしって人を本当に愛したことあるかなって思い

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「いい感じ」は人によって違う

「いい感じ」は人によって違う

酒寄進一訳、F.ヴェデキント作『春のめざめ』を読み終えました。

10代半ばの若者が性に興味をもったり、モラルに苦しんだりする。
親は性の話を汚らわしいことだと誤魔化すし、妊娠してしまって母親がヒスって中絶させようとしたり。当時は禁じられていた同性愛者がいたり。自殺するのも。色々な社会問題みたいな、個人的な大問題が沢山ある。
本に出てくる全部は作者の周りの体験らしい。だからか、すごくリアルで共

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春のめざめ

春のめざめ



「思うんだけど、ママたちって、口にはしないけど、あたしたちをしかって楽しんでるんじゃないかな。ーーあたし、子供ができたら、庭の雑草みたいにのびのび育てるな。構わなくたって、すくすく育つもんねーー支柱によりかかって、毎夏、おそまつな花を咲かせる花壇のバラとは大違いでしょ。」
(酒寄進一訳、F.ヴェデキント著『春のめざめ』28頁)

この本はすごい!
読み始めた頃は登場人物の名前を把握できなくて厳

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