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2023年10月後半日経平均振り返り



 


①    日経平均チャート

10月後半相場を振り返ると、日経平均株価は中旬より下げ方向となった。
日経平均は30500円台まで何度も伺うものの10月4日の安値を割らずにおり、粘り腰を見せて月末31日を迎えた。

②    パレスチナ情勢

10月7日に始まったイスラム組織ハマスとイスラエルの衝突が政治的にも経済的にも世界を左右するリスクとして投資家心理を悪化させている。

③    日銀金融政策決定会合

31日は日銀の金融政策決定会合の発表があった。
市場では日銀が今回の会合で政策修正に動くとの見方が広がり、日本国債10年物利回りは連日のように上昇し31日午前には0.934%まで上昇した。
そして日銀は午後長期金利の変動幅の事実上の上限を現在の1%から、一定程度超えることを容認することを発表した。

④    世界の中央銀行

しかしながら、世界の中央銀行による利上げはすでに転機迎えている。
欧州中央銀行(ECB)は26日の理事会で2022年7月の利上げ開始から11会合ぶりとなる利上げ見送りを決めた。
声明文では「インフレ率は依然として高すぎる状態にかなり長くとどまると予想される」との見通しを示しつつ「現在の政策金利を十分に長い間維持する」ことで物価2%目標の達成につながると判断した。
ラガルド総裁は記者会見で「再び利上げしないと言っているわけではない」と追加利上げの可能性に触れた。
世界では利上げを休止する中銀が相次ぐ。
英イングランド銀行が9月に15会合ぶりに政策金利の維持を決めたほか、オーストラリアやカナダ、スイスも同様に利上げを見送った。
ブラジルやチリなどの中南米では利下げに転じており、インフレ抑制から景気下支えのきょう局面に入った。
SMBC日興証券の調べによると、世界の政策金利は現在7.4%と物価上昇率の5.9%を上回った。
高金利が物価上昇率を超え、経済を冷やし始めたことを示す。

⑤    FOMC

FRBは10月31日~11月1日の米連邦準備理事会(FOMC)で利上げを見送る公算が大きい。
政策金利はすでに22年ぶりの高水準に達し、物価上昇率も鈍化してきている。
ここから目先、世界の中銀が最も警戒するのは資源高の再燃だ。

⑥    原油価格の高騰

10月に入ってから中東情勢の混迷で原油価格が一時急騰する場面もあった。
資源高による企業のコスト転嫁が広がれば、インフレ圧力が再び強まりかねない。
多くの中銀は追加利上げの可能性を排除しないが、ここから先は景気を冷やしすぎるリスクと背中合わせになる。
世界銀行は30日に2024年の原油価格の見通しを発表した。
それによると平均81ドルまで下落するとの予測を示したが、中東での紛争が激化すれば原油価格は大幅に上昇し、140~157ドルになる可能性があると警告した。
この様に中東情勢が今後を占う重要なファクターとなっている。

⑦    IMFとは?

最後に今月の話題として一つ紹介しよう。
国際通貨基金(IMF)が公表した経済見通しによると、日本のドル換算でのGDP(国内総生産)が2023年にドイツを下回って4位に転落することが分かった。
足元の円安やドイツの高インフレによる影響も大きいが、長期的な日本経済の低迷も反映している。

⑧    GDP

名目GDPはモノやサービスの価格変動を含めた指標で、国・地域の経済活動の水準を示す。
一般的な経済規模を示す場合に用いることが多い。
23年は日本が前年比0.2%減の4兆2308億ドル、ドイツは8.4%増の4兆4298億ドルとなる見通しだ。
1位の米国は5.8%増の26兆9496億ドル、2位の中国は1.0%減の17兆7009億ドルだった。
2000年の時点では日本の経済規模は4兆9683億ドルで世界2位だった。
2000年の円相場は1ドル=105円程度。当時のGDPはドイツの2.5倍、中国の4.1倍だった。
10年に日本を抜いて2位になった中国は23年には日本の4.2倍となる見込みだ。
00年からの名目GDPの伸びを時刻通貨建てに直すと、中国は12.6倍と突出する一方で日本は1.1倍にとどまる。1人当たりの名目GDPでは、日本は23年に33949ドルとIMFのデータがある190の国と地域のうち34位となる見込みだ。1位はルクセンブルクの135605ドル。
日本は英国やフランスなどより低く、35位の韓国(33147ドル)に肉薄されている。00年時点では、187か国・地域のうちでルクセンブルクに次ぐ2位だった。

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