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ダイバーシティとインクルージョン(相互理解その3)

昨日は、相手を知ることについてお話しました。
今日はもう少し踏み込む中で、最近馴染みのある「ダイバーシティ」や「インクルージョン」について取り上げてみます。

人種のるつぼ

「人種の坩堝(るつぼ)」という言葉を聞いたことはないでしょうか?
人種の坩堝とは”多種多様な民族が混在して暮らしている都市、またはその状態を表す言葉”です。

ニューヨークがこう呼ばれていたことがありました。
ですが、今は実はちょっと違う呼び方をされています。
それは「人種のサラダボウル」です。

坩堝というのは、金属を溶かし合うのに使う容器みたいなのです。
なので、人種の坩堝というのは「中にいる人達が溶け合って混ざり合っている」という意味で使われていました。

しかし、実際は多種多様な人達が存在はしていましたが、溶け合って混ざり合って「新しい何か」になった訳ではなく、異なった人達がそれぞれ共存している状態でした。

つまり、トマトとレタスと人参は溶け合ってスープになっているわけではなく、それぞれの個体として一緒の容器に入っているということです。
なので「人種のサラダボウル」と呼ばれました。

一緒にいる・混ざり合う

ダイバーシティ(多様性)とは、サラダボウルです。
色んな人が、同じ場所・組織に存在していて、互いを邪魔せず存在を許容している状態です。
現在におけるダイバーシティとは、様々な「人種・宗教・価値観・性別・身体的特徴」などを持った人達が共に同一組織内に存在している状態を意味することが多いです。

この段階では様々な人達と「一緒にいる」ことは実現していますが、それ以上の価値を生み出すことは出来ていません。それそれが独立して活躍している状態です。

そこに、もう1つ「インクルージョン」という考え方があります。
インクルージョンとは直訳すると包含・包摂・包括といった意味で、みんなを包み込むように受け入れ、それぞれが強みを活かし合える状態を意味します。(元々はインクルージョン教育という教育の考え方として広まりました)
これは、ただ一元的に同様の権利や機会を与えるというだけでなく、個々の違いを認識した上で、それを活かすために一人ひとりに合った物事の進め方をとっていきます。そして、その違った人達から影響を受け、また自分も変化し、誰かに影響を与えるというループが生まれます。
結果、集団に相乗効果が生まれてお互いに影響し合い高め合う事が可能になります。
それぞれの個性が混ざり合い、影響し合い、どちらでもなく、どちらでもある全く新しい何かへと変容していく。
つまり、インクルージョン(包含)というのは「極上のスープ」みたいなものなのかもしれません。

もう少し組織や人事の観点からみると
ダイバーシティ:個々の多様性を認める
インクルージョン:個々の能力を活かし合う
といえるかもしれません。

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ダイバーシティ+インクルージョン

組織論において、この2つは併用するという考え方があります。
これは僕もその通りだと思います。
両方の考え方やステップをしっかり理解しながら、真のチーム・組織へと進んでいくんだと思います。


最後に自分を知ってもらう

ここまで記したようなことを頭に入れながら「STEP2:相手を知る」を実行したならば、必然的に「STEP3:自分を知ってもらう」は行われることでしょう。
真のインクルージョンを目指すならば、影響を与えるために自分自身を知ってもらう活動を行うことになります。
同時に、ここまで周囲に意識を向け、関わった人は当然周囲から「知りたい」と思われる状態にあります。そうなれば、自分を知ってもらうことはそこまで難しいことではないかもしれません。


相互理解は、次の扉を開くカギとなる

いかがだったでしょうか。

改めて「相互理解の3STEP」
1:自分を知る
2:相手を知る
3:自分を知ってもらう
の順番です。

相互理解に課題があると感じているならば、まず「今の自分が行うSTEPはどこなのか?」と考えてみてもいいかもしれません。

大きなテーマや課題を乗り越える際に、1人の力では到底届かないことが多々あります。
次の扉を開き、大きく前進するためのカギは相互理解にあるかもしれませんね。


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