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創作メモ(2023/6/6):嫌なリアリティに寄せたクソショボAI創作ネタ

1.昔はAIには夢があった

昔のSFのトレンドは、AI(人工知能)には、人間の代わりにクソ面倒な作業をしてくれるという期待がかけられていたのでした。

超強力な機能と処理速度を誇るAIが入ったでかいマザーコンピュータには、元首として政治を左右する機能すら期待されていたのです。

戦後の長い間、日本漫画界の押しも押されぬ第一人者であった漫画家・手塚治虫のライフワーク漫画『火の鳥 未来編』でも、マザーコンピュータ・ハレルヤやダニューバーは正にそういう機能を果たし、そして意見の相違で対立して核戦争で人類ごと滅んで行ったのです。迷惑だなあ。なまじの人間より優れているのではなかったのか?

(手塚治虫『火の鳥 未来編』の地下都市国家ヤマト運営マザーコンピュータ『ハレルヤ』)
(手塚治虫『火の鳥 未来編』の地下都市国家レングード運営マザーコンピュータ『ダニューバー』)
(マザーコンピュータ同士の言い争いの過熱)
(「なにーっ!!」じゃないよ。読んでるこっちが「なにーっ!!」だよ。そして彼らは基本的にこれから二十四時間後全員水爆で消滅するのだ。そりゃあさぞ勘弁してほしかっただろうなあ)

2.今のAIが教えてくれた嘘

今、ChatGPTやBingAIのような対話型AIがあります。

既知の問題として、ある質問を投げたら口から出まかせの回答をしたり、いったん示した正しい答えに対して、人間側が「それは違うと思います」と質問し直すと、また口から出まかせの回答をしたりすることが挙げられています。

そうなると、SFで
「マザーコンピューターが情報統制している」
話、最近は
「AIが捏造した文章や画像や動画で騙された」
という筋書きの方がより時代に沿うよな。ということに気付かされ、ちょっと唖然としています。

おそらくYoutubeとかで、そういうAIの口から出まかせのような捏造動画がはびこり、これが児童や高齢者等にデタラメを吹き込み、エコーチャンバーのような環境で認知を歪めていくのではないか(成人でも当然なる訳だが)。
残念ながら、当然、あるあるパターンではあろう。何ならもうあるはずだ。

そしてこれに騙された人が、さらに己の信じる捏造された意見を拡散して、自分の信念で世界の常識を書き換えて、脳のかゆみをなくして安心するために、おんなじことを手を変え品を変えて垂れ流すAI動画を、ボンボコ量産するのではないか。
残念ながら、当然、あるあるパターンではあろう。そしてこちらはこれからそうなるはずだ。ひょっとしたらもうあるかもしれない。

…何? この…クッソショボいが嫌なリアリティのある脅威…!?

(藤子・F・不二雄『ニューイヤー星調査行』の地元民の善意から出たあんまりなオチ。そしてきっと「きみが求めているものを与えたかったのさ AIは人がいいんだよ」)

3.「AIが俺を騙してる! 皆AIに騙されてるんだ!」という妄想

あと、これが広く社会問題になった場合、妄想のバリエーションとして、昔の通り魔殺人事件のような
「電波が俺に命令している!」
というのではなく、
「AIが俺を騙してる! 皆AIに騙されてるんだ!」
もあり得るのか?
その定型文、メチャクチャ嫌なんだけど…

(「電波が俺に命令している」的言動で有名な深川通り魔殺人事件の犯人の何某の顔)

というか、AIが口からでまかせを言う状況があるということと、これ言ってる人がAIから騙されなくなったという話は、当然全く別の話です。
AIとは関係のない発想に至ったとしても、それが結局ただの非現実的な思い付きである可能性はかなり高い。
いや、それどころか、もっと高い確率で、悪意ある人間の操縦的な嘘に騙されている可能性も大だ。
だとしたら、「人のあたたかみ」の在り方として、およそ最悪すぎるのだが…
(ひどいことを言うなあこの人間様は)

(ちなみにこれはAIお絵かきサービス"Midjourney"に描かせた"a hybrid offspring of a giant panda and a lesser panda "(ジャイアントパンダとレッサーパンダの間の子)。カワイイですね)

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