日記(2024/7/1):2024年後半の抱負
1.数学本(齋藤正彦『線型代数入門』および杉浦光夫『解析入門』I-II)を読む
さて、2024年も後半に入ってしまいました。
前半においては、ずーっと読んでいた新井敏康『数学基礎論』を読み終えたという、デカイ一里塚が成されました。
今まで集合論と数理論理学をひたすらやりまくっていましたが、とりあえず「当面、数理論理学はいいや」という感じになってきました。
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例えば、数理論理学の大きなジャンルであるモデル理論を通じて、超準解析という、直感的に理解しやすくなった解析学を作ることが可能です。
(逆に言うと、従来の解析学ではいくつかスッと頭に入りづらい議論が存在し、ここがしばしばつまずきの石となりがちです)
超準解析をもって直感的に理解しやすくなった微分(関数の点ごとの傾きを求める、あれです)を作れるし、ひいては直感的に理解しやすい形で力学を記述することが可能らしいのです。
で、それはあくまで余技です。
従来の解析学で力学を記述するのはもちろん長らく行われてきたことです。
だったらこれは
「できたことにより、選択肢が増えただけで、これが不可欠とは言えない」
のです。
有難味とは言えるのでしょうが、その有難味が活きて来るためには、従来の解析学と超準解析がそれぞれ分かっていなければなりません。
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古典力学をやるにも、量子力学をやるにも、線形代数学ができていなければならない、というのはよく言われる話です。
三次元空間の中で物体がどう振る舞うかという古典力学のトピックは、いわゆる幾何ベクトルと呼ばれる、一番馴染み深いベクトルの一種の話になります。
また、まだ詳しくありませんが、量子力学では固有値(ベクトルの別の類型、行列における概念)が大きな役割を果たしているはずです。
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だとしたら、最低限やるべきことが、2つあります。
今までほったらかしにしてきた、解析学と線形代数学の定番の教科書を、この際しっかりと読むことです。
差し当たり、押しも押されぬ定番である、この3冊を読み進めます。
今読んでいるのは齋藤正彦『線型代数入門』です。
粗々と読んでいて、
「概ね250頁である。今のペース(1日4頁程度)だと、おそらく60日、2ヶ月真面目にやれば、行けるのではないか。土日を使えばもっと早い」
という感触があります。
(本当かよオイ。それに後半になればなるほどガチガチに難しくなるから、ゴリゴリ時間がかかっていくはずだぞ)
杉浦光夫『解析入門』I-IIは、ザッと目を通しただけですが、IもIIも400頁程度です。
仮に1日4頁の進捗とすれば、200日、つまりは7ヶ月程度でイケるのではないか。土日を使えばもっと早い。
つまり、来年の3月頃には終わっていたいな、ということです。
画に描いた餅? まあそうです。実際にやってみなければ何とも分からんところです。
2.小説(半村良『太陽の世界』17-18、荒山徹『神を統べる者』中-下、古橋秀之『サムライ・レンズマン』、芝田勝茂『夜の子どもたち』)を読む
さて、小説を積んでいたのです。
半村良『太陽の世界』15-18と荒山徹『神を統べる者』中-下です。
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『太陽の世界』は、かつて沈んだムー大陸で、平和主義者であり念力を得た流浪の民が約束の地ラ・ムーにたどり着くが、様々な困難に直面し、世知辛くなっていき、いつか滅ぶ一大スペクタクル架空歴史小説です。
15-16巻は、2024/6/21-23の東京旅行前後に読み終えました。
(以下は旅行記です。『太陽の世界』とは直接の関係はありません)
見識と度胸のある青年が、異文化交流で大活躍する話は、やはり読んでて健康に良いものです。
あと彼と彼を世界に送り出した上司が
「念力を持つ我々が異文化と接したらどうしても不平等になるし、信仰上の平和主義を貫徹するなら宣教師的思想侵略も避けられなくなるんで、せめてそこをソフトランディングするために異文化への知見を広めるのだ」
という立派ながら非情な認識でやってるので、読んでて居住まいを正してしまいますね。
とはいえ彼と上司の思惑が完全に一致している訳ではなく、彼は念力を持つ身でありながら、異国で恋に落ち、結婚し、子を成してしまいます。
上司は「これをしてくれるな」と言っていたはずなのです。念力の血の流出は、今まで2件、反ラ・ムー勢力の誕生と、異国での悪王の誕生という、大きなトラブルの元になっていたのです。そりゃあ警戒もするでしょう。
だからこれも多分後で問題になるのでしょうが、17-18巻ではどう着地するのか。楽しみですね。
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荒山徹『神を統べる者』は、才気煥発の聖徳太子ヤングボーイ、厩戸御子がインドへ向かう話です。
理由は二つ。厩戸御子は崇仏派の蘇我家の縁者であり、そういう環境で育っています。彼には、己の依って立つ仏教の真髄を学びたい、という動機が常にありました。
また、彼の才気を、独占的に欲したり、逆にリスキーな抹殺対象とみなしたりする悪い大人達がたくさんいたのです。彼はそれらから逃げなければなりません。
抹殺対象とみなしたのは、なんと時の大王(おおきみ)、敏達天皇です。これで日本で生きていられる可能性はほぼなくなりました。そりゃあ国外に逃げるしかないし、そして逃げるならインドでしょう。
中国南部政権・陳を経由して、船旅でインドに向かいつつ、様々な悪い大人たちに食指を動かされたり、論敵たちによる仏教の理解しがたさや受け入れがたさの話をされたりしつつも、やがて厩戸御子はインドの僧院にたどり着いたのでした。
私が読み終えたのはここまでで、ここから先は未知の展開が待ち受けているのです。
(なんか荒山徹先生が大好きな同性愛が待ち受けているとのことでもあり、そういう心づもりをしておかなければならないでしょう)
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さて、東京旅行で、オフ会でお会いした伝奇同士のうさぎ小天狗さんから、「犬神工房さんにはおそらく向く」ということで、小説を二冊戴いたのです。
古橋秀之『サムライ・レンズマン』は、有名なスペースオペラSF『レンズマン』シリーズの外伝です。戴いたので少し読み進めました。
おそらく『レンズマン』は、
「ワープ装置は人類に繁栄をもたらしたが、宇宙的な犯罪をも可能にした。
選ばれし者にのみ、テレパシー付き身分証明書『レンズ』が与えられる。
犯罪者と市民が識別可能となった彼ら『レンズマン』は、宇宙パトロールを結成。
一大犯罪帝国、宇宙海賊ボスコーンと戦う」
という話であるはずです。
今回は宇宙海賊ボスコーンが壊滅した後、再度復活の気配があるので、日系アルタイル戦士階級『サムライ』に属し、謎の同士討ち殺法を使う、盲目のイケメン『レンズマン』、クザクが格好良く戦う話になるはずです。(というかまだ最初の1章までしか読めてない)
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知る人ぞ知る(俺も名前を聞いたことがある)古橋秀之『サムライ・レンズマン』と違い、芝田勝茂『夜の子どもたち』については私は全く詳しくないのですが、おそらくジュブナイルであるはずです。
うさぎ小天狗さんの説明によると、
「不登校の子供たちがいて、彼らは夜にある怪異を見てしまったため適応できなくなった。
新たにやってきた実習の先生が彼らに触れ合い、怪異に巻き込まれる」
というサスペンス・ホラーの話らしいのです。
ジュブナイルをちゃんと読むのは久しぶりですので、感覚を取り戻しながら読み進めたいと思います。
3.東京食べ歩き旅行ファイナルを行う
上に述べた、前回の東京旅行では、首都圏で食べたかったものの半分以上を食べたのです。
美味い物を沢山食べた。美味い酒も呑んだ。当面、外食、しなくてもいいや。それくらいの感じになっています。
これで半年、本当に外食を一切しなければ、余裕で旅費の元が取れるはずです。
とはいえ、心残りはあります。
当然、残り半分以下を食べたいな、という話になる訳ですね。
それをやれば、私の食に関する思い残しは全部片が付くでしょう。精神的にもかなり身軽になるはずです。
今後何年かくらい、外食、しなくてもいいや。自炊だけで完結しよう。それくらいの感じになれば、年単位での支出は大幅に減るはずです。また、ダイエットにも大幅に寄与するでしょう。そして貯金と痩身はお見合いに大幅に効いてくるところです。
ということで、これを、次の冬のボーナスの直前にキメれば、イケるんじゃない?
4.頑張ります
上の全部が2024年に終わるとはちょっと思い難いのです。特に数学本は途中までで大晦日を迎えることになるでしょう。
それはそれとして、やるだけやればいいのです。やった分だけは確実にすっきりするのだし、それでまあよしとすればいいのです。
頑張ります!
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