すばらしき世界。
手帳の中身、でいろいろ検索していると、見慣れない言葉が出てきた。
「バケットリスト」。なんだろうと思って調べると、
ということらしい。棺桶リスト、ってすごいインパクトある。「死ぬまでにしたい100のこと」とかって感じなんだろうけど、言い方ひとつで印象が全然違う。
死ぬまでにしたいこと。死ぬまでにしたいこと…?これって、みんな(みんなという言い方もあれだけど)わくわくして書けるものなのだろうか。あれもしたいこれもしたい!と筆が止まらないとか、よしじゃあこれを叶えるためにまずはこれをするぞ!と走り始めるとか。
わたし、ないかもしれない。と思った。欲しいものが全くないわけではないし、行ってみたい場所とかも、聞かれたらなんとなく思い浮かびはする。でもじゃあ叶えたい!叶えるぞ!となるかというと、そんな感じじゃない。
日々の、足元を見ながら歩くことでいっぱいいっぱいだからだろうか。それもあると思う。あとは、うすうす知っていたけれど、この世に未練がない、からだと思う。
今までで、何回か精神的に死んだ。その度に、「感動」が奥に入らなくなっていっていると自覚している。全くないわけではないけれど、俯瞰でみている度合いが強い。きれい、すてき、愛してる。嘘じゃないのに、何もかもが果てしなく遠い。
一番はじめのnoteにも書いたような気がするけれど、「人間」はもうお腹いっぱいで。人生80年だか100年時代だかというけれど冗談じゃない、って思ってしまう。
でも、たとえば今温かいコーヒーが美味しい。もうそれくらいでいい。それで十分。足るを知るとかそういう大層なことではなく。朝が来て昼が来て夜が来て、歩いて食べて笑って、死なないことを選んでいる。わたしにとってのバケットリストはそれだけかもしれないな、と思って、それがなぜかカーテン越しの光みたいにあかるくて、これはきっと幸福だと、願った。