秋田に来て1年。感じたこと。

随分とnoteをサボっておりました。
2ヶ月も空いてしまった。
別に書かなければ行けないことはないけど感覚としてサボっていた気がする。

秋田に来て1年が過ぎました。
楽しい時間はあっという間で早かった気もするんですが
なんか濃密過ぎて5年くらい居るような気もしてきます。
時間の感じ方ってあやふや。

「秋田で踊りたい」と思って荷物だけ持ってぷらっと
去年の11月20日に秋田駅に来ました。
あの日はマルさんに初めて会って、あおいさんや健さん、かすみさん、りょーさん、軽石さんの舞台を見て夜はあおいさんたちの打ち上げに呼んでいただいて、東北の皆さんの海くらい深い暖かさに溺れそうになったので日付ごと覚えています。
そこからマルさんと作品をつくらせて頂いたり、サポートを受けさせていただいて滞在制作やらせてもらったり、焚き火イベントで踊らせていただいたり、芸術祭で踊らせていただいたりもー数え切れない程沢山の秋田や東京の皆さまからのお心のおかげで生活は勿論のこと、人前で踊る機会をいただきめちゃくちゃに充実した1年を送らせていただきました。
僕は本当に運が良くて、素晴らしい方々に巡り会えたなぁと感じております。
これを言うと
「太郎さんの人柄が良いからですよー(^^)」
とみなさん言っていただけるんですがそっくりそのまま出逢えた方にお返ししたい。
秋田の方はひとりひとり紹介したいくらい優しくて素敵な人が多いなぁと感じる日々です。
出逢えた人全員としっかり話した訳ではないけど、結局仲良くなる人ってのは全員素敵な方やったり面白い方々やなぁと。

京都に生まれて18年暮らして、
大阪でダンスを始めて7年ほど暮らして、
東京には数回しか行ってないけど
毎度素敵な友達と関われて、
去年から東北は秋田に初上陸して1年。
大阪で一人暮らしをしている頃から、
比べることではないけれど、他の土地と比較することによってその土地や人の特性をざっくりと解釈したり違いを感じたりするようになったと思う。
そんな中で秋田で感じたことを書いてみようかなと思う。

東京と比較するとわかりやすい点で言うと、
東京って全てにおいて洗練されていてクオリティやレベルがめちゃくちゃ高いなって思う。
食べ物は全国の美味しい食べ物がどこでも食べられるし、インフラも整い過ぎてるし、あらゆるサービスが生活においても娯楽においても隅々まで行き渡る距離にある。
ダンスで言ったら上手い人が多過ぎるし全体の練度も相当高い位置にある。
でもそんな中で個性というか強烈な匂いであったり、
その人らしさであったり、
生き物としてのエネルギーが内側から漏れ出てるような人は本当に少ないなと思う。
無味無臭な綺麗なだけのものが多いと言うか。
秋田に来て1番感じるのは東京と比べて全体のクオリティや全体の人口は圧倒的に違うけど、
ひとりひとりの持つ土臭さや表現の純度が恐ろしく高いこと。
もしかしたら僕が出会ってないそうでない人もいるかもしれないけど、出逢えた人は全員自分を表現することに純粋であると感じる。
「純粋な表現」ってとても都合のいい言葉やけど、
ここで僕が思う「純粋」は、真っ直ぐさを見せようとする類のいやらしいものではなくて、自分に対して向き合う姿勢のこと。
なんでそーゆー人が多いんかなって考えた時に、

「東京は沢山の刺激があるから、
刺激の原石同士でぶつかり研磨していくことで
洗練された丸いものが生まれやすい」

ということと

「秋田は刺激が少ないからこそ
自己と向き合うことが自然と多くなり、
独自の色やカタチのまま色が濃くなっていく。」

みたいなことなんじゃないかなと思った。
どっちが良いも悪いもないし、個人的な見解やけど。
ただ、僕が普段考えてたり目指しているものには秋田の土地やアーティストさんはめちゃくちゃ良い影響を与えていただいたと思う。
冬に毎日2、3時間散歩して歩きながら瞑想する時間が。
畑の雪を無心で掘り続ける労働が。
間違いなく僕の踊りを進める手助けになってくれた。
夏前に農作業のし過ぎで下半身を痛めた(今も治ってはいない)ことも、身体の自由は少し無くなったけど、踊りは以前より良くなった。
沢山の刺激に身を投じることも勿論素晴らしいことだし、そうした人にリスペクトしか無いけれど、今の自分にとって自分を見つめ直す時間は自分の生き方や表現に大きな影響を与えていただいた。
本当に有り難い。

そして他に感じたことといえば、
それは大阪と秋田を比べた時に思ったことだけど、
「秋田の人は本当に秋田に対して自信がない人が多い」
ってこと。
大阪におったら大阪であることに自信があるとか無いとかを感じること自体少ない。
多分当たり前くらいの感覚で大阪を誇ってたんじゃないかなぁと思う。
でも秋田の人に大阪から来ましたとかって言うとほぼ絶対に
「なんで秋田に!?」
「大阪の方が楽しそうなのに!?」
「秋田楽しい!?」
みたいな質問が絶対返ってくる。
「いや秋田めちゃくちゃおもろいです最高です💥」
って答えるとだいたいの人(おじーちゃんおばーちゃんは特に)は爆笑する。
「そんな訳ないよ😂」
って感じに。
僕からしたら他のところから来ててさっきのアーティストさんの話とかは置いといて単純にご飯やお酒がめちゃくちゃ美味しかったり、めちゃくちゃ昔からある文化が当たり前みたいに継承されてたりで面白過ぎるけど、それが当たり前な秋田の方にとってはなんの面白味もないことみたい。
見たこともない山菜を近所のおっちゃんからめっちゃいただいて食べたら今までの山菜の常識覆すくらいにうめすぎたり、
芋っこ(鍋っこ)ていう小学生の行事で鍋と食材を持って遠足して芋のこじるを野外で作って食べるイベントがあったり、
屋根の雪を人が屋根に登って除雪する「雪下ろし」があったり、
飲み会で全員揃ってない時に先にいるメンバーで飲むのを「練習」と言ってそれで怒られたりすることがなかったり、
素敵な方言(1番お気に入りは せば、まんずな。)があったり、
なまはげ、竿燈、竹打ち、かまくらなんてゆー地域特有のお祭りがたくさんあったり。
ここで書ききれないくらい本当に沢山の素敵な文化が今も守られている素敵過ぎる土地だと本気で思ってるのでおじーちゃんおばーちゃんにもこの気持ちが伝わってたら嬉しい。
そして思ってるよりもずっと素晴らしいところなんやでって思って欲しい。

でも
「秋田楽しい!?つまんなくない!?」
って聞いてくれる人が沢山いて。
「めっちゃ楽しいです!!」
って言うといつも決まって
「そっかぁ。じゃー良かった。
秋田でつまらない思いしてなくて。」
ってみんな言ってくれる。

優しさの底が知れない。笑

元々
「1年はおろう。でもつまんなかったら経つ前に帰ろう。」
と思ってたんですが、1年経った今。
秋田をもっと感じたいのでもー少し居させていただこうと思います。
特に期限は設けず。
心の踊る方に身体を持って来たので。
心踊るままにここにいます。
これからもよろしくお願いします。
いつも本当に有り難うございます。

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