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〈CLASSICALロングレビュー〉佐藤直紀『新時代へ ~昭和、平成、そして令和へ』【2020.6 146】

■この記事は…
2020年6月20日発刊のintoxicate 146〈お茶の間レヴュー CLASSICAL〉掲載記事。2020年5月20日に発売された、佐藤直紀『新時代へ ~昭和、平成、そして令和へ』をレビューした記事です。

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intoxicate 146


明日へ聴き継がれていく作品。待望の初CD化! 今だからこそ、多くの人々に届けたい音楽 (新宿店 飛田陽海)

佐藤直紀j

【CLASSICAL】
新時代へ ~昭和、平成、そして令和へ

佐藤直紀(作曲)藤田真央(p)松村秀明(指揮)読売日本交響楽団
[VAP VPCD-86501]

 時代は平成から令和へ。日本中が希望を胸にその瞬間を迎えた時、《新時代へ》は誕生した。それは新たな時代の幕開けを慶び、人々を奮い立たせる“今”だからこそ多くの人々に届けたい名曲であった。


 《新時代へ》誕生の経緯は、日本テレビと読売日本交響楽団がコラボレーションして“時代の節目を飾る”音楽を作れないだろうかという一つの企画からだったという。作曲は『ALWAYS 三丁目の夕日』で日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞し、多数の映画やドラマ音楽を手掛けている佐藤直紀。作曲に当たってのイメージは日本テレビ報道局社会部デスクの森浩一によって本アルバムのライナーノーツで語られているが、映像や台本がない分、この曲の制作には違った苦悩があったようだ。


 完成した《新時代へ》は、「令和」を迎えた1年間、日本テレビ系の報道・情報番組で幾度となく流され、新たな元号の幕開けを祝祭的に彩った。壮大で高揚感溢れる旋律は、昭和、平成を生き、そして令和を生きていく我々に、いついかなる困難があろうとも希望を胸に生きいく決意を持たせてくれる楽曲だ。


 《新時代へ》に加え、本アルバムの為に書き下ろされた《平成~祈り》では、ストリングスに寄り添うピアノの音色がとても印象的である。この曲でピアノを担当しているのは、2019年のチャイコフスキー国際コンクールで第2位入賞を果たした藤田真央。聴衆から熱狂的に支持され今や世界中で注目されるピアニストだ。甘美な旋律と共に奏でられるその演奏は、1音1音、温もりと優しさを感じる音色でありながら力強さも秘めている。“祈り”と共に込められた“願い”にも彼のピアノが色を添えていた。


 そしてもう1曲。佐藤直紀の代表作『ALWAYS 三丁目の夕日』より《希望を胸に》が読売日本交響楽団バージョンで収録されている。昭和から平成、そして令和へ。多くの“希望”“祈り”“願い”がつまっている3曲の作品は、より多くの人々に明日へと聴き継がれていくことであろう。


佐藤直紀a

©藤田真央


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