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note限定記事(ロングインタビュー&コラム etc)

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note限定記事(ロングインタビュー(本誌特別版)、コラム記事、イベントレポート等)をまとめています
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#インタビュー

【ステイシー・ケント】ロングインタヴュー:ノーベル賞作家カズオ・イシグロも魅了される、洒脱夫婦の機微に満ちたジャズ表現の襞

ノーベル賞作家カズオ・イシグロも魅了される、洒脱夫婦の機微に満ちたジャズ表現の襞interview & text:佐藤英輔 大人なノリで、仲睦まじい。英国を拠点とするジャズ・シンガーのステイシー・ケントとサックス奏者のジム・トムリンソンのインタヴュー時の様に触れて、なんかほっこりしてしまった。その出会いはロンドンのギルドホール音楽演劇学校で、1991年に結婚。その後、2人は二人三脚で心の隙間にすうっと入り込むような滑らかなアルバム群を順次発表するようになる。そして、かような

日本ツアー目前!カニサレス(Cañizares)インタヴュー

フラメンコの巨星パコ・デ・ルシアのセカンド・ギタリストとして10年間活動、97年にソロ・デビュー。ギタリストとしてだけでなく、作曲家としてもフラメンコ・シーンとクラシック音楽シーンの両方で支持された。2011年、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団からの招待を受け「アランフェス協奏曲」を共演。以来ヨーロッパ中のオーケストラと共演を重ねているカニサレス。 いよいよ、日本ツアーが迫ってきた。ギタリストの鈴木大介氏に今回の日本ツアーのプログラムや、新作アルバム『アル・アンダルス協奏曲

【ドミニク・ミラー】ロングインタヴュー:スティングの側近ギタリスト、審美眼に富むECM3作目を発表

スティングの側近ギタリスト、審美眼に富むECM3作目を発表 interview & text:佐藤英輔  すらりとしていて、格好いい。その様に触れると、なるほどこの人はジャズ畑というより、ロック畑の人物であると思わされようか。現在ECMからリーダー作を出しているギター奏者のドミニク・ミラーだが、彼は1990年以降スティングのバンドに在籍し、その懐刀的な存在となっている。そして、その一方でアコースティック・ギターを弾いた詩的なリーダー作を随時発表してきた。そんな彼の2023

【ウォルフガング・ハフナー】ロングインタヴュー:ドイツ/ヨーロッパを代表するドラマー、ACT からの最新盤と、ヴォーカル作品のプロデュース作!

ドイツ/ヨーロッパを代表するドラマー、ACT からの最新盤と、ヴォーカル作品のプロデュース作! interview&text:佐藤英輔 ウォルフガング・ハフナーは、ジャズを中心に多彩な活動をしているドイツ人ドラマーだ。1965年生まれの彼はこの15年強は独アクトからリーダー作を出している辣腕だが、本当にハート・ウォームな好漢。なんか接していて、とてもほっこりさせられちゃうところがあった。そんなハフナーは欧州や米国の著名奏者ともいろいろ付き合いを持っているが、それもさもあり

【富貴晴美】ロングインタヴュー『舞いあがれ!』サントラ:舞ちゃんと一緒に音楽も成長したい!

舞ちゃんと一緒に音楽も成長したい! intwervew&text:賀来タクト ――『マッサン』(2014)に続き、8年ぶり、2度目の朝ドラです。 富貴 お声をかけていただいて、とても嬉しかったです。私にとって、朝ドラは特別なものです。毎朝、放送されますし、放送期間も長い。10話くらいの連ドラではなかなかできないことをやることができるんです。   ――2度目ということで、緊張も特にないと思われますけど。 富貴 いえ、「よりよいものを」と思っていますし、逆に自分でハードルを上

【マイケル・リーグ ロングインタヴュー】グループ一丸で原点に帰り、大車輪。異能クリエイター率いる、スナーキー・パピーのめくるめく今が浮き上がる。

 グループ一丸で減点に帰り、大車輪。異能クリエイター率いる、スナーキー・パピーのめくるめく今が浮き上がる。 Interview&text:佐藤英輔    マイケル・リーグは強い音楽愛や好奇心、そして確かな音楽観や趣味性を高い次元で折り合わせる活動をずっと続けているベーシスト、バンド・リーダー、プロデューサーだ。そして、かような彼の才覚を知らしめる、メインの活動母体となる大所帯バンドがスナーキー・パピーである。その新作『エンパイア・セントラル』は、かつてのスナーキー・パピーの

沖野修也(KYOTO JAZZ SEXTET)ロングインタヴュー 「レジェンダリー・ドラマー森山威男が全面参加、次世代へ伝えたい日本のジャズ」

レジェンダリー・ドラマー森山威男が全面参加、次世代へ伝えたい日本のジャズ interview&text:佐藤英輔  日本のリアル・ジャズのアイコンと、DJ/クラブ文化を介する今の闊達なジャズ観の出会い。KYOTO JAZZ SEXTET feat.森山威男の『SUCCESSION』は、まさにそうした内実を抱える。  機知と知見に満ちたインターナショナルなDJ+の活動をする沖野修也が率いるオーセンティックなジャズ・コンボであるKYOTO JAZZ SEXTETの新作は、大御所

【森下周央彌】〈ないもの〉を求めた楽曲を、独創的な編成で綴るギタリスト/作曲家

©Shinya Fukumori 〈ないもの〉を求めた楽曲を、独創的な編成で綴るギタリスト/作曲家 interview & text:佐藤英輔  大阪在住のギタリストである森下周央彌のデビュー作『Ein.』を聴き、いささか驚いた。弦楽器その他を組み込んだその内容はとっても静謐で、アート。その質の高い表現総体からは、彼がどういう音楽遍歴を通ってきた人物であるのかを察しにくい内容になっている。そして、それは森下が誰でもない、自分の音楽を作っている証左となる。そんな彼はどう

【佐藤浩一】ジャズは動き、今多彩な顔を見せていることを示す2枚組をリリース

©Shinya Fukumori ジャズは動き、今多彩な顔を見せていることを示す2枚組をリリース interview & text:佐藤英輔  音楽は深い。今回のピアニストの佐藤浩一に取材して、そう感じさせられてしまった。彼の3作目となるリーダー作『Embryo』は2枚組作品だが、Disc1は“ソロ・ピアノ”盤で、Disc2は弦楽器も用いるアンサンブル盤となる。両盤はともにゆったりと流れ、聞き手を包んだり、清新な風を送り出している。それら両Discは耳に優しい。ところ

【吉田篤貴】俊英ヴァイオリン奏者が鋭意送り出す、眩く織り込まれるストリングス表現の魔法

photo by bozzo  俊英ヴァイオリン奏者が鋭意送り出す、眩く織り込まれるストリングス表現の魔法 interview&text:佐藤英輔  ストリングス表現と聞いて、どういう音を思い浮かべるだろうか。確かな技量や審美眼の先に斬新な佇まいや情緒の数々がたおやかに百花繚乱している吉田篤貴EMO strings meets林正樹の『Echo』は、そんな問いかけに対する新たな答えを用意してくれる。その『Echo』は、新しいジャズ・ビヨンドの日本の音楽を世界に

【Remboato】「流水不腐」を体現するカルテットが本格始動!nagalu レーベルからファースト・アルバム『星を漕ぐもの』をリリース

Remboato。左から、藤本一馬、福盛進也、栗林すみれ、西嶋徹 「流水不腐」を体現するカルテットが本格始動! nagalu レーベルからファースト・アルバム『星を漕ぐもの』をリリースinterview & text:佐藤英輔  ギターの藤本一馬、ピアノの 栗林すみれ、ダブル・ベースの西嶋徹、ドラムの福盛進也。そんな面々からなるカルテットがレムボートだ。そのグループ名は 、“手漕ぎ舟”を意味するエスペラント語とのこと。4人は各々が出した曲を介し、抑制された美としなやか

【挾間美帆】歴史あるデンマーク・ラジオ・ビッグ・バンド(DRBB)との新作を、Edition Recordsからリリース!

©Agnete Schlichtkrull 歴史あるデンマーク・ラジオ・ビッグ・バンド(DRBB)との新作を、Edition Recordsからリリース! Interview&text:佐藤英輔  ニューヨークを拠点とする作編曲家である、挾間美帆の新作が出る。その『イマジナリー・ヴィジョンズ』はこれまで3枚発表している自己ラージ・アンサンブルのm_unitでのものではなく、デンマーク・ラジオ・ビッグ・バンド(DRBB)との録りおろし作。それは、2019年に歴史あるスカ

【小曽根真】チック・コリアとの宝物のようなやりとりを、メッセージとして次世代にも伝えたい

チック・コリアとの宝物のようなやりとりを、メッセージとして次世代にも伝えたい interview&text:佐藤英輔  チック・コリアと小曽根真、名手二人のデュオ演奏の模様を収めた『レゾナンス』がついに発表される。ソースは、2016年に11会場を一緒に回ったツアーだ。チックは今年2月に逝去したが、その生前からリリースが準備されており、二人の表現の多彩な襞を伝えんとするかのように2枚組でのリリースとなる。そんな本作をリリースに際し、小曽根真にチック・コリアとの関係やその時

【INTERVIEW】Masakatsu Takagi 『Marginalia Ⅲ/Ⅳ』

Masakatsu Takagi, has closed “Marginalia”- years-long project turning the live recorded materials into "sound offerings". On interview, he recollects his music and life with piano, birdcalls, mountain reverberations. interviewer:Yasuo