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日本経済新聞「ロシアの「戦争犯罪」追及へ 」2022年4月5日


重箱の隅なのですが、一応。

戦争犯罪は(1)集団殺害犯罪(2)人道に対する犯罪(3)戦争犯罪(4)侵略犯罪――に分かれる。

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20220405&ng=DGKKZO59704950V00C22A4EA2000

1つ目の戦争犯罪は「国際犯罪」の誤り?武力紛争中の犯罪と、武力紛争がなくても成立するジェノサイドと人道に対する犯罪とは別。ジェノサイドは公定訳では集団殺害犯罪ですが、殺害以外の集団を破壊する行為を含むので違和感。

武力紛争時に一般市民や医療者らを保護する代表的な国際法がジュネーブ条約だ。第2次世界大戦後の1949年には、戦闘行為に参加しない民間人や捕虜の保護も盛り込んだ。武力紛争による被害をできる限り軽減するのが目的だ。

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20220405&ng=DGKKZO59704950V00C22A4EA2000

「国際法がジュネーブ条約」という表現に違和感。区別原則や捕虜待遇規則は、1949年以前から複数の条約で規定されています。

ロシア軍は3月4日、ウクライナ南部にあるザポロジエ原発を攻撃した。破壊されると危険な施設への攻撃も同条約で禁止されている。

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20220405&ng=DGKKZO59704950V00C22A4EA2000

禁止しているのは1949年ジュネーブ条約ではなく1977年第1追加議定書。


燃料気化爆弾やクラスター爆弾も、ロシア軍がウクライナ領内で使用したとの疑いがある。こうした無差別攻撃はジュネーブ条約やオスロ条約に違反する可能性がある。

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20220405&ng=DGKKZO59704950V00C22A4EA2000

ロシアはオスロ条約には入っていません。

ウクライナの提訴を受け、国際司法裁判所(ICJ)は3月にロシアの侵攻に関する審理を始めたがロシアは欠席した。

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20220405&ng=DGKKZO59704950V00C22A4EA200

ICJは戦争犯罪を裁く場ではないですかね(そういう趣旨ではないかもしれないですが)。また当事国の欠席は関係ないですね。さらに「ロシアの侵攻に関する」ではなく「ロシアがいうところのジェノサイドの解釈について」の審理が正確ですかね。

#日経COMEMO #NIKKEI

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