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【社会起業家取材レポ #05】 確かな繋がりと安心の中で、関わる全ての人々が未来を描ける子育て社会。

SIACの学生が東北で活動する社会起業家の想い・取り組みを取材する「社会起業家取材レポ」。今回は、SIA2019卒業生の佐々木拓哉さんにお話しを伺いました!


1. 佐々木拓哉さんについて

3.11を南三陸町で経験。過酷な生活を強いられる中で周りの人たちの温かさに心を打たれる。この経験から東北のために仕事をすることを心に決め、2018年1月に鮮明な色彩の映像を録画するセキュリティカメラを取り扱う、FourS株式会社を設立。その後、保育士である母が経営する保育園(企業主導型保育事業所 チャイルドルームきいろいくまさん)の経営にも携わる。この保育園経営の経験を通じて、保育業界の課題に気づき、保育士がもっと子供たちと過ごす時間を楽しめるような保育業界の実現に向けた活動に取り組む。SIA2019卒業生。
FourS株式会社:https://4s-japan.co.jp/
企業主導型保育事業所 チャイルドルームきいろいくまさん:
https://kiiroikumasan.com/

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2. インタビュー| 事業&これからについて

はじめに、現在取り組まれている事業と関心を持っている保育(教育)業界の課題について伺いました。


● 事業の現状
FourS株式会社での仕事に加え、保育業界が抱える課題である業務量の多さをICTで解決することを目指し、保育士の業務管理アプリケーション「O2」の開発をされています。現在、佐々木さんが経営する保育園にて実証実験中とのこと。実際に使用した保育士さんの反応は良好で、今後、保育士さんの意見を取り入れながら改良を進めていく予定といいます。


● 子供がぶつかる3つの壁
保育(教育)業界に携わる中で様々な教育現場の課題に気づいたという佐々木さん。教育過程における3つの壁について教えていただきました。

(1)3歳の壁
保育園の多くは0歳〜2歳までの子供の受け入れをしています。そのため、子供が3歳になると幼稚園に入れなおさなければなりません。
*佐々木さんの保育園では3歳以降も継続して受け入れができるようにされているといいます。

(2)小1の壁
これは、保育園が3/31に終わり、小学校が4/10頃に始まる——といったケースで見られる一週間ほどの空白期間のことです。共働きの世帯、核家族世帯が多い現代社会において、この一週間の空白期間は大きな問題です。また、幼稚園から環境が大きく変わることもあり子供の精神的負担が大きい時期でもあります。

(3)中1の壁
これは、小学校と中学校での成績の付け方の変化( [小学校:できた、よくできた等] ➡ [中学校:五段階評価] )が起こす問題です。また、中学校では、小学校と比べて学習内容も難しくなるため、勉強についていけない子供も増えるタイミングです。

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次に、SIAプログラムに参加した動機や参加してみての感想を伺いました。

● SIAプログラムへの参加のきっかけ
SIAプログラムの卒業生が知り合いにおり、紹介してもらったことがきっかけとのこと。社会起業家育成をテーマとしたプログラムということで、自身が保育園の現場で感じていた課題ややっていきたいこととの親和性を感じ参加を決めたといいます。


● SIAプログラムに参加してみて
プログラムに参加する前は、社長であるために指摘をしてくれる人がいなかったといいます。しかし、プログラムへの参加を通じて、率直にお互いの意見を言い合える関係性の仲間が出来たことが一番の収穫とおっしゃっていました。また、技術面では、プレゼンの仕方を学べたこと。そして、端的に自分の考えを伝えることが出来るようになったことも良かったそうです。

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最後に、これから取り組んでいこうとされている活動について伺いました。

● これからの活動について
これからの活動として、「防犯・防災」「学童保育と学習塾」を挙げお話しいただきました。

・防犯、防災
3.11を南三陸町で経験した佐々木さんは、FourS株式会社で防犯に関する事業をしています。今後、防災に関する事業も展開していきたいそうです。津波や噴火をリアルタイム中継できるドローン技術にも関心を持っているそうです。

・学童保育と学習塾
前述の2つの壁に対する改善策として、“小1の壁”の解決策としての学童保育、 “中1の壁”の解決策としての学習塾の設置を考えているといいます。これらを設置することで、小学校や中学校に兄弟がいる家庭でも一か所でお迎えを済ませることができます。また、ただ預かるということだけでなくこれからの時代に活きる教育もしたいという理由から、STEAM教育(=Science Technology Engineering Art Mathematics)(*1)にも注目されているとのこと。
*1 STEAM教育(=Science Technology Engineering Art Mathematics)とは
“科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)。アート(Art)、数学(Mathematics)の5つの領域を対象とした理数教育に創造性教育を加えた教育理念。知る(探究)とつくる(創造)のサイクルを生み出す、分野横断的な学びです。”(STEAM JAPAN (steam-japan.com) より引用)

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3. 編集後記

この取材は、中村玲央那が行いました。
最後に、取材を終えてわたしが感じたことや気づきを書いていきます。

私は、大学生の時間があるうちに様々な経験をしておこうというといった理由からSIACプログラムの活動に参加しています。そして、今回、佐々木拓哉さんに取材をさせていただきたいと思ったきっかけは、保育士を目指している親友から保育業界の課題について話を聞いたことからでした。実際にお話を聞いてみると、多くの経験をし、多くの人と関わってきた方だとわかりました。現状目指す方向は定まっていませんが、佐々木さんのようになんでもチャレンジしていきたいと思います。スーパーポジティブに。



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