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「終わった恋がくれたもの」公募インタビュー#20

(あこさん 2020年8月下旬)

結婚前提でお付き合いをしていた恋人との別れが大きな転機になったというあこさん。ジェットコースターのように目まぐるしかった状況を客観的に見てみたい、と応募いただきました。

彼とは知り合ってすぐに意気投合。数回のデートを経て、あこさん(以下、ア)が27歳の頃から交際が始まった。
途中半年間の遠距恋愛離期間ののち、約1年間同棲。
2年前、あこさんが29歳の時に別れを迎えた。

結婚目標年齢30歳

──彼とは結婚の話もしていたんですよね?

ア はい、私が結婚願望がもともとありまして、24歳の時に結婚するんだろうなって小学生の時からずっと思ってたんですね。

 絶対24歳だ!って、XデーっていうかXイヤーが24歳だって思っていて。でも思い返してみると24歳の時って、留学の準備のために新卒で働いていた会社をちょうど辞めて、引っ越して、時間に融通の効く派遣の仕事に切り替えて、語学学校に通って、と完全に自分のために時間を使っていた時期でした。

 24歳、25歳、26歳って年を重ねていくごとに周りがどんどん結婚して、結婚ラッシュ第三波ぐらいで、私も30歳までには結婚しよう、と次の目標が私の中で立って。
 そして留学を経て27歳で彼と付き合った時、私は結婚願望のかたまりみたいな感じでした。

 彼には「30歳までに結婚したいな」っていうのも伝えて付き合っていました。

同棲ってこんなに…?

──結婚に向けて準備をしていこうという思いを共有していた?

ア 「将来犬飼いたいね」という話をしたり。あと、バラバラに住んでたんですけど、(途中の半年間の)遠距離恋愛を終えた後、一緒に住んでみようということになりました。

 そして1年ちょっと同棲をして、同棲ってすごいしんどいなっていうのが、その感想でした(笑)。

 1年間の同棲生活の最後の方で(二人一緒に)引越しをしたんですね。その時点で既にちょっと険悪なムードになっていて。

 新しい家での同棲生活はおそらく1ヶ月弱もないぐらいですね。
 相手が、「ちょっと時間がほしいから家を出てく」って言ったんですけど、「私が出てく」って言って、私はシェアハウスに移りました。

こだわりと否定

──1年間の同棲がしんどいものだったというのは?

ア 私、びっくりしちゃって(笑)。同棲って好きな人とずっといられるっていう、楽しい感じのイメージがあったんですが。

 彼が芸術家肌なんですね。アーティスティックな感じで、身につけるものとかめちゃくちゃこだわるタイプなんです。インテリアとかもすごくこだわって、おしゃれで。私はその良さが最初まったくわからなかったんですけど、だんだん、彼と一緒に住んでるうちに、「これはいいんだな」っていう認識が生まれてきました。

 おしゃれだなと思ってるうちは良かったんですけど、相手がそれを私にも押し付けるような形になってきて。着る服、髪型、メイクとかも。

 朝、私が仕事に行く前、彼がお見送りしてくれるんですけど、私が着てる服をチェックして、「いやそれはないよ、本当にありえない」みたいなことを言われる日が時々あったんですね。そういうことの積み重ねにどんどん耐えられなくなってきてイライラしてきて、それが相手にも伝わって、だんだんお互いにすれちがって愛情が薄くなっていきました。

1ヶ月の冷却期間を/転職活動・シェアハウスへ引越し

ア 新しい家に二人で引越した時点で、お互いにけっこう冷め始めていたんですね。でも「話がある」って言ってきたのは相手からで。「1ヶ月だけ時間をちょうだい」と。

 引越し前に私は前の仕事を辞めたところで、無職でした。その時ちょっと甘えていて、彼がいるから私はパートでいいや、とか思ってたところがあって、彼からしたらたぶんそれも気に食わなかったと思います。ちゃんと自立して働いてよ、って。

 引越してから私はグータラしていたんですけど、彼からその話を切り出されて、一気に火がつきました次の日から転職活動と家探しを同時に始めて、1週間半ぐらいで次の仕事を…それが今の仕事なんですが、見つけて。

 仕事が決まったので、とりあえずシェアハウスに住もうと思って、シェアハウスもバババッと見つけてそこに引越しました。

──時間がほしいと言われて、どう思いました?

ア 最初めちゃくちゃショックでした。冷却期間中に新しい職場で働き始めて、慣れない環境と、あと……結婚する未来を思い描いてたんですけど、それが一気になくなってしまったので、そのショックが大きくて、現実じゃない感じがして。
 毎晩お酒をハイボール3缶ぐらい飲んで、YouTube見て、朝起きて仕事行って、家帰ってまたお酒飲んで、みたいな堕ちた生活をしてました。

──ファッションチェックをされたり、想像していた同棲とはちがう苦しさはあっても、あこさんは彼と結婚したいと思っていた?

ア そうですね。すごく嫌だなと思う面もあったんですけど、その分センスがめちゃくちゃ良くて、行動力があって、サプライズとかもすごく上手な人だったので、なんとなく一緒にいたら面白いだろうなーっていう気持ちはあって、ですね。

──切り出されたのは寝耳に水?

ア 寝耳に水でした(笑)。前日に一緒に一泊旅行に行ってたんですね。

──へええええ。

ア (笑) で、帰ってきて次の日に突然、みたいな。

理由は、きっと/前へ向かう行動力

──冷却期間を置きたい理由は言われたんですか?

ア 私も言い方がきついところがあるなっていう自覚があるんですけど。
 相手はすごく服が好きなんですが、片付けが苦手な人で、お気に入りの服をソファーの上に置きっぱなしにしたりしてたんですね。私はそんなにこだわりがないので、その上にドーンと座ったり寝たりしてたら(笑)、めっちゃ怒られたりして。で私がそれに逆ギレするみたいな、些細なケンカが多くなってきてましたね。

 私もどんどんスカートを履かなくなって、化粧も適当になって、太っていって、女性としてのきれいさがなくなってってる、ちょっとゆるんでる、みたいな感じになって、相手はきっとそれも嫌だったんだろうなと思います。

──相手から指摘されたわけじゃないけど、振り返ってみるとそうじゃないかなと?

ア そうですね。はい。

──そうやって切り出されてから火がついての転職活動とか引っ越しとか、行動力がすごいですね。

ア 行動力はある方だと思うので、本当に焚き付けられれば、ダッシュでやります(笑)。

──泣いてすがってそのままの状態をキープしようというふうにはならなかった?

ア ならなかったですね、確かに。ならなかったです。

1ヶ月後の別れ

──冷却期間中の1ヶ月で挽回しようという気持ちはあった?

ア ありました。どうかその1ヶ月後に相手が「やっぱりごめん付き合おう」って言ってくれますように、っていう願いが強くって、シェアハウスも最短6ヶ月間は住まないといけない物件だったんですけど、理由を全部話して、「もしかしたら1ヶ月で出るかもしれないです」って、まあ願いも込めて、そういうふうに伝えてて。結局そこには1年半ぐらい住んでたんですけど。

──その1ヶ月の間に彼と会ったりは?

ア してないです。1ヶ月後、まったく連絡が来なかったので私の方から連絡したんですね。「そろそろ話し合いましょう」と。

 会って、やっぱり私との未来は考えられない、とはっきり言われました。ただ、相手から「別れよう」という言葉を言ってくれなくて、「なんか、ちょっと難しい……」という話をずっとされてたので、「じゃあ別れよっか」と私から言って、「そうだね」という形で円満に終わりました。

──彼はもともと明言を避けるタイプなんですか?

ア いやー……はっきりものは言うタイプだったんですけど、きっと27歳から29歳までという時期に付き合って、結婚したいしたいとも言っていたので、けっこう責任を感じてたんだと思います。

──あこさんはその曖昧さには希望は見出さず、別れようと言ったんですね。

ア そこですがっても愛情がもうないんだなっていうのが伝わってきたのと、あと、あんなに復縁したいと思ってたのに、改めて会った時に相手の欠点が目についちゃったんですね(笑)。

──へえー!

ア すごく些細なことなんですけど、私は(デートの時に、飲食店などで)奥の席に座らせてもらうことが好きで。上座っていうんですかね。荷物が多かったりするので。
 でも彼は頑なに自分がそっちに座りたいタイプなんですね。付き合ってる時は私が何度も言って、そっちに座らせてもらってたりしたんですけど、最後に会った時も彼は上座の方に座ろうと……、そこはちょっと、レディとして扱ってほしいなと(笑)。その時に、ああ付き合い続けたらこういうことがまた繰り返されるんだろうな、私も疲れちゃったな、って。

 (復縁したかったのは)たぶん、彼が恋しいというよりは、結婚した自分が恋しかったというか。”結婚した自分”が実現できないことがすごいショックだった、んだと思います。

──1ヶ月間、あこさんががんばったことは彼に話した?

ア 話してないです。仕事のこととか、ちょこっと話したぐらいで。「最近どう?」みたいな、本当に当たり障りのない話をしてました。
 
 コーヒーショップに入ったんですけど、入って20分後には別れてたと思います(笑)。

結婚したい理由

──別れて、どうでしたか?

ア 今でも覚えてるんですけど、12月9日に別れて、12月いっぱいはまだ酒浸りでした。
 結婚までちょっと手を伸ばせば届きそうだったのに、すべてなくなっちゃったなと。

──その頃のあこさんにとって、結婚はどういう魅力があった?

ア 独身の人生はさんざん楽しんできて。
 昔から絶対やるって決めてたのが留学だったんですね。自分のお金貯めて、自分のお金で留学を実現して、都内で自分の好きな場所にも住んで。

 やりたいことをさんざんやり散らかして、じゃあ次にどういうことがいいのかなって考えた時に、結婚、そして子供がほしいなっていうのがあって。新しい経験をできるいい機会、っていうかきっかけが結婚だと思ったので、すごく魅力的で。

 子供がほしいので、それもあって、早い方がいいんじゃないかなって思いました。

──今も結婚したいですか?

ア 今、めちゃくちゃしたいですね(笑)。

──今、お相手はいらっしゃるんですか?

ア はい、いて、シェアハウスから引っ越したきっかけが彼なんですけど、今、人生2回目の同棲をしてます。

仕事と家事

──のちほど今の彼のこともお聞きしたいんですが、先にお仕事のことを。前の彼とお付き合いしている時、引っ越す前にお仕事を辞めたんですよね。

ア 仕事内容としては楽しくて、できれば続けたいと思っていた仕事なんですけど、ノルマが相当厳しいのと、けっこう給料が低かったんですね。休日も少ない仕事で、メンタルやられちゃって、ああこれは辞めよう、と思って辞めました。

──彼はどう言っていましたか?

ア その時彼は、大変なら辞めてもいいんじゃない?みたいなことを言ってました。

──退職後、あこさんは働き方をパートにしようかなと思っていた、そこにも彼が不満だったのではという話がありましたね。

ア 同棲していた時、彼はあんまり家事をやらない人で、家の掃除とか、私が夜に翌日のお弁当を作ってるとついでに相手の夜ごはんも作らなきゃいけなかったりして、負担が大きかった。
 前の仕事は、家に帰るのが夜8時とか9時くらいになっちゃってたんですね。そのペースだとしんどいなーと思って、もうちょっと自分の時間がとれるような仕事ということで、最初は時短勤務だったりパート、とかそういうのを探してました。

──家事の負担をどうするかというのは同棲する前に話し合った?

ア 話し合ってないんです、それが。ぬるっと同棲し始めた感じなので。
 
 相手は、2週間〜1ヶ月に1回くらい掃除機で掃除をするタイプだったんですね。私は毎日フロアワイパーでやらないとちっちゃいゴミってとれないなと思っているから(自分がやることになる)。
 その人はゲームが大好きだったんですけど、ホコリの中にゲーム機があるような状態になっていて、そういうのも私が朝ホコリをとったりとかして、なんなんだこれは、って思ったりもしてました。

──気が付いた方の負担が大きくなっていくことに不満は?

ア たぶん、ちょっとずつちょっとずつ大きくなっていく感じ。気付いちゃうがゆえにやらないとイライラしちゃうし、なんで相手は気付かないんだろう?っていう気持ちが募っていっちゃう感じ。

──その後冷却期間をとることになって、どういう仕事を探した?

ア 別れるか別れないかの瀬戸際だったので、これは甘えてちゃいけないなと思って、正社員で自分のご飯は自分で食べれるような仕事にしなきゃと思って、今の会社になりました。

彼に影響された、もの選びのセンス

──彼とお付き合いした期間は印象的な時期になった?

ア はい、まさに。彼からちょっとずつ教えてもらった、音楽とか映画とか色づかいとか、服とかインテリアとかのこと、そういうものすべてが、今の私の全部の選択に反映されてるなと感じていて。彼はセンスがすごく研ぎ澄まされた方だったので、今住んでいる家の家具を選ぶ時も、彼がよく言っていたようなものに目が行くようになったりだとか。

 今の仕事も、たまたまではあるんですけど、腕時計の輸入代理店なんですね。輸入元が大体ヨーロッパのもので、オブジェとかも扱う感じで。
 (仕事の面でも)ちょっとずつセンスが彼寄りになっているのは不思議だなって思います。

 もう私は彼を好きではないんですけど、そのセンスだけまだ残っていて。今では私の家具とか着る服とかを選ぶセンスって、おそらく彼好みのものになってしまっています。

彼の今を検索する

──でも彼には未練はない、と。

ア あ(笑)、実はFacebookとかインスタとかでめちゃくちゃ彼を検索するんですけど(笑)。全然更新されてなくて、生きてるのかもわからないんですよね。

──どういう気持ちで検索を?

ア 彼は今何やってるんだろう、っていう好奇心。
 私はもう必死に立ち直って、仕事を必死にして、どうにか自分がその時思い描いてた未来より絶対良くなってやるぞって、死に物狂いでこの1年がんばってきた感じがあって。
 私をふったお前はどうだ、何してる」、っていう気持ちで検索してます。

友達として話せると思う

──そうやって必死にやってきて、自分の今の姿には自信がありますか?

ア 29歳の誕生日が最悪の誕生日だったんですね。彼に冷却期間を宣言されて、とりあえず実家に帰省して、誕生日前日まで実家にいました。で、シェアハウスへの引っ越しが誕生日当日で。なんて日だ、って思いながら引越し作業をしてたのを思い出しますね。からの、酒浸りの日々
(※冷却期間を言われ帰省→11月上旬、誕生日・シェアハウスへの引越し→12月上旬に別れ)

 そして年が明けて2019年になって、ちょうど新しい仕事を始めて1ヶ月、家も新しくなって1ヶ月で、なんか本当に生まれ変わらないとだめになっちゃうなと思って、そこからジムに通い始めてお酒をちょっとやめて、同時に英会話も忘れないように行き始めました。なので、だらだら彼と付き合っている時よりは今の方が趣味は見つかったと思います。

──彼に今の姿を見せたい、みたいな気持ちは?

ア (笑)いやー、劇的に変わってやるって意気込んでジムも始めたんですけど、そんなに変わってないので。でも今カフェとかで会ったら、普通に話せると思います。全然友達としてウェルカムです。

──へえー、すごい。でも連絡をとろうとは思わないですか?

ア たまに葛藤はするんですけど、でもここで自分から言ったら、ちょっと未練たらたらな女みたいだなと思って、思いとどまります。

──もし彼から連絡が来たら、まだ未練があるのかな、もう一度私とやり直そうと思ってるのかなって思います?

ア いやーー、けっこうもう嫌われちゃってたので、それはないんじゃないかと思います(笑)。

──嫌われるぐらいまで行ってました?

ア 最後は愛情ゼロだったと思います。情でフォローされてた感じはあったんですけど、もう女としては見られてなかったので。

新しい恋

──別れた後1年間いろいろがんばって、新しい恋も見つかったわけですよね。今の彼とはいつから?

ア 去年の9月末からで、同棲は今年の4月半ばからです。

──今の彼とも結婚の話はしている?

ア もうすごいしてます。同棲する時に期間を決めようと話していて、半年間住んでみて、半年をまず区切りにしよう、って伝えています。

──半年経ったら何かしらの話し合いをしよう、と?

ア はい。「プロポーズしてね」って言ってます。

──(笑)

ア (笑)もう勢いで行こうかなと思ってます。

──結婚についてお相手に伝えることについては、前の彼の時もそうですけど、ためらいは全然ないんですね?

ア ないですね。実は今の彼とはマッチングアプリで知り合って。アプリでやりとりしてる時から、私は結婚を前提に付き合える人を探してます、ということをずっと言っていたので、まずそういう入り口から入りました。

──彼もそこから同意しておつきあいに至ったんですね。
 同棲というのは、結婚のために生活の相性が合うかどうか試す意味で?

ア はい。(動機は)大まかに二つあるんですけど、まず相手の生活と自分の生活を一緒にすり合わせられる相手なのか(を見極める)ということ。
 あと、シェアハウスに住んでるのがむなしくなってきていて。やっぱり自分の空間がほしいなと思ったり、自分の家に住みたいなという気持ちがあって、タイミングも良く、同棲しようってなりました。

シェアハウスで/日曜の夕方

──シェアハウスにいて感じたむなしさというのは?

ア ちょっと話が遡るんですけど、結婚前提だった彼と別れて、シェアハウスに住み始めて3ヶ月ぐらい経った時に、前働いていた会社の方と付き合い始めたんですね(笑)。

 でも私はその人のことが好きっていうよりは見た目がめちゃくちゃタイプだったので(笑)、あ、イケメンと付き合える!と思って半年間付き合ったんですけど、彼は大阪、私は東京の遠距離恋愛だったんです。

 お弁当の材料を買いに、日曜日によく買い物に行ったんです。商店街では幸せそうなカップルとか、家族とか、ちっちゃい子供を連れた若いパパママが歩いてて、この人たちにはそういう未来があるけど、私がいま住んでいる場所や、付き合ってる人との未来って何もないじゃないか、って。

 住んでいるのは刹那的なすみかだし、付き合ってた彼も大阪が大好きって言ってるような方なので、私が大阪に行かない限り(一緒になれない)。でも私は大阪には行きたくなくてずっと東京にいたいので。何も未来のない生活が本当にむなしいなって、日曜日の夕方毎週思ってたんですね。
 
 で、去年のお盆前にその人と別れて、お盆終わりにマッチングアプリに登録して、9月末に今の人と付き合ったっていうめちゃくちゃ短いスパンなんですけど(笑)。

──シェアハウスはずっといる場所じゃないと感じていた?

ア 女性3人だけのシェアハウスなんですね。食材を交換したりして、めちゃくちゃ仲が良かったんですけど、ずっとそこにいたら私はずっとそのままな気がして。

 その人たちとは、仲がいい以上の仲にはなれない気もして。今はメールアドレスを交換したんですけど、住んでる時は交換もしてなかったし、楽しいけど楽しいどまりな感じ。

 私、ラジオが好きで、ラジオを聴きながらお弁当の準備してるんですけど、シェアハウスだと共有部分で大きい音を出せないので、ラジオを大きい音でかけて料理したいなっていう、自由も求めていました。

今回の同棲は楽しい/譲れない条件

──今の彼氏さんとの同棲はいかがですか?

ア 前の経験から同棲ってつらいイメージしかなかったんですけど、今はけっこう楽しいじゃん、って思うことの方が多い。

 相手がこだわりが強くない方なので、私がどんな服着ててもけちょんけちょんにけなしてこなかったり、認めてもらえるっていうのが大きいと思います。

──お付き合いするかどうかは、どういう観点で見ましたか?

ア マッチングアプリで相手を探す時や、実際お会いして話す時に、譲れない条件として「いびきをかかないこと」と「こだわりがないこと」、この二つをすごく重視してました。

 こだわりがめちゃくちゃ強い方って、もはやそれが癖みたいな感じで、自分だけの癖で収まってたらいいんですけど、こうじゃなきゃ許せない、みたいな基準を持っちゃってる方だと、後々私に影響するな、と思って。

 今の人だったらお酒が好きなのでお酒に対してのこだわりはめちゃくちゃ強いんですけど、それはもう私とは関係ないというか、お酒は好きにどうぞ、という感じで。でも例えばそれが服へのこだわりというんだったらちょっと危ないなって思ってたと思うんですけど、まったく自分の興味範囲外のことならまあいいんじゃないかなと思います。

相手に押し付けない

──あこさんご自身はこだわりはないですか?

ア 私は今までまったくこだわりがなかったんですけど、前回の同棲を経て、私にちょっとこだわりが(笑)生まれてるかもしれない。
 以前はリボンついてる服を平気で着てたんですけど、リボンがついてるものは似合わないって言われて、確かに私の顔はリボンとかじゃないんだろうなって思って、シンプルな服を選ぶようになったり、コップとかでも無地のものを選ぶようになったりとか、そういうこだわりは生まれてます。

──もの選びの点においてはかなり前の彼の影響があって、こだわりにもなってると。でも人には押し付けないようにしようとか思いますか?

ア 思います。今の彼氏がむちゃくちゃださい服を着てるんですけど、でも私は中身が好きだからそこはいいと思って、大丈夫です(笑)。

 あっ、って思うことはあるんですけど、でもその服を相手は気に入ってヘビロテしてるんですね。あ、お気に入りなんだな、と思って、じゃ、いいや、と思って何にもふれないです(笑)。

 実はその服を隠しちゃおうかと(笑)思ったんですけど、いやだめだめだめだめ、って思って、着てもらってます。

ラーメンは単品で

──前の彼との同棲の時、女性として見られなくなったとおっしゃっていましたが、今回の同棲とか、その先にあるであろう結婚生活では、そういったことについてどう思いますか?
 ずっと生活していったらゆるんでいくものは、いい・悪いは別としてあると思うんですけども。

ア 今は、前よりも緊張感を持って生活してます。前は初めての同棲っていうこともあって、すべてを受け入れてくれるだろう、これが私よ、という感じで全部さらけ出してたんですけど、今回それやっちゃまずいなと思って、ある程度、自分をここまでは出していいけど、これはまだだめだな、というところを線引きしてやってます。

 これが1年2年ってなっていくと相手も私もさらけ出す範囲がだんだん広がっていくと思うんですけど、できるだけ今のラインでキープしたいと思います。

──嫌われないようにですか?

ア 私は一人だとラーメンに半チャーハンつける、あと餃子も付けたりするんですけど、今の人といるときはラーメンだけ、みたいな。何て言っていいか(笑)わからないですけど、(私は)女性だよ、みたいな、それだけじゃないんですけど、なんかそういう感じでやってます。

──ラーメンセットを頼む私を好きになって、とは今はしない?

ア 今はまだ早いですね。ジムに行って2年目なんですけど、ダイエットをがんばっていて。こんなに食べるのにそんなに細いなんて、かわいいなあお前、って言われるぐらいまで細くなったらそういうのしようかと思って。今やったら、ただめっちゃ食べるじゃん(笑)、みたいになっちゃうので。ちょっと今は抑えてます。

──結婚するため、っていう感じですか?それとも…

ア 長くいい関係でいられるため。

同棲して好きになっていっている

──今お付き合いしている彼のことは好きですか?

ア 今はすごく好きです。付き合った最初は、実は全然好きじゃなかったんですけど、同棲し始めてからどんどん好きになってきました。

──どういうところが彼のいいところですか?

ア 相手が私にこうしてほしいことがある時に、決して感情的にならないで、僕もこうするからこうしてくれるとうれしいんだけど、とかそういう言い方で言ってくれる。見習わなきゃなって毎回思います。
 私、口調厳しめに言っちゃった時、いつも自分が傷ついちゃうんです。反省しちゃうのと、ああこれ絶対相手傷付いたなと思って。彼のいつもの言動があるからこそそうやって私も反省するので、尊いなと思います。

──最初全然好きじゃなかったのにお付き合いしたのはなぜでしょうか?

ア めちゃくちゃあせってた、っていう(笑)ことがあって。
 マッチングアプリで実際会ってみた人は3、4人いたんですけど、今の彼が一番印象が良くって、誠実な目をしていて、なんだろ、くもりがない表情をするのがすごく印象深くて

 二人とも車が好きというのも合ったんですが、一番大きかったのが、私の30歳の誕生日にディズニーランドに行きたいって言ったら、連れて行ってくれたんですね。それですごくその日が楽しかった。

 29歳の誕生日が、思い出しても悲しくなるほど最悪と言えるような日だったので、それと比べて30歳の誕生日はなんて楽しくさせてくれたんだろうと思って、一緒にいたらきっと好きになれるんじゃないかなーと思って付き合い始めました。

──好きになれる予感がして、当たったわけですね。

ア 今のところそうですね、はい。

別れてよかった・付き合ってよかった

──29歳で別れた彼とは、別れてよかったなと感じますか?

ア 本当に、ふってくれてありがとう、って思います。

──その彼とお付き合いしたこと自体はどう思います?

ア すごく、よかったです。本当に。強烈なインパクトを受けて、ストレスもすごかったんですけど、でもその分、私が気付かない世界を教えてくれて、ちがう視点でものを見る人だったので、ものを選ぶ基準とかがすごく変わりました。

 結婚とか恋愛をする相手じゃなかったなと思うんですけど、ちがう世界を見せて、視野を広げてくれるようなポジションの人でした。私の中で。

──よかったですね、今だから言えるのかもしれないですけど。

ア 本当ですね。当時はなんだこいつと思っていたので。別れて、距離感って大事だと思いました。この距離だから感謝できてる。でも彼女っていう立場で真横にいちゃうと、相手に「なんでこんななの?」「なんでこんなにセンスがないの?」みたいな感じに見られるのが最後すごく怖かったりしたので。

お酒とアイドル

──つらかった時に酒浸りだったとおっしゃっていましたけど、お酒を飲むと気持ち的にどうなるんですか?

ア 実はその時にお酒とセットでやっていたことがあって。友達が私を励ますために防弾少年団(=BTS)っていうK-POPアイドルを紹介してくれたんですね(笑)。彼らのダンスとかミュージックビデオとかV LIVEとか見ながらお酒を飲んでたんで、完全にアイドルの世界に入って現実逃避してました。

──今でも好きですか、BTS?

ア 今でもBTS大好きです。

──おっかけたりライブに行ったりとかは?(コロナの影響で)今はないですかね。

ア あー、今はそうですね。でも彼らは生配信があったり、チャンネルを持っているので、そういうのは全部見てます。

──彼はそういうことについては何も制限はしない?

ア 好きねえ、って言うくらいで。私もさらけ出してないです。ポスターとかあるんですけど、見えないところにこっそり飾ってるんです。

──(笑) 

(終わり)

彼、どうしているんでしょう?いつかあこさんと彼が街でばったり会って、お茶を飲んでいる姿を想像しました。また新しい関係でお付き合いできそうで、勝手ながら、笑顔の二人が浮かびました。
そしてつらいときの現実逃避、大事ですよね。。エンタメよ今夜もありがとう…!

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