第3回 友人インタビュー「“人付き合い”について、超個人的所感を聞く」
(Cさん 2020年2月下旬)
インタビュアー田中が、公募インタビューとは別に、友人にインタビューするシリーズの第3回。
社会人として軽やかに人とコミュニケーションをとられているように見える友人Cさん(仮名)に、「人付き合いについて」というテーマを投げかけ、お話を聞かせていただきました。
※インタビュアー田中の発言の前には──が付いています。
付いていない発言はCさんの発言です。
人見知りではある
──今日はCさんの人付き合いのしかたや考え方について伺います。
まず、人付き合いは得意でしょうか、苦手でしょうか?
人見知りはするんですけど、それを克服する外面(そとづら)は身についていると思います。日々、笑顔でいたら自然と身についてしまったような気がします。
人に接する時、緊張まではしないです。でもよく「人が好きです」って人いるけど、あの発言、僕にはできないですね。仕事で僕もインタビューしますけど、依頼がなかったらしないですしね。一度この人に会ってみたいというくらい興味があったらしますけど、自分からはないですね。
ひとりでいることは嫌いじゃないです。
友達は、不思議なことに、仲良くなるのはだいたい3人組でしたね。小学生の頃、中学になっても3人組。今も元の職場の同期と3人組での付き合いがあります。
──お友達を作る時に苦労はしないですか?
部活やサークルや勉強会、そこで会った人が友達で、友達を作るのは意識したことないですね。その時々で、この人が友達かな、というような感じです。
──今、お友達付き合いってどんな感じですか?
段々、純粋な友達っていなくなってきましたね(笑)。
大人になったら、クラスが一緒なだけの友達ってどんどんなくなるじゃないですか。社会人になってから出会う人は、何か仕事してみましょうよ、という話になって、だいたい仕事が絡んじゃうんですよねー。
唯一、近所のカフェバーみたいな飲み屋さんでよく会う人と仲良くなったのはあるかな。それも3人組です。
──そこは仕事は絡まなかったんですね。
出会った段階では仕事で絡んでなかったけど、そのあと依頼しちゃいました(笑)。でも「よく会いますねえ」で始まってるのはそれぐらいかな。
他には、昔の同期。昔いた会社の、僕とあと2人。みんな転職しちゃったけど、業界は同じでも分野がまるで違うので、話をしても重ならないから、安心して喋れる。その2人は、会いますね。
やめた会社とは仕事をしないと決めていた
退職して会社を作ってから、実は元の職場の集まりには一切行かなかったんです。ほんとは僕、仕事の話が大好きなんですけど、会社をやめた当時、僕の立場って、仕事をもらう側じゃないですか。だから、飲み会に行って仕事の話をして、仕事欲しいんですかみたいな雰囲気が流れるのが嫌で。失礼なことをちょっとでも言ってきそうな人に会うのが嫌だったし。
──失礼なこと?
「何かあったら一回挨拶に来てくださいよ」「一度名刺持ってきてくれたらいいのにー」みたいな、そういう失礼なこと。でもそういうことを言った人は、聞くところによると、そのあと転落の人生を送っているようです。
──(笑)
その人も転職したんだけど、どんどん転落しているらしい。ノリで誤魔化せなくなるので、一事が万事で、そういう態度が細かいところで出ているんだろうなーと。
僕はもうやめた会社とは仕事しないって決めてたんで。会社員時代に、やめてから仕事取りに来てる人を見て、ずるいなって思ってたんです。あの人また仕事取りに来てるんだったらやめなきゃよかったじゃん、って。僕もこわごわと独立しましたけど。
同期たちには、お前は本当に集まりに来ないなって言われました。でも一回、長いこと海外赴任になる同期の壮行会と聞いて、さすがに行ったんです。でも本当は海外に数週間行っただけで、しかも帰ってきたところだったんです。騙したなーって(笑)。騙してない、お前が勝手に勘違いしたんだ。人が20年赴任にならないとお前は飲み会に来ないのかって言われましたけど(笑)。
でもそれで一回会うと楽になって、僕から声をかけるようになりました。あ、でも、その久々の飲み会には大勢いたけど、その後も会っているのはその同期の3人だけですね。その3人の中で、僕が幹事やってます。
会わない方が大事にできる場合もある
──同期3人組はCさんが幹事で、それはCさんが会いたいなっていうタイミングで声かけるんですか?それとも年末年始とかのタイミング?
そう、なんか幹事グセがついてる。年末どうですかって言われた時、しまった人に言わせてしまった、俺の役割なのにって思った。でも別に、関係ないじゃん?(笑)
──友達ですもんねえ。
俺がやる必要ないじゃん(笑)。でもなんか病気みたいに、先に言わなきゃいけないのに、言われてしまった、みたいな。
──なんですかその義務感は。(笑)
なんだろう。幹事やりすぎ?
──全然負担じゃないんですか、幹事?
いや、負担じゃないけど、自分の時間と人の時間を合わせて、お店を決めてと、ある程度作業量はありますけどね。だから、相手を選びたいんですね。
気を休めるために飲むのに、気が休まらないとつまんないし。前は仲よかったけど、話すことで前よりこの人のことをあんまり…って思っちゃったら、会わないほうがいいじゃないですか。
そういうことありません?
──あります!(笑)
よくある学生時代の友達は永遠、みたいな話。あれほんとは嘘で、いい時で止めたらいい。
いい時で止めれば、いつかみんなまた同じようになった時に面白いけど、冷めた状態とかずれた状態とかで会うと、なんかあの人ダメになっちゃったなとか、すべったな今日俺、みたいになったり。嫌じゃないですか。
僕も最近までわかってなかったんですけど、ある人に聞いたんです。さらっと言われましたね、「そんなの会わない方がいいですよ〜」って。
僕のところに子供が生まれた時、お祝いしよう、飲み会やろうかって話にLINEでなったけど、メンバーに女性もいっぱいいるグループで、その時点でなんかもう説教っぽかったんですよ。「おむつ替えたぐらいで家事だと思うなよ」みたいな話になったりして。
そういう日常から抜けて酒を飲むのに、なんでこっちが怒られなきゃいけないんだ、多分そういう説教される2時間になるんだろうなと思って、開催しない、と黙って決めました。
20年ずっと僕が幹事なんで。わざわざやめます、って言わないで、ただ仕切らないだけ。本当にしたければ誰かがやるでしょう。大人なんだから。
でもそれに気付くのは難しかったです、昔からの友人は大事にするもんだっていう固定観念がありましたね。でも、会わないことの方が大事にしてることになる場合があるなと。このグループのみんなには、孫ができたときに会っても大丈夫な気がします。
おこがましいかもしれないが
──Cさんが幹事をやるグループを、飲み会を開催するしないは別として、いくつも抱えてるんですね。
待ってるより僕がやった方が早いから、ですね。
──開催する時は人に会いたい、話したいと思ったりして、やるんですか?
超おこがましい話、喜ぶんじゃないかなと思うんです。
──参加するみなさんが?
うーん、一人でも。例えば、この飲み会を開催したら、〇〇さんが普段の仕事で会うこともない△△さんに会えるな。そしたら〇〇さん、喜ぶんじゃないかなと僕は思うんですよ。そしたら割と達成してます。
もちろん僕も会いたい人がいてやるんですけど、僕だけが会いたくて集まろうぜーって言うと、僕が呼んだから来たとか、僕が年上だから来た、ってことになりかねないけど、この人とこの人は仲いい、この人とこの人は久々に会いたいって言ってたなあって。
この前、僕の師匠みたいな人が「□□に会いたい」って言ってたんですよ。師匠を、僕らの立場から喜ばせるって難しいけど、僕が付き合いのある□□さんとの会をセッティングしたら、師匠、きっと喜ぶんで。
人付き合いについて考えた時、相手を喜ばせる、っていうのはちょっといいなと思ってます…でもそれは万人を幸せにしたいとかじゃないんですよ。具体的だからやりやすい。
はっきり伝わる言い方を考える
──Cさん、穏やかなイメージですが、ご自身がストレスのたまらない状態というのは、口調など優しめの感じなのでしょうか?
口調はこんなもんですよ。だけど、例えば仕事の人に対しては、口調はこのままだけど本音で言いますね。仕事だから。
取引先の会社に行って、(プロモーションの企画など)こういうことをやりたいと言われた時、誰かが一生懸命考えたことかも知れないんで、ダメ、とは言わないです。「2020年の〜月においては効かないものかも知れないんで、できれば直したいですね」と言ったり。
向こうがほめてもらいたいムードを出す時もあるんですけど、そこで遠慮しちゃったら(コンサルでもある)僕がいる意味がないので、口調はこのままですけど、率直に言います。簡単にほめない。
「全員がCさんがうんと言えば終わる、と思われてますよね、でも言えないです、ごめんなさい」と言います。そこは本音だから、ストレスはないかもしれないです。大きな会社のすごく偉い人はそういうのに慣れてないから、それはやりづらいですけどね。
──でも迷わず、言わなければならないことは言うんですね?
言葉は選んでるんで…迷ってますね。どう思いますか?と聞かれて「ダメだと思います。」とははっきりとは言えない。何て言えばダメって伝わるかなーって考えます。「作った当時は良かったと思いますが」とか。あとは逃げで、「こういうことを言わせるために外部から僕を呼んだんですよね。」って言いますね。
無邪気におーい、ってできない
──たくさん人に会っていても、今でも人見知りではある?
例えばパーティーみたいなところに行って、あー久しぶりですねえ!とかって、本当にそう思ってる人じゃないと言えない。そんな感じですね(笑)。
ちなみにそこに今●●さん(業界の有名クリエイターでCさんの知り合い)、いたんですよ。
──えっ。
この喫茶店でよく会うんですけど、でも、仕事のために来てるから、お互い気付いてるんだろうなと思うんですけど、二人ともそういう時に気軽に「ああ!」ってやらないタイプ。前に一回やったら、お互いそういうのに慣れてないから、「ああ…どもども…」みたいになって(笑)、やっぱり上手にできる人がやることですね。
かと思えば、街中で僕を見つけて、信号待ちのタクシーの窓開けて、「おーーい」とか無邪気にやってくれる人もいる。僕もそういう人種になりたかった、とか思う(笑)。僕は多分、逆にその相手を見つけても、大きな声を出して「おーーい」ってできないんじゃないかなあ…という意味で人見知りかと。人嫌いではないんですけどね。
思い出したら電話をすると決めている。
僕、すぐ下の兄弟は7つ下で、生まれた時はこっちはもう小学生だし、あっちは赤ちゃんだから、兄弟喧嘩をするでもなく、かわいがる側でしたね。そうすると、長男でなくてはいけないぞ、って感じの人格がそこでできる。見といてね、見ときます、みたいな。
すると、嫌なことも嫌がっちゃいけないように思う、人格にそういう影響があったかなと思います。
──今でもご兄弟と会いますか?
正月、盆、一家が集まる時に。
──親御さんとはどうですか?
僕は、母親を大事にしろと言われてきたので、なので大事にするわけじゃないけど、ふと思いつくことあるじゃないですか、例えば店先のまんじゅうを見て、あ、このまんじゅう、お袋が好きだな、とか思った時に、いきなり電話するって決めてるんです。
──へえ!
まんじゅうは買わなくても、電話はする。1秒でも思い出した時に電話して、花粉症がひでえんだよ、なんて何でもない話をして、あ、以上です、って。時間があればまんじゅうを送りつけることもしますけど。ま、一個一個のアクションが重くなると面倒になるので、思い出したら電話する。そのときの楽さを優先して、無理にテーマを決めずに。それは、してますね。
毎日電話するとか決めると、義務化しちゃうし、僕はできないと思うんですよねー。
──それはいいですね。
かわいがられる性質について
──家を出て独立したのはいつですか?
えっと、二十歳ですかね。大学生の時。大学に入って、1年ちょっとは実家から通ってたんですけど。ギリギリ通えるんですよ、片道1時間40分。
──なかなかきついですね。
実家から通った方が、確かに、家賃払うよりは安いんですよ。
けど、まあ大学ですから、先輩を見つけて。大体九州の人ですけどね、一人暮らししてる率高いから(笑)。その先輩を実家に連れていくんです。こういう人と遊んでるんだなってわかると、親も安心するじゃないですか。そして、その先輩の家にちょくちょく寝泊りするようになって。楽ちんだし。
で、そのうち、一人暮らしを始めたんです。ドラマに出てきそうな和室で、トイレも和式。玄関はガラガラガラ〜って引き戸でした。風呂がないから、先輩んちに風呂入りに行きました。シャワー浴びさせてって。その先輩が都合よく寂しがりなもんで(笑)。
──そういう、かわいがられるのも得意?
どうだろう、かわいがってもらったとは思いますけど、かわいがられるの得意な人ってもっといませんか?僕得意かなあ…。
──懐に飛び込んでる感じがしますが。
あえて先輩に生意気な態度をとってみて、笑ってくれたら、そういう人は与し易い(くみしやすい)ですね(笑)。
──(笑)やってるじゃないですか。
「別におごってもらってもいいですけど、何おごりたいですか?」って言ったら「おめえ!」とか言う人はやりやすい(笑)
「〜に食いに行くか!」って言われて、「僕の舌に合うかなあ〜」って返すのを、笑ってくれる人。昔の会社の先輩で、唯一今でも会う人がそうですね。
昔部活の先輩が酔っ払った時に耳を引っ張って、「いい加減にしろ!〇〇!」って下の名前でつっこんでみた。そしたらすっごい喜んだ(笑)。「俺、酔っぱらうとCにここ引っ張られんの?」とかって。わからないもんです。
──確かに、そう遠慮なくやられるのって、実は嬉しかったりしますよね。Cさん、それを小生意気な後輩にされる側だったらどうですか?
生意気だけど、ちょっと頭がよくてセンスがいい、っていう後輩が大学にいて、クリエイティブの勉強をしていた頃、彼に作品を送って見てもらってたんですよ。最初はよくわからないなりにこれはいい、これはいまいち、とかやってくれてたけど、しばらくすると「そろそろ絞ってくれません?忙しいんで」みたいなこと言われて。そういうとこなんだよ、俺がこいつになんか惹かれるのは、って思った。
さらに送り続けたら、「おかしいな、Cさん、もうそろそろ有名になってもいい頃なのに、俺の間違いでしたか。俺、まだ世の中で〜〜さん(レジェンドクラスの有名クリエイター)しか知りませんよ」とグイグイ言ってくるんですよ。
けど、「いつかニューヨークでの授賞式に僕が行って、マンハッタンの気取ったところでお前と乾杯するよ」って言ったら、「ああ、Cさん、そういうチャラいとこですよね〜」って言われたけど、僕、本当にそれを実現したんですよ。その時彼はアメリカに自分の仕事で行ってたけど、ニューヨークまで来てくれて、飲んだ。その時はね、「アメリカって行っても、東京〜九州くらい離れてますから!」って言ってました。「俺、飛行機乗ってるんで!」って。「まあでも頑張ってるんじゃないですか、Cさん」とか言ってた(笑)。
そんなふうに言われるの全然嫌じゃない(笑)。
かっこつけマン。しゃべりは内容で勝負
──自分が人からどう見られてるのか、気にしますか?
例えば、さっきここに知り合いが通った時、絶対僕のこと気付いてるだろうなと思って、その時僕はジョークを振ったりして、この場をちょっと明るい感じにして、よく見せました。そういうコスいことをしてますね。
まあよく見せたいんでしょうね。かっこつけマンてよく言われまますし。
あと、僕の偏った好みを一般論みたいに言ってしまって、つっこまれたりしますね。「C君っぽいなあ〜」とか。言われるのはちょっと面白いですけど。
最近やってるVR会議でアバターを設定した時も「Cはつまらん」って言われましたよ。「いくらでも選べるのに、普段と変わらんやん、何でちょっとよく見せてんの。もっとブサイクにしろ」って言われて、勝手に変えられました。変な太った海賊に(笑)。
──思うことを人にしゃべるのは苦じゃないですか?
しゃべるテクニックを身につけに、NHKのアナウンサー講座に行ったんですよ。
──アナウンサー講座!?
本業とは別で講座の講師を始めるにあたって、ビデオに撮られた自分を見たら、めちゃくちゃ自分の話し方が嫌で。
2年前くらいですね。講師として、バシッと上手くなるために行ったんですけど、ダメでしたね。僕のこの声とスピードって、ちょっと独特ですよねえ?ニュースキャスターのテンポが普通だとしたら、ゆるいと言いますか。それに気付いた時、超ショックだったんですよ。話し方講座、NHK以外にも行ったことあるけど、客観的にはもう話し方は諦めているところがありますね。だから内容で勝負するしかない。
さらけださない。踏み込まれるのはOK
──自分の心の中をさらけだすのはあまりしないタイプですか?
家族には出していいのかな、と思ってましたけど。違ってましたね。僕が出すとなると甘えが出たり緩めているっていうことになり、自分の場合、むしろ、胸を張って、任しとけ、みたいにしといた方が家庭が円滑に回る気がします。普段、仕事の何々が大変なんだよ、みたいな話は家族にしないですね。
家族に当たったりもしないですね。うまくいかないことがあっても、うまくいかないことの中にしか解決はないので、家庭でどうにかなるものではないんですよね。仕事の問題は仕事で解決するしかない。
あと昔から話をちゃんと誰かに聞いてもらっていた人は、そういうことも上達する気がするんですけど、やってないから、どこの部分をどう話していいかわからないっていう。相談のしかたがよくわからないんですよね。
──逆に人に踏み込まれるのは?
一緒にいる人がたまに僕のこと「こういうやつだから!」って言ってくれるじゃないですか。それって、踏み込んでくれてるわけだから、僕のことを知れて、うれしいですよ。
「いっつもそのパターンじゃーん」「こういう時お前はこうするよな」って、いわゆるお見通しトークをされた時に、俺ってそうなんですか?って、それは楽しいですね。そういうとこ昔からそうですよ、みたいなこと言われることは全然嫌じゃないですね。
そこにいる僕が悪い
──お話聞いてる感じだと、滅多に人と喧嘩にならなさそうですね。
ならないです。
──人間関係で嫌な思いしたことありますか?
失礼なことを言われて、嫌な思いをしたことはありますね。
結婚パーティーに招待されて行ったら、当時同じ会社のある人が僕に「女あさりにきたんだろう」って言ったんですよ。そういうきれいな場なのに、そんな発言。あー…って思って、新郎新婦の控え室に行って、どうしてもやむを得ない事情がありますので、って言って帰りました。
──ええー!すっごく腹が立ったんですね。
僕にもそうだし、その場を汚したし。
元々そういう人間のいるような会社ではあったんです。その雰囲気を笑いとする、ってことじゃないですか。いまだにそういう人たちは、よくない空気を吸って生きてるって聞きました。どんどん良くない太り方をしてきてるって。
その時は怒ったかな。
──直接、「それはないでしょう」などとは言わず、帰ったんですか?
「フーーーー…」つって立って、荷物持って。「どこ行くんだあ〜?」って声が聞こえましたが。もう、一生の縁を切ろう。と。
──それまでにも積み重なったものがあって?
いや、それ1つでもう十分ですね。
その層にいる僕が悪いって思うんですね。もしも、嫌なことが起きた時、僕が思うのは、そういう人たちが入れるレベルの会社にいた僕が悪いんです。電車で体当たりされたら、電車で移動してる俺が悪い、と。運転手がいる車で行けばこんな目に遭わないのに。
──(笑)
そうやって収めるんです。ふう〜って。というわけで喧嘩にはあまりならないですね。
子どもに言うとしたら。
──お子さんが将来的に人間関係に行き詰まったり悩んだりしたら、言ってあげたいことはありますか?
「謝って逃げろ」って思いますね。頑張らなくていいと思うんですよね。
謝ることがなければ、謝らなくていいんですけど、ちょこっと入ったり出たりじゃなくて、ちゃんとその場から背を向けて逃げていいじゃないかと、それは思いますね。これは頑張らないといけないやつ、と思うと追い詰められちゃうんで。そんな必要はない。
でも、僕は男性なんでシンプルな社会だけど、僕の子どもは女の子だから、女性の方はよくわからない。悩み方が違う気がします。男は本当に悩まないもんなあ。複雑なことがないんじゃないかな。
──学生時代もなかったですか?
嫌なやつがいるところに所属する、ってことはあるじゃないですか、何でも。それをグッと我慢して、それが行き過ぎるのを待つ。
だいたい将来的に、その時の、違和感を感じた人達って、ちゃんとそれなりの結果になりますよ。だから誰も教えてくれないんだなと思った。人を攻撃するような癖とか、よくないものを持ってる人たちに、ここよくないから直せって、大人になってからは誰も言ってくれない。
すると周りに人がいなくなり、わかりやすい人はパワハラで会社を辞めさせられたり。そっか、やっぱりあれはパワハラって呼んでよかったよね、って後から話を聞いて思った。
逃げたらいいと思う。逃げるというか、やめるというか。やめると自覚したら、何となくやめるじゃなくて、「うん、やめよう」と自分ではっきり決めればいいと思う。
(終わり)
読み返すと「因果応報」の四字が浮かびますね。
「会わない方が大事にできる場合もある」に共感するお年頃のインタビュアー田中でした。私もCさんに潔く見限られる可能性が…最近連絡ないなw
お読みいただきありがとうございました。
1週間に1回、何らかのインタビュー記事を掲載予定。次回もお楽しみに!
インタビューされたい方も随時募集しております。詳しくはこちら♪
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?