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「読む」だけじゃもったいない!レベル別リーディング教材をフル活用する方法

こんにちは、セルバンテス書店のスタッフCです。
今回はタイトル通り、レベル別リーディング教材を使った勉強について。英語だとペンギンリーダーズが有名でしょうか?スペイン語にもこのようなレベル別のリーディング教材ってとてもたくさんあるんです。
ということで、リーディング教材ってなんだ?普通の読み物とどう違うの?と思っている方に、ぜひリーディング教材がどんなもので、どのように活用できるか、また、「読む」だけでない使い方、1冊をフル活用するためには?を伝えられたらと思います。

ちなみに当店で扱うリーディング教材の一覧はこちら
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リーディング教材とは?


こちらはA1(初級)レベルのタイトル

リーディング教材とは簡単に言うと「学習進度に沿った語彙、文法レベルで読解可能な文章を教材にした読み物」です。「教材」ですので、各レベルは全てそのレベルの範囲内の単語や文法を使って構成され、ほとんどのタイトルに音声が付属しています。また、内容についての簡単なチェックテストが付いていて、練習問題も解くことができます。つまり、リーディング教材はただの読み物ではないのです。

たとえば、A2レベルのリーディング教材には、通常それ以上のレベルの難しい単語や文法は登場しません。と言いつつ、まれに文脈上どうしても他のレベルの語彙や表現が必要…という時や、シリーズや出版社によっては、A1なのに少しA2の文法事項が出てくる等もありますが、A2なのに完全にB1の内容だったとか、そのようなことは基本的にないかと思います。

ちなみにレベル分けですが、当店で扱う教材のほとんどがCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に準拠していて、A1~C2レベルに分けられています(DELEと同じレベル分けです)。

A1 (入門) /A2 (初級) /B1 (中級) /B2 (中上級) /C1 (上級) /C2 (最上級)

いきなりスペイン語で普通の新聞やニュース記事を読んでも難しくて理解できない、というのはある意味当然のこと。自分のレベルを完全に超えた範囲の言葉たちがたくさん出てきてしまいますよね。
そこで「自分のレベルに合った読み物でスペイン語の力を伸ばす」。これを助けてくれるのがリーディング教材です。自分のレベルに合ったものを選ぶのは、勉強のモチベーションにもつながったり、「読める!」、「わかる!」という達成感が味わえたり、結構大事だと思います。

こんな方へおすすめ


では次、リーディング教材はこんな方へおすすめです。
ちなみに基本的には独学用の教材なので自分一人で学習できます。

・自分のレベルに合った読み物を探している方
・「スペイン語で読む」という行為をDELE対策と結び付けたい方
・完全にDELE対策を前提として読み物を探している方

※ネイティブのこども向けに書かれた児童書で勉強することもできますが、「DELE対策」を重視するのであれば、各レベルに沿った内容に触れることができるリーディング教材がおすすめです。もちろん!DELE対策ではなく、「スペイン語の勉強のために何かお話を読んでみたい」という場合は、自分が読みたいものを読むのが一番です(当たり前か、笑)。

「読む」だけじゃもったいない!レベル別リーディング教材をフル活用する方法

では続いてリーディング教材の活用(勉強法)について。大きく分けて4つあります。

1.音声を活用する

Audio descargable のマークがひっそりと…

リーディング教材には、本文の内容を読み上げてくれる音声が付属していることが多いので、ぜひこの音声をうまく利用してみてください。

音声の活用例を簡単にまとめるとこんな感じです。
まずは音声を聞き流して、文章を目で追うことを3回ほどくり返します。次に文章をよく見ながら聞き取れていたかをチェック。そして最後は音読です。音声を真似して実際に自分の口からスペイン語として発してみます。音声のように発音するのは最初はなかなか大変ですが、音読(=自分で喋ってみる)って結構大事です。
ちなみにこの音声を聞き流すタイミングですが、本文を読み込む前にまずは流して聞いてみるのも良いと思いますし、一度単語などを調べながらしっかり本文を読み込んで、最後にこの音声を活用する方法のどちらもアリだと思います。

2.とにかくわからない言葉を調べて語彙を増やす

読んでいて意味の分からない単語、聞いていて聞き取れなかった単語は書き出して意味を調べます。ただ意味を調べるだけでなく、単語に続く前置詞や、同義語・反意語も書き出しておくと語彙が増えるのでおすすめです。

また、シリーズによっては文中に注釈があり(下の画像の黄色ラインの箇所)、本文の語を簡単なスペイン語で説明してくれているものもあります。これはスペイン語でスペイン語の意味を理解する練習になるので、個人的にはとても好きなポイントです。

出版社の公開する見本から抜き出しました(その1)

他には巻末に多言語(英・仏・独など)の語彙一覧がついているものもあります。スペイン語以外の言語がわかる方にとってはこれも役立ちそうです。ぜひ本文以外の付録にも注目して、自分に合った1冊を見つけてみてください!

3.登場人物の会話に注目して表現を学ぶ

リーディング教材の多くは、登場人物が出てくるお話です。会話に注目することで、言い回しや表現、実際に各単語が使われる場面を知ることができ、生きたスペイン語を学ぶことができます。(音声があれば聴くこともできるので、どう発音するかも確かめられますね。)

例えば下の画像は、とある果物屋での買い物の場面。青ラインの箇所を見ると…

出版社の公開する見本から抜き出しました(その2)

-(店員)梅が入ってるよ、持ってきなよ→ Llévese unas ciruelas,
-(客)そうね、じゃ500グラムくださいな→ Vale, póngame medio kilo de ciruelas.

果物屋での店員さんとの自然なやりとりがわかり、このような時の「〇〇をください」って、póngame と言えば良いのか、とも学べます。ちなみに póngame は命令形ですが、レベルで言うとA2から必要になる文法表現です。
DELE A2だと口頭試験の設問3がまさにこのような感じで、実際の場面を想定したシミュレーション会話を面接官と行います(設問2が写真描写の問題で、その写真と似た場面のシミュレーションをします)。

あとは、すでに知っている単語でも他の語との組み合わせで成句となり、違う意味になるものも学べます。また、「こういう時ってこういう言い方するんだ」とか、「この単語ってこういう文脈で使われるのか~」など、ただ知識として頭に貯めておくだけでなく、実際に自分が使う立場になった時(DELEや旅行など)もイメージできるような勉強ができます。

4.本文を書き写してスペイン語を書くことに慣れる

書く!書く!書ーく!ということで、これはいわゆる写経というやつでしょうか。1冊の小説を書き写すのは大変でも、リーディング教材なら短いお話なので写経がしやすいです。また、スペイン語のスペリングやアクセントの有無など、読んでるだけでは頭に入りづらいものも、実際に自分で手を動かして書くことで自分のものにすることができます。
私は自分は「書いてこそ覚えるタイプ」の人間説があるので、けっこう書き写したりするタイプです。

どのレベルを選べば良いの?


レベルはひっそりと表紙に明記されています

最後に、どのレベルを選べば良いの?について。大前提として自分が興味のある、読みたいと思うお話を選ぶというのもありますが、ここではレベルに注目した場合の選び方の例をご紹介します。

1.DELE対策として読む場合

当たり前じゃん、と思うかもですが、DELE対策として読む場合は自分の受ける予定のレベルの1冊を選ぶのが良いです。A2を受けるならA2と書いてあるタイトルを選びます。そのレベルに必要な語彙や表現などを押さえられますし、仮に1つ上のレベルの内容が少し混ざっていても予習ということで…

2.DELE対策が目的ではない場合

この場合は好きなレベルを読めば良いというのが極論ですが、おすすめは一度すでに学習したレベルを読む、つまり、今の自分のレベルの1つ下のレベルから読んでみることです。
そうすることで無理なく読み進めることができますし、知らなかった表現や語彙を回収することができるのでレベルの地固めに使えます。

おわりに

以上、レベル別リーディング教材の活用でした。少しでも参考になれば嬉しいです。ではまた!


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