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採用がうまくいかない!?4つの落とし穴とは?

経験者採用において、応募者が集まらない、求める人材に出会えないといった声を多くの企業で伺います。

応募者の量・質ともに不足し、採用計画が未達成となってしまうことも多く、事業推進において支障をきたし頭を抱える人事の方々、経営者の方々も多いと思います。

そこで今回は、私がこれまで見てきた採用現場でおきていた課題をまとめて、採用において陥りやすい4つの大きな課題としてまとめてみました。

自社ではどのようなところに課題があるのかを整理する一助になれば幸いです。

執筆者プロフィール

InterRace株式会社VPoS(Vice President of Solutions)
木津和 弘祐

2007年リクルート入社。新卒・中途向けメディア、人材斡旋、RPO事業、事業開発に従事し、マネジメント(課長・部長)、プロフェッショナル職を経験。RPO事業を立ち上げ期より参画し、HR領域の戦略フェーズから母集団形成、選考オペレーションまでのプロジェクトマネジメント、プロジェクトリーダー、コンサルティングを経験。HR領域にて延べ3000社以上の支援を行ってきた実績を持ち、世の中に存在するHRサービスに広い知見と人脈を持つ。2022年にInterRace株式会社に参画。株式会社KITSUWAの代表取締役としても活動。


1.需給バランスを無視した採用になっていないか?

1つ目は需給バランスについてです。

自社を取り巻く事業環境も目まぐるしく変化しやすい昨今ですが、採用マーケットも同様に非常に変化が激しく、需給バランスも常に変化しています。

簡単に言えば、このバランスをきちんと捉え、適切に対処していくことが重要です。

ここでチェックしてみてほしい観点があります。自社の採用で下記のようなケースに当てはまっていないでしょうか?

  • 要員計画は各部門・部署で必要な人員のみを集計している

  • 各部署・部門から求める人材のみの要望が上がり、そのままHPやエージェントに求人を出している

  • 求める人材のMUST要件、WANT要件の整理がなく、求人票を作成している

  • 求人票は1度出したら出しっぱなし。結果、求人票が増殖、重複求人も多い

いかがでしょうか?1つでも当てはまる場合は、需給のバランスを欠いた採用活動になっており、結果的に採用がうまくいっていない可能性があります。

本来であれば、採りたい、だけではなく、採れるかどうかを鑑みた上で要員計画を立てる必要があります。

そのためには採用マーケットを見て、ターゲットの採用可能性をきちんと把握する必要があります。

理想を言えば、事業計画と紐づく要員計画の時点でこれを実施できると、採用未達で事業計画未達、のような状況を防ぎやすくなります。

また、求人票もあげっぱなしではなく応募状況を見て適宜修正を加えたり、場合によっては取り下げるなどのPDCAを定期的に回して、いわばお掃除をしていく必要があります。

手間がかかることではありますが、この一手間が採用成功には非常に重要です。

2.部門最適による機会損失がないか?

2つ目は部門最適の弊害についてです。

経験者採用においては、各部門・部署が要員計画を立て、部門・部署ごとに選考を行うやり方を採っている会社も多いと思います。

経験者の見極めにおいて、人事だけで完結せず実際の部門・部署の方々が選考を行ない、実務や任せたい業務やポジションの詳細を検討することは極めて大切なため、その意味では上記のやり方は正しいと言えます。

しかし部門最適を推進しすぎるあまり、会社全体としては機会損失を生んでしまっているということもあり、これは実際に現場で起きている課題です。

例えば、以下のような観点で自社の採用をチェックしてみてください。

  • 部門を超えたコミュニケーションがない

  • ある部署で採用に至らなかった応募者を、他の部署で検討する仕組みがない

  • 求める人材が近しい部門・部署が複数存在しており、各々が人事やエージェントに単独で依頼してしまっている

  • 人事が全部門・部署の求人及び求める人材を一元化できておらず、応募者起点で、どの部署・部門の求人に該当するのかが把握できていない

当てはまるものがあったでしょうか?

もし自社の採用で上記のような事象が起きているのであれば、会社全体として機会損失を生んでいる可能性が高いと言えます。

優秀な人材は限られていることを考えると、部門間で重複求人を出して食い合いをしていることや、特定の部門に応募があった優秀人材を他部署に差配しないことは、大きな機会損失につながります。

また、人事の皆様だけでなくエージェントの工数も増加しやすくなり、非効率によるエージェント側の意欲低下も生まれやすくなってしまいます。当然これも機会損失につながります。

本来であれば、部門に任せながらも人事が一元管理することや、部門と連携した求人票の整理、応募者を別の求人に差配できるようにするべく、業務プロセスを整備して、運用フローをしっかりと回していくことが大切になります。

3.採用チャネルからの信頼低下


3つ目は採用チャネルからの信頼低下です。

転職エージェントやスカウトサービス、転職サイトなど、数多くの採用チャネルが乱立し数多くのチャネルを使用している企業も多いと思います。

こうした各採用チャネルとのコミュニケーションをしっかりと取ることは、応募数の増加だけでなく応募者の質向上にもつながります。

一方でコミュニケーションが取れない、きちんと情報を伝えられていないという状況に陥る企業も決して少なくありません。

例えば、自社の採用について以下をチェックしてみてください。

  • 部門、部署ごとに選考フローや確認事項が分かれており、書類選考や面接などの社内での選考業務に多くの時間が割かれてしまっている

  • 採用チームの体制や採用管理システムが脆弱で、日程調整や応募者への合否連絡などのオペレーション業務にほとんどの時間を取られてしまっている

  • チャネル担当者と定期的に接点をもっていない。そもそもとる必要があると思っていなかった

上記のような事象は実際に多くの企業で起きてしまっています。

採用を増やしたいがために採用チャネルを増やし過ぎてしまい、一方でシステムや体制が追いつかず、チャネルマネジメントができていない企業は年々増加しているように感じます

しっかりとモニタリングを回してチャネルを取捨選択をすること、選考フローや採用管理システムを見直し整流化すること、採用体制の強化などが対策として挙げられます。

4.伝えるべき魅力が伝えられていない

4つ目は、伝えるべき魅力が伝えられていない、という課題についてです。

灯台下暗しとはよく言ったもので、自社のことを一番よく知らないのは自社、だったりすることも多いのではないでしょうか?

こういう人が欲しいと求める人物の要件やレベルは言語化できるのですが、そのような方が自社に興味を持っていただくにはどのような自社の魅力をお伝えすればよいのか、となると途端に言語化できなくなる企業は非常に多いのです。

例えば、以下のような状況が発生していないでしょうか?

  • 面接官や現場の方々との求人のすり合わせが不十分だと感じる

  • すり合わせの際は、求めるレベルのみで魅力の言語化ができていない

  • HPやエージェントへの求人票の記載で、自社の魅力や特徴が職種やポジションに関係なく同一の内容になってしまっている

上記のような事象に思い当たる節があれば、改善が必要です。

マーケティングであれば当たり前に語られるように、他社との比較や採用マーケットにおける転職検討層の傾向などを踏まえた自社の魅力の抽出・言語化は非常に重要です。

しかし難易度も高いため、採用チャネルの担当者との定期的なコミュニケーションや、RPO・採用支援会社など外部をうまく取り入れることも、お勧めです。

5.さいごに

今回は経験者採用において陥りやすい4大課題をまとめさせていただきました。

自社で1つでも思い当たるものがあれば、その課題を深掘りし、改善に向けたアクションをぜひとっていただければと思います。

なお、私の所属するInterRace株式会社では、採用の課題抽出から採用戦略・戦術設計、運用・稼働までトータルでのご支援を行っております。

一気通貫でのご支援、パーツごとのご支援、プロのリクルーターを派遣するようなご支援、あるいは正社員のプロ人事をご紹介するようなご支援など、お客様の課題に沿ったご提案をフレキシブルに行い、お客様の採用成功に日々伴走しております。

ディスカッションだけでも歓迎しておりますので、気になることがあれば、お気軽にご相談いただければ幸いです。情報交換も歓迎です。

それでは、最後までお読み頂きありがとうございました。


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