【中国語講座】“零”の不思議
実はつい最近不思議な体験をしました。中国語の数字の読み方についてです。
中国語は1から99までの整数は日本語と同じように漢字を並べて中国語の発音で読めばいいので問題は起こりませんよね。
3桁以上の整数は、日本語と違う読み方が増えていくのでちょっと注意が必要です。
中でも不思議な動きをするのが“零líng”ですね。
桁が飛ぶ時、この“零”が大活躍します。例えば「101」は、日本語だと「百一」ですが、このまま中国語の発音で「băi yī」と読んでも通じませんよね。
一百零一
yìbăi líng yī
このように言わなければいけません。これはご存知ですよね?
また、桁が2つ以上飛んでも“零”は1回でOKです。例えば「2008」は“两千零零八”ではなく:
两千零八
liăngqiān líng bā
というのでした。この辺は僕もよく分かっており、よく授業でも解説する内容です。
ただ、“万”の上の桁は“万”の前に“十”がくっついて“十万”となるのでので、たとえば「108000」だと、1万の位が「0」なので桁が飛んでいるように見えますが“十万八千shíwàn bāqiān”でいいですね。“零líng”は必要ありません。ここまでは僕も理解できます。
ところが、次の数字はなんと読むと思いますか?
1008000(日本語:百万八千)
僕は普通に“一百万八千yìbăiwàn bāqiān”と読めばいいと思っていました。上三桁の「100万」と下4桁の「8000(八千)」との間で桁が飛んでいないと思うからです。それなのに、ある中国人アナウンサーがこんなふうに読んでいました。
一百万零八千
yìbăiwàn líng bāqiān
これは不思議ですね~。そのアナウンサーに直接尋ねてみたのですが、本当に正式な読み方かどうかと聞かれると自信はないものの、ふつうは“零”が必要だと思う、とのことでした。不思議ですよねぇ。。。
そこでふと思い出したことがあります。「1年と3か月」というような言い方の話です。中国語ではこんな風に言うのが普通だと思います。
一年零三个月
yìnián líng sānge yuè
この“零”は理解できます。月が2桁でないから、10の位が飛んでいるということで“零”が入るのですね。でも「1年と10か月」はどう読みますか?
僕は当然ながら“一年十个月yìnián shíge yuè”と言うと思っていたのですが、実際にはこうでした:
一年零十个月
yìnián líng shíge yuè
この“零”って、何なんでしょうね。不思議です~。というか、もう当然クリアできていると思い込んでいた数字の読み方も、まだまだ分かっていないことが潜んでいるんだなぁと、なんだかワクワクしてきました。もっと色々知りたいですね!
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