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演劇の指導者になったのは偶然の産物

市民ミュージカルとしての先駆け

私は1995年からずっと市民ミュージカルに携わってきました。市民ミュージカルを創作していると色んな出来事があります。その経験が今の私に通じているのは間違いのない事実です。

この事業はプロの劇団の演出家や役者を招き、公募で集まった市民が一緒に舞台を創り上げるものです。
最近はあちこちにこのような取り組みがみられ、アマチュアの劇団とは異なる一つの文化事業として、市民ミュージカルはまさしく市民権を得ていると思います。
その先駆けとなった活動で当時は関係誌に紹介されていたような記憶にあります。

私自身は最初は一参加者として役者として参加していました。
三年目に制作から「もう経験者なんだから初心者の指導をしていきなさい。」と告げられました。

突然の指導者要請

とはいえ、特に演劇養成所で勉強したわけでもなく、年に1回プロの方と一緒に芝居を作っていただけで、指導者としてのスキルは当然ありませんでした。それにキャストとして参加はしていましたが、いわゆる脇役でしたので、がっつりと演技指導を受けていたわけでもなく、ノウハウなんてあるわけもない

当初は制作陣と随分やりあいました。
「私は参加費を払ってこの事業に参加しているのに、何故指導する役割を課せられるのか?」
「そのような役目を要望するなら、そのスキルを得られるような役柄にキャスチングしてくれたらいいじゃないか。」

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参加者が30~40人居たので現場を回す人が必要だったのは確かです。しかし、それは演出助手の仕事で役者がやることじゃないのです。
でも、大抵制作陣は権力を持っているので、そんな一役者の要望なんて聞いてくれるわけもありません。

仕方なくどうやったらその要望に応えられるか模索が始まりました。
しかしこれは、元来の世話好き、目上の人からの言われたことは遂行しなければという気質も関係していたように、今となったら思います。
同じように言われていたけど、そんなの嫌だねってことでやらなかった人もいましたから。

機会の少ない田舎の片隅で

地元は東京や名古屋から高速で2時間半から3時間くらいの距離にあります。新幹線が通っているわけでもなく、直通の特急が走っているわけでもない、地方都市とも言えない片田舎です。

つまり、演劇の技法を個人的に習得するための選択肢が少ない・・・、いや皆無です。

今年はコロナ禍で随分オンラインが浸透しました。今なら地元に居ながら技術習得も可能かもしれません。しかし当時はまだ携帯だってなかった、ポケベル時代です。インターネットなんて全然普及しておらず、windows95が出始めたくらいでした。

しかも私は研究所勤めで土日出勤や深夜残業もやっていたので、定期的なレッスンや長期の講習に参加するのは難しかったのです。

幸い、なのか制作陣の戦略なのか、年1回は市民ミュージカルの稽古と別に、地元にプロの講師を招いて短期WSが開催されたので、貪るようにそれを吸収しました。そして、仲間たちと市民ミュージカルとは別に、1998年から年に1回舞台公演を敢行し、経験値を上げていったのです。

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広く深く積み重なっていくスキル

プロの力を借りずに自分たちで舞台を創作するのは凄く勉強になりました。
上演台本の選定、上演権の確保、時には脚本の執筆。
キャスティングと演技指導。
舞台装置の構想、舞台図の作成、舞台装置の製作。
小道具や衣装、照明や音響など裏方作業の一切。
興業のためのマーケティング、予算立て、広報、集客、当日の観客の仕切り。
舞台仕込み、バラシ。

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そういった事を繰り返しているうちに、プロの方の演出助手として皆を指導したり、舞台監督として舞台を仕切ったりと舞台製作の要を担うことが出来るようになりました。

役者としての己自身

一方で役者としては、いわゆる主役級の役、スポットライトを浴びるような役はなかなか獲得できませんでした。
しかし、群雄割拠しているその状態が自分の分析に繋がりました。

なぜ今回初出演の彼女があの役なんだ?なぜ後輩の彼女があの役なんだ?なぜ自分は選ばれないんだ?

自分の特性は何だ?自分はどんなことをすれば観客の心に残るのだ?自分はどうすればこの作品に無くてはならない役柄になるのだ?

最初は悔しくて悔しくて、打ち上げで泣き喚いたこともあります。狙っていた役を演じた女優に酔った勢いで詰め寄ったこともあります。演出家や制作陣に食い下がったこともあります。
でも、私自身が自分を理解して、作品の中で悪目立ちすることなく輝くことが必要なんです。
そこに辿り着くまでそれこそ自分の内面を掘って掘って、号泣してゲロ吐いて、自分をなじって、かさぶたをベリベリと剥がして、血だらけになりながら模索しました。

なんでそんなに茨の道をわざわざ歩くの?もっと安全な道があるじゃない。

もがき続けてアップアップしていた時に投げかけられた言葉です。でも私にはそんな道は見えなかったし、あるとも思えなかったのです。

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一つの転機

自分たちの劇団で公演を上演した時に、ある美術家から私が共同製作した小道具を凄く褒められました。個人的には大したことないと思って普通に製作したものでしたが、質感や色合いなどが良かったようです。
それがきっかけで市民ミュージカルでも役者をやりながら、小道具係として製作活動をすることになりました。

稽古場の隅に製作場を設え、稽古に参加しながら小道具を作り、出番になると出て行って演じて、また製作に戻る。そんな繰り返しをしていました。

これが功を奏しました。作品全体を俯瞰してみてどんな小道具がそこにあると役者がやり易いのか、作品全体に与える影響は?などと考えるうちに、自分の役も一歩離れて一つのピースとして作品全体に及ぼす影響を考えるきっかけになったのです。

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そこからはそれまで培ってきた知識や経験などを駆使して、役つくりをやっていきました。
時には強欲な主人公よりも卑劣で「ああはなるまい」と訴えかける人物になり、時には人間味あふれていたのに機械化され人間らしい心を失い主人公に人との繋がりを強く訴えかける人物となり、時には主人公が時間を忘れて魅惑の世界に没入してしまう愉快な人物になったり。
実に様々な人間を表出させ、舞台に息を吹き込み続けました。

あなたが出るだけでそのシーンの人物たちが急に生き生きと動き出す。

そんな嬉しいコメントも頂戴しました。

今、そしてこれから出来る事

今、演劇を取り巻く環境は厳しいです。どうしても密に関係性を創り上げなくてはならない状況ですから、コロナと共存するにはいろんな工夫が必要です。
しかし、私には演劇は絶対に必要なものなのです。
そのことについてはこちらの記事で熱く書きました。

私は演劇に救われたし、あなたが演劇で得られるものは必ずあると信じています。だから、演劇技法を使って自己発見や自己受容、コミュニケーション向上などに繋がるオンラインWSを始めることにしたのです。

私が提供したいのは、安全な環境下で自分を解放して自己を発見し、自分で自分を磨くことが出来る状況です。

だから、どうか安心して自らを発掘して味わってほしい。そして、恐れずに変容してほしい。あなたはあなたの原石を宝石に出来る。

これが今、そしてこれから私が出来る事なのだと信じて突き進んでいます。

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”演劇の技で自分らしく楽々と人生を生きる” ライブインタラクション®コーチの斧研雅子です。”あなたの魅力を発掘”&”あなたの感性を研ぐ”そんなサポートをします!
プロフィールです(https://note.com/interaction_0369/n/n9a707527a475
ライブインタラクションはコミュニケーション技法、自己実現技法です。
芝居という私の大好きなアイテムを使って、周りが幸せになれたらいい。そのためにコーチになりました。
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