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書評

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2020年3月の記事一覧

【読書】還暦クラス会

還暦と言うんだからちょうど私の年のころの人たちの話。
重松が浮かんでくるようなほっこりした感じ。
田舎から東京に出てサラリーマンがんばり,ついにある程度の会社の社長に上り詰めた主人公。
順風満帆かとおもいきや,一人娘がサーフィンの最中に事故で頭を打ち,すべての記憶を失ってしまう。
記憶ばかりか感情の起伏もなくなり,寝たきりではないがただ食べて寝るだけの…。
何とかリハビリで記憶を取り戻そうとするの

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【読書】死の淵を見た男 〜吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日(1)

今公開されているFukushima50の原作本。
映画を見てすぐに読んだが、この本と映画はマジに日本国民全員が見て読んでほしい。あと義務教育のどこかで必須教材にしてほしい。

知覧からの特攻隊や人間魚雷で犠牲になった人たちに対して、「あなたたちのおかげで今があります。ありがとうございます」的な感想をよく聞くが、あれは「国家による殺人」「無駄死に」であり、アレがなくても(無謀な突撃をしなくても)戦争

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【読書】死の淵を見た男 〜吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日②

この本読んで、いろいろ整理できたことがある。
まず、今回の福島原発事故の原因は、「電源が失われた事」に尽きる。
「停める」「冷やす」「閉じ込める」が非常事態の原発の鉄則なわけだが、その「冷やす」が出来なくなるわけだ。電源がないと。ただ東電も馬鹿じゃないので、ちゃんと停電の際のバックアップの自家発電機能は備えてあるわけだが、その自家発電の装置のある場所が「想定外の津波」で水没してしまい使えなくなった

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【読書】死の淵を見た男 〜吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日③

菅さんと同じく,班目さんもいろいろ避難をされたが,これも致し方ない…と言わざるを得ない。というのは,ほとんど情報が上がってきていない中で,たまたま上がってきた情報だけを材料に判断するわけで,そりゃあ無理というモノ。

例を挙げると,班目さんは,津波で自家発電機能が失われた…という事を聞いていないのだ。だから現場では必死に何とかして冷やそうとしているのに,そんなことやる前にもっと重要なことがあるだろ

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【読書】エアー2.0

【読書】エアー2.0

工事現場に住み込んで日雇い的に暮らしている主人公。たまたま同僚のおっさんが馬券を買ったまま辞め、その際に「もし当たったら換金してくれ」と言われ、当てにしたなかったら5千万くらい当たってしまい(笑)、しかもそれが正式な窓口ではなく暴力団が仕切るノミ屋から買ってたため、命がけで引き換え、逃げたところでそのおっさんと再会。

そのおっさんはホテルのスイートで優雅に暮らしているのだが何故工事現場で働いてい

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