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【内定者プロジェクト】生理の貧困とは?(生理の貧困対策支援PJ)

こんにちは。株式会社インソース 内定者のYです。

株式会社インソースでは、生理の貧困で苦しんでいる女性に生理用品を届けたい、という想いから2022年に「生理の貧困対策支援プロジェクト」を開始しました。

そこで前回の「生理って何がおこっているの?」に続けて、
本日は「生理の貧困」についてご紹介いたします。

1.生理の貧困とは、経済的な理由で生理用品を購入できないこと

皆さまは、「生理の貧困」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?「生理の貧困」とは経済的な理由で生理用品を十分に購入できないことを指します。

日本では「学生の5人に1人が生理用品の入手に苦労している」など、「生理の貧困」が広がっている実態を報道して以降、この問題は急速に注目を集めるようになりました。
 
この背景には、ネットを通じて女性たちの“声なき声”がシェアされるようになったこと、さらに、各国では女性議員の数が増えており、女性の視点を入れた法改正が進むようになったことなどがあります。
経済的な貧しさや格差の問題だけでなく、「女性全体にかかわる不平等」として捉えるべきだとの声もあがっており、男女問わずしっかりと向き合う必要がある問題となっています。
 

2.特に若い世代が生理の貧困の入手に困っている

実際、どのような人が生理の貧困に悩まされているのでしょうか?
 
厚生労働省の「生理の貧困が女性の心身の健康等に及ぼす影響に関する調査資料」※によると、

生理用品の購入や入手に苦労したことが「よくある」「ときどきある」のは回答者の8.1%であり、年代別にみると 30 歳未満、世帯年収別にみると 300 万円未満が多くなっています。特に18~19歳と20歳が多いことから特に学生が生理用品の入手に困っていると考えられます。

購入・入手に苦労した理由としては、
「自分の収入が少ないから(37.7%)」
「自分のために使えるお金が少ないから(28.7%)」
「その他のことにお金を使わなければいけないから(24.2%)」
などがあり、生理用品の購入にお金をあてることが難しいことがわかります。

生理用品の購入・入手に苦労したときの対処方法としては、
「生理用品を交換する頻度や回数を減らす(長時間利用する等) (50.0%)」
「トイレットペーパーやティッシュペーパー等で代用する(43.0%)」
「家族や同居者に生理用品をゆずってもらう(39.8%)」
「友達に生理用品をゆずってもらう(33.2%)」
が多く、不快感のあるまま生活を送ることになってしまい、健康への被害が懸念されます。

この調査結果より、生理の貧困は、特に若い世代で顕著であり、生理用品を購入できないことで健康被害を及ぼしていることがわかります。

3.生理にかかる費用は生涯50~80万円

ナプキンはそんなに高くないという印象をもっている方もいると思います。

私自身、大学生のときに寮生活をして生活費を自分で払うようになるまで、生理用品が高いという認識はありませんでした。お金に余裕がない時はいつも使っている生理用品より安いものを購入していることがあり、肌が荒れてしまったこともありました。

実際にかかる費用を見てみましょう。

実際にかかる費用を以下の条件で計算すると、1か月あたり約1,000円、生涯費用は50~80万円(インソース推定)と想定できます。
・生理期間が5日間
・2~3時間ごとに生理用品(ナプキン)を交換
・痛み止めを使用
 
他にも、生理用ショーツや人によっては生理痛の軽減のため低用量ピル、お腹を暖めるためのカイロを購入する必要があり、この費用が上記の金額に加わります。

このように、生理用品にかかる費用を生涯換算するとかなりの費用がかかってしまいます。
さらに、昨今はコロナによって収入が減ってしまった人も多く、生理用品にあてる費用を減らすしかない人もいます。

4.生理の貧困は多くの女性の健康や生活に影響を及ぼしている

生理の貧困は、身体的、精神的な影響も及ぼします。
具体的にはどのような影響があるのでしょうか?

厚生労働省の「生理の貧困が女性の心身の健康等に及ぼす影響に関する調査資料」※によると、

生理用品を購入・入手できないときに経験した症状や身体的な影響としては、「生理用品の長時間利用」や「トイレットペーパー、タオル等で代用」した際に、「かぶれ」「かゆみ」「おりものの量や色の異常」 「外陰部などの発赤、悪臭」などがあげられます。

精神的な健康状態については、生理用品の購入・入手に苦労したことが「よくある」「ときどきある」と回答した人は「あまりない」「一度もない」と回答した人に比べ、2倍以上も精神的な健康状態が悪い可能性があると示されました。

さらに、社会的生活においても影響があるようです。

厚生労働省の同調査資料※によると、
生理用品の購入に困難を感じたことがある、又はときどきあると答えた人への社会生活での影響としては、下記の3つが上位となっています。

プライベートのイベント、遊びの予定をあきらめる(40.1%)」
家事・育児・介護が手につかない(35.7%)」
学業や仕事に集中できない(34.1%)」

以上のように、生理の貧困は多くの女性の健康や生活に影響を及ぼしています。
この問題を決して他人事として片づけるのではなく、救うために何ができるのかを一人ひとりが考えることが大切なのです。

5.生理ってあたりまえのことなんです

女性にとって生理は毎月やってくる「あたりまえ」のものです
生理はこれまで述べたように「大変なもの」であると同時に、大切な身体の仕組みでもあります。

現在、生理の貧困を救うための取り組みが多く行われています。
例えば、学校や公共機関で生理用品を無料配布したり、商業施設のお手洗いの個室でナプキンの無料配布の機械を設置したりなど、生理の貧困に対する認識が広まりつつあります。

当社でも、この生理の貧困の課題解決を目指し、今年度より「生理の貧困対策支援プロジェクト」を開始しました。
このプロジェクトでは当社の取引先である民間企業や地方自治体取引先とのリレーションを活かし、生理用品の寄付にご賛同いただける企業のスポンサーを募り、全国の自治体や社会福祉協議会へ生理用品をご提供します。

より多くの女性が笑顔で過ごすことのできる未来がくるよう、当社でもプロジェクト推進に邁進してまいります!

※出典 厚生労働省 令和4年
「生理の貧困が女性の心身の健康等に及ぼす影響に関する調査資料」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000917682.pdf

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