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【歌評】国境のない時代 / 坂道AKB / 2018年 / 作詞:秋元康

──『同じもの全ていつでも見てるんだ 希望を持つか絶望するか
   世の中が変わりいつしか人が人を 愛せない日が来たら立ち上がろう
』──

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 『』の中が歌詞の引用部分になります。著作権違反にならないように慎重に記事を書いていきます。

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 自由に書こうと思う。
 初めはGReeeeNの「愛唄」を【歌評】で紹介しようと考えていた。しかし、昨今のウクライナ情勢、のみならずイラン・イラク情勢など、アメリカが他国不干渉主義を貫き始め、世界各地で紛争状態が過熱しようとしている、今の時代、まさに「国境のない時代」という歌が世界には必要なのではないかと、お風呂場でふと思いつき、「愛唄」よりも先にこちらを書こうと決心した。

 この曲が出たのは2018年、米朝首脳会談が初めて行われた際にその時流に乗ってデビューした歌のように思えた。当時私は閉鎖病棟の中におり、たまたまミュージックステーションで「国境のない時代」を聴いた。聴いて、すぐメモを取り、退院後にすぐにAmazonで「国境のない時代」を買った。さすが秋元康というべきか、歌詞が非常に刺さる曲だった。そしてウクライナ侵攻という、21世紀になりまさか国と国が戦争を始めるとは思いもしなかった、この世界に、この現実に、「国境のない時代」という歌は必ず必要だと確信している。

 『僕は君だ分かりあえるよ 君は僕だ知ってるだろう
  この地球上は争うことなんかない ひとつの星だ

 この歌詞の精神を誰もが当たり前だと思っていた21世紀。世界を揺るがすような戦争は起こるはずもなく、住むことが当たり前、買い物できることが当たり前、食べることができることが当たり前。人類は共存を図りながら、環境問題に配慮しながら更に成長していくものだと、思い込んでいた。しかし、2020年には新型コロナウイルスが発生し、人類は科学的進歩を以ってなお、この感染症に苦戦し、万全の医療体制を整えていたにもかかわらず、未曽有のパンデミックを経験した。そして、2022年、国連常任理事国であるロシアが、まさかの国を乗っ取るための、力による侵略戦争をウクライナに対して行った。国際連合の主軸が行った侵略戦争は「《《国際連合の主軸が戦争をした場合には、国際連合は機能しない》》」ということをあらわにし、今後新しい枠組みが必要だと、人類誰しもが思った。安定した成長というものは虚構に過ぎず、平和や健康的な社会を生み出すにはどれだけの努力が必要なのかも再認識した。

 そのような未曽有の危機の中にある人類の中でも、《《せめて人、一人一人は平和な世界を希望し続けていきたい》》と考えて生きていきたい。「国境のない時代」を聴こう。もうすぐ夜明けだ 誰かの声がする 生きてさえいれば仲間じゃないか』『なぜだろ同じ時代を生きる意味は どこで生まれてどこで育っても たったひとつの命を授かって 何をするためそこにいるの

 文字だけでどれだけ伝わるだろうか。夜明けは近いとは簡単には言えないかもしれない。たったひとつの命は簡単に終わってしまうかもしれない。それでも同じものを全ていつでも見ている。それに対して希望を持ち続け戦い続けるか、絶望して行動をやめてしまうのか。時代の大きなうねりの中、少しでも人類の被害を少なくするのは、一人一人がいかに希望を持って活動し続けるか、そのことだけにかかっていると私は思う。

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