井上梅次と石原裕次郎 ~窓の下に裕次郎がいた~ #02
前回に引き続き、井上梅次と石原裕次郎のエピソードをご紹介します。
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石原裕次郎を知るために、井上はまず彼を映画『月蝕』(1956年/日活)に出演させました。『月蝕』は週刊誌に連載された原作の映画化であり、文芸作品というよりはむしろ娯楽映画でした。
石原は月丘夢路を取り巻く五人の男のうちの一人、ボクサー役でしたが、商業映画の演技の難しさを目の当たりにして、戸惑っている様子でした。井上もその芝居を目の前に見て、「果たしてこの男を娯楽映画のスタートして売り出せ