見出し画像

一番好きな人になれない。『いちばんすきな花』1話で思い出した昔のこと

誰かひとりの一番好きな人になることは、なんて難しいのだろう。

大昔の思い出だが、好きな人に告白したら考えさせて欲しいと言われ、後日、他の人と付き合うことになったことを知った、ということがあった。

また別の人との思い出。2人でよく一緒に過ごして、飲みに行ったり、家に来たりしていて、身体の関係もある人がいた。お互い好意はあった。だけど恋人になりたいと思っていたのは僕だけで、結局は付き合えなかった。

ドラマ『いちばんすきな花』を観ていたら、そんな昔のことを思い出してしまった。

2人組になれない孤独

冒頭の言葉は1話で登場するセリフの一部だ。

みんなの良い人にはなれるのに、誰かひとりの一番好きな人にはなれなくて

この作品の主演4人は、それぞれが「2人組になる」ということがうまくできずにいる。しかも4人とも事情がそれぞれ異なる。

誰とでも仲良く話せるけど、いつも2人には選ばれない人。

2人でずっと友達として過ごしてきたけど、異性同士であるために結婚のタイミングで2人組ではいられなくなった人。

2人になることはできるけど、友達としてではなく、いつも異性として見られるために、望んだ2人組をつくることができない人。

恋人として2人でいることはできるけど、一番好きな人にはなれなかった人。

4人それぞれが微妙に異なる「2人組になれない」状態にあって、孤独を抱えている。

とりわけ僕にとっては「誰かひとりの一番好きな人になれなかった」という人が、過去の思い出を抉るというのもあり、共感してしまう。なぜこうもうまくいかないのか。

恋愛なら一番に選ばれなければ2人組にはなれない。2人組になりたくてもなれないというのはどうしたってつらい。そしてこれはどうにもならないことだ。努力でどうこうなるものでもない。だからどうしようもなさに余計に苦しくなる。

2人というのは特殊で、2人でいるためには理由がいる、というのも作中の言葉だが、それは恋愛でも友情でも同じだろう。

2人になることの難しさについて描いた『いちばんすきな花』を観ながら、このあたりについて考えていきたいと思っている。

この記事が参加している募集

#コンテンツ会議

30,733件

#今こんな気分

75,373件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?