ミスiDにエントリーして、半年で30曲作りました｜シンガーソングライター・叶芽フウカ

高校3年の夏に本格的に楽曲制作を始め、半年足らずで、次々と作詞作曲のオリジナル曲を発表、MVすら自主制作。

独特な歌詞とタイトル、意外なほどにキャッチーなメロディ、鋭く力強い歌声。MVは10代女子の頭の中を、そのまま映像にしたかのようだ。彼女の創作の源泉はどこにあるのか。シンガーソングライターの叶芽フウカに話を聞いた。

友達が飲みサーに入って変わってしまったことに対して、どうしても苛立ちを隠せなくて

──音楽を始めたきっかけを教えて下さい。

すごく仲が良い友達がいて、その子とめっちゃカラオケに行ってたんですけど、歌良いねって褒めてくれたのがきっかけです。元々、歌は好きだったけど外に出そうとは思ってなくて。でも友達に言われたことで、やってみようかなって思いました。

始めたのは高1の夏です。最初の方は弾き語りじゃなくて、カラオケで歌っているところをYouTubeにアップしたりしてて。ZOCとか（大森）靖子ちゃんとか聞いてたから、そういうのを歌ったりしてました。

──歌詞は実体験が多いんですか？

実体験のものもあります。どれも自分から出てきたもので、嘘はついてないんですけど、思いつきで書いてるから、あとから見て「何だこれ」って思うことはあります。

曲を作るときは、「自分に正直に」というのを大切にしています。自分の気持ちに嘘つきがちなので、表現は正直に。

──「飲みサーに入らないで」という曲がありますが、これは実体験？

実体験です。友達が飲みサーに入って変わってしまったことに対して、どうしても苛立ちを隠せなくて。

彼、高校の頃は、音楽をちゃんとやろうとしてたけど、大学で軽音サークルに入って。結局、今はコピバンしかやってない。見た目も変わっちゃって。どこにでもいそうな感じになっちゃった。

曲は本当に思いつきなんです。知識もないし、ギターも独学なんで

──Twitterを見ていると、ポンポンと曲を作っててすごいなと思います。

本当に思いつきなんです。知識もないし、ギターも独学なんで。直感です。歌詞はともかく、メロディーは独学すぎてこれでいいのかという。

歌詞はいつも思いついたときにメモアプリに書き溜めてます。今200個くらい溜まってて。

──持ち曲は何曲くらいあるんですか？

30曲くらいです。楽譜とかには落としてないんですが。そもそも楽譜とかよくわからない。

去年の夏の時点で2，3曲しか作ってなくて。そこから半年で30曲作りました。ミスiDにエントリーしてからです。それまでは怠けてたなと思います。

──音楽活動をする上で、ミスiDにエントリーしたことは大きかった？

そうですね。やっぱりエントリーしたことでもっと曲を出さなきゃと思って。運営側も出せるものは全部出してくださいというスタンスだったので、今しかないと思いました。

──一番思い入れのある曲は何ですか？

なんだろう……。どれが一番とかはないけど、ライブハウスの人とかに「めっちゃキャッチーで良いね」って言われる曲は「文明貢献死骸回収僕等永遠戦争」ですね。

今はこれ以上の曲はなかなか思いつかない。自分でもこの曲、どうやって作ったのかわからないんですよ。

──周りの反響はどうですか？

友達は応援してくれてます。カラオケ音源を出していたときは欅坂とかのアイドルソングも歌ってたんで、アイドル好きの人しか反応なかったけど、最近は同年代の人から反応が来るようになりました。

──今まで見てきた人の中で影響を受けた人は？

影響を受けてるかはわかんないけど、すごいなと思うのは、やっぱり大森靖子ちゃん。それと、東理紗ちゃん。生ハムと焼うどんが好きだったんです。

あと、両極端すぎるって言われるけど、MOROHAとか好きです。歌詞がメッセージ性強いし。メッセージ性がある曲が好きです。

──音楽活動で今後の目標はありますか？

直近だとCDをタワレコに並べることです。もっと大きい目標もあるけど、とりあえず今は自分のレベルがまだふさわしくないと思うので。まずは自分のポテンシャルを上げたあとかなと思っています。そのためにも。今はいろんな場所で歌っていきたいですね。

このまま屍のようになりたくないと思って、ミスiDに応募しました

──ミスiDの話になりますが、そもそもなんで受けようと思ったんですか。

エントリーした頃、いろんな人間関係のもつれがあってめっちゃ病んでたんです。このまま屍のようになりたくないと思って、ミスiDに応募しました。そしたら人生にモチベ出てきて。

叶芽フウカ

──なんで病んでたんですか？

いわゆる恋愛関係のもつれと、部活で部長にされたことですね。

武道系の部活に入ってたんですけど、同級生がちゃんとしている人がいなかったせいで。何もできないのに統率とか任されて、そのせいで死ぬほど周りに叩かれて、もう死にたかった。毎日「クソが」って思ってました。ほんとそこがピークでした。

──ミスiDの審査員からの反応はどうでしたか？

小林司さんからは、喋ってるときと歌ってるときのギャップがやっぱりすごいですね、と言われました。

あと、吉田豪さんが、最終面接のあと何も言わずにBASEでCDを買ってくれました。

「豪の部屋」が好きで。CDの梱包作業してるときによく流してるんです。眉村ちあきちゃんの回と東理紗ちゃんの回が面白くて、何回も見てます。

関係ないですけど、youtubeの放送だとコレコレさんとか聞いてて。内容というより、声が好きで（笑）。ラジオ代わりに聞いてます。ちょっと変なのが好きかも。王道よりも。