見出し画像

『ESGの精神とマックス・ウェーバー』(環境研究)

 「ESGサイトの作り方」の最後に、ESG活動(KPIのデータを定量化し、目標に近づける活動)こそが差別化につながることをまとめた。

 つまり、九州大学の馬奈木俊介教授が示したようにESGスコアを1%アップする(=企業利益が14.86%、株価が13.37%上昇)には、エンゲージメントを分かりやすく的確に行うことが必要条件だが、表示フォーマットが標準化される方向性のため、それだけでは差別化を図ることが難しくなる。
 十分条件として、KPIのデータを定量化し、目標に近づける活動そのものが重要になる。

 今回は、ESG活動の本質を明らかにしたい。

 さて、1)ESGスコアを1%アップする=株価が13.37%上昇する。2)ESGスコアを1%アップする=企業利益が14.86%上昇することにおいて、一般的にESGスコアを参考にするのはESG投資家になる。
 1)のようにESGスコアが株価に連動することは容易に想像がつく。しかし、2)にあるようにESGスコアと企業利益の相関関係はスムースに理解しにくいものがある。

 企業が利益を上げる方法は3つしかない。

値上げをする
売上を拡大する
コストを下げる

 ESGと値上げは相関関係はないが、ESGと売上拡大は相関関係がある。
 今回はESGとコストを下げることに相関関係、つまり、なぜ、ESGスコアを1%アップする=企業利益が14.86%上昇するのか、について考察してみたい。

ここから先は

4,245字 / 1画像

¥ 250

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。