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2021年・私たちは『買われた』展 仙台の準備をしていて、2006年・松井やより全仕事展(札幌)のことを思い出しました

こんにちは、いのまたです。2021年9月10日から12日に「私たちは『買われた』展」仙台 が開催されます。私も実行委員会のメンバーとして、企画や宣伝などの活動をしています。活動している中で、思い出したことがありました。約15年前の2006年12月に一週間の会期で開催した「松井やより全仕事展 」のことです。

この投稿の要旨

女性への差別や支配や暴力をなくすために粘り強くがんばる!!ということです。また、支え合って活動を継続する努力をしてくださっている方々のおかげでエンパワメント効果があるということを、私自身の「ナラティブ」を事例にして示しました。さらには決意として、運動を継承し、力をつけていきたい、おこがましいけれども若い方にも影響を与えることができたら嬉しいという思いもあり、書きました。

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2021年7月 仙台YWCA けんぽうカフェにて

この写真は、2021年7月に初めておじゃました仙台YWCAの、けんぽうカフェのフリートークの時に発言をする私の姿です。

こんな発言をしました。

仙台市議会議員の、いのまた由美です。
定禅寺通でパフォーマンスをしていた森文子さんから、けんぽうカフェのチラシをいただいて、今日初めて仙台YWCAにおじゃましました。
札幌に住んでいたときには札幌YWCAの方々とフェアトレードの活動などでご一緒しました。中でも印象に残っているのが「松井やより全仕事展」という大きなイベントを、北海道クリスチャンセンターで実施したことです。松井やよりさん(1934-2002)は、元朝日新聞の記者で、日本の戦争責任や買春観光など、平和や人権に関する数多くの仕事をされました。その実行委員会に関わって学んだことが、議員をめざしたきっかけの大きな一つになっています。
東日本大震災のボランティアで仙台にきて、結婚し子育てをして、議員活動は2年目になります。平和や人権に強く関心を持って活動をしていますので、お力を合わせていけたらと思います。
今日どうしてもお集まりの方にお知らせしたいことがあって参りました。9月に「私たちは『買われた』展仙台」という写真展を開催します。仙台のこども支援やDV被害者支援などの団体が共催で、私も市民の一人として実行委員会に入っています。貧困や虐待など安心して家で暮らせない子などが体を売ることでしか衣食住を得ることができないという現実が、海外ではなくて日本でも、あります。派手で遊ぶ金欲しい子が好きで援助交際をするというイメージがあるかもしれません。他に頼り先がないこどもが、傷つきながら体を売った、その女の子たちが自らの体験を作文にして、写真とあわせて展示をする東京の一般社団法人コラボの企画展です。全国各地の団体などが実行委員会をつくってこの企画展を開催しています。一昨年は、函館YWCAさんが(2019年。70周年記念プログラムとして)この企画展を実施し、私もみにいきました。名古屋YWCAさんもこの企画展の実行委員会をされています。ぜひ、仙台のみなさまにもご関心をもって、ご協力をいただきたく、お願いをいたします。

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このあと、理事さんたちとお話をして、チラシの配布のご協力などをいただけることになりました。ありがとうございます。

買われた展チラシ0701最終おもて

買われた展チラシ0820最終うら

松井やより全仕事展(札幌)2006 私が見つけたデータ

このように、企画や宣伝などの活動をしている中で、「松井やより全仕事展 」のことを、ふっと思い出していました。たくさんの団体や個人の賛同で実行委員会をつくり、広い会場を借りてパネル展を開催し、広いスペースをいかして音楽や演劇や朗読や上映などの連帯表現を企画するというスタイルも共通しています。ただ、15年前の札幌の「松井やより全仕事展 」がどんな内容だったかとインターネットで調べても、出てきません。パネルの貸出をされているおおもとの「アクティブ・ミュージアム 女たちの戦争と平和資料館(wam)」の「松井やより全仕事展」の情報は、みることができます。

» 第2回特別展 「松井やより 全仕事」展
– アクティブ・ミュージアム 女たちの戦争と平和資料館(wam) 

https://wam-peace.org/exhibit/sp-02

札幌のほうは、私が展のホームページ(ブログ)を担当していたのですが、無料で開設できるサービスを使っていて、そのサービスは終了してしまい、残念ながら記録が消えてしまっていました。私のパソコンもそれから何台も代替わりをしてデータは残っていません。

ですが! 昔使っていたgmailのアカウントの送受信記録の中に、実行委員会のメーリングリストがあり、そのやりとりの中で私が作成したチラシのデータなどを少しだけ見つけることができました。

松井やより全仕事展(札幌)2006 実行委員 賛同のお願い(呼びかけ文)

■「松井やより全仕事展」開催と実行委員/賛同のお願い ■                     
主催:「松井やより全仕事展」実行委員会
共催: 北海道クリスチャンセンター                                        事務局:ほっかいどうピースネット

 松井やよりさん(1934年~2002年)は日本を代表するジャーナリストの一人でした。 松井さんの記事を読むと読者は、「私たちは何に怒り、どう行動すべきか」を考えずにはいられなくなります。公害、食品汚染、貧困、買春観光、戦争の傷痕、開発援助と環境開発、日本の戦争責任、「慰安婦」…。どれも鋭い切り口で世論を喚起しました。 同時に、男性中心の日本と世界を変え、貧困と暴力のない世界をつくろうとしたフェミニスト、アジアや世界とのネットワークづくりに力を入れたアクティビストでもあります。 そんな松井さんの活動がはっきり示されたのが、2000年12月に開かれた「女性国際戦犯法廷」でした。 その女性国際戦犯法廷から6年、松井さんがお亡くなりになってから4年が経ち、松井さんが最後の力をふりしぼって設立を呼びかけた「アクティブミュージアム女たちの戦争と平和資料館
WAM」が昨年8月に開館しました。
http://www.wam-peace.org/access.html
 今回、私たちが行おうとしている「松井やより全仕事展」は昨年12月から今年4月まで、WAMの特別展として行われたものです。この展示をぜひ札幌でも開催したいと実行委員会が立ち上がりました。大きなホールを借りましたので、その半分をパネル展示に使い、残りのスペースで、毎日ビデオを
流したり、小さな講演やワークショップをしたりしたいと考えています。
 この「松井やより全仕事展」を通じて、もう一度、戦争と女性への暴力、メディアと戦争責任・天皇制、経済のグローバル化、フェミニズムなど、多くのことを考え直すことができればと願っています。
そこで、みなさまにお願いです。
1) 実行委員会にご参加ください  個人/団体
 ・企画、運営に具体的に関わっていただける団体や個人の方
2) 賛同してください
 ・具体的な関わりはむりでも開催を応援していただける団体や個人の方
★ 1)実行委員会参加、2)賛同参加とも、団体一口2,000円、個人一口1,000円の参加費をお願いします。(できれば、複数口で。)
ぜひ、皆様のご参加をお願いします。
■開催期間
 12月10日(日)~16日(土)の7日間
 開催時間は12月10日〈日〉午後2時から午後8時
      12月11日~15日 午前10時~午後8時
      12月16日〈土〉午前10時~午後5時
■会場
 北海道クリスチャンセンター 2F ホール(札幌市中央区北7西6)
■内容
1)女たちの戦争と平和資料館(WAM)で行われた「松井やより全仕事展」の展示
2)「女たちの戦争と平和資料館WAM」・VAWW-NETから西野瑠美子さんを招いての講演会
3)オープニング「女性たちの今:私たちは主張する」(仮題)というテーマで、リレー・トーク
4)実行委参加団体による自主企画(演劇、朗読、VTR、スライド上映、ワークショップ等)
■今後の日程
11月6日(月)第3回実行委員会 18:30~ Y’sカフェ(クリスチャンセンター1F 北7西6)
11月上旬 チラシ完成
11月下旬:第4回実行委員会

「松井やより全仕事展」実行委員会連絡先:
ピースカフェ気付 ほっかいどうピースネット

2006年当時、私は札幌在住の会社員で、デザイン専門学校夜間コースを卒業し、NPO法人さっぽろ自由学校「遊」にも入り浸っていた頃かなと思います。28歳かな? 「学びたい」「知りたい」「見てみたい」「限界までせいいっぱい生きる」という思いがいっぱいの若年女性でした。実行委員会参加団体のさっぽろ自由学校「遊」のメンバーとして参加したのでした。

松井やよりさんの仕事のひとつに「慰安婦問題」がありました。「慰安婦問題」は日本社会において反発が強く、虚偽だとか言われ、とても政治的に偏っているというイメージを付与されていていました。広報をするのだからもっと知りたいと思い、東京・早稲田の「アクティブ・ミュージアム 女たちの戦争と平和資料館(wam)」に見学に行き、「慰安婦」のパネル展示を見てきました。そうすることによって、イメージがわいて、チラシを作ることができました。

松井やより全仕事展(札幌)2006 チラシと、プログラム

松井やよりおもて

松井やよりpath6362

プログラム

①オープニング・リレートーク「女性たちの今:私たちは主張する」
アイヌ女の会の踊りで幕を開けました。

②⑤⑧⑩富山妙子作品スライド上映
炭鉱、第三世界、韓国、戦争責任をテーマに制作している画家、富山妙子さんの「海の記憶・慰安婦へのレクイエム」「きつね物語・桜と菊の幻影」を上映します。

※2021年8月18日に富山妙子さんがお亡くなりになりました。99歳。安らかな眠りにつかれますよう、心よりお祈り申し上げます。

https://imaginationwithoutborders.northwestern.edu/about-jp/

③コミュニティー市場「うちなー」
主催:沖縄工房

④朗読劇・二人芝居・コンサート「わたしたちの平和」
主演:9条・江別市民の会、ドラマシアターども
(1)朗読劇「戦争絶滅法」
(2)創作劇「六ケ所村ラプソディー」
(3)平和へのメッセージを込めたコンサート

⑥トーク「今、札幌の高齢女性は」
主催:北海道の高齢社会をよくする女性の会

⑦演劇+ワークショップ「私が変わる、オフィスが変わる?」
出演:さっぽろ自由学校「遊」フォーラム・シスターズ
同じ職場に勤める個性の違う二人の女性を主役にした小演劇を通して、「女の解放」を一緒に考えてみませんか!

※この自主企画に出演しました。「遊」のTさんと私のジェンダーに関連する考え方の違いがあらわになったエピソードをもとにして、Tさんが台本を作ってくれて、二人を含む数人で演じたようなおぼえがあります。今でも、思い出すと、ちょっともやもやします。迷惑をかけたことや嫌なことを言ったことを申し訳なく思い、お世話をしてもらったことを感謝しています。

⑨松井やよりの想いを読む「あなた朝鮮の十字架よ」
主催:みんなのひろばハンマダン

⑪トーク「ハンセン病政策と女性」
主催:ボランティアはまなすの里
ハンセン病回復者から聞き書き、日本統治下の韓国ソロクトの療養所、ハンセン病政策と調べ続けている小林さんに話題提供していただき、ザックバランにお話しましょう。

⑫朗読と音楽「女たちよ!あなたの想いを伝えたい」
出演:駒井秀子、谷百合子

⑬講演会「ジャーナリスト・松井やよりの歩んだ軌跡」
講師:西野瑠美子 ビデオ「松井やより 全力疾走」

⑭ワークショップ「移住女性の人権:日本に住むフィリピン女性の経験から」
アガリン・サラ(KAFIN:フィリピン/ミンダナオ島出身)

⑮講演会「女性国際戦犯法廷の意義~松井やよりから何を受け継ぐか~」
講師:西野留美子 ビデオ「女性国際戦犯法廷(ダイジェスト版)」

私たちは『買われた』展 仙台2021  ろーずステージ 

広いスペースをいかして音楽や演劇や朗読や上映などの連帯表現を企画するというスタイルが似ている… と「松井やより全仕事展」を思い出しましたが、私たちは『買われた』展仙台の「ろーずステージ」の表現企画のほうは、若干趣旨が違います。『買われた』展を応援してくださる気持ちさえあれば、表現の内容は『買われた』展と関わりのない内容でかまわないということで、場所を使って出演してくださる方を集めました。

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私はアーティストではないので、ステージ発表とは無縁で企画するとしたら講演会とか演説会かな…と思い込んでいましたが、「松井やより全仕事展」を振り返ってみるうちに、詩の朗読を、私もしたほうがいい、私もやれる、私もしたいと思うようになりました。※どこの時間にいれてもらうか、まだ決まっていません!

ろーずステージで詩をよみます「誰が世界を語るのか」

読みたい詩を選んで、8月9日のプレイベント・障子紙アートのお絵描きワークショップで、えがきました。

https://www.facebook.com/Inomata.Yumi/posts/4368304476560572

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描いたのは、宮尾節子さんの詩集「女に聞け」のなかの「誰が世界を語るのか」の一部です。読みたい詩がいっぱいです!

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2006年に私が描いたこの女性のイラスト、宮尾節子さんっぽくもあります(髪型が)。

https://miyaono.exblog.jp/

まついやより私が持っている資料

28歳のときの、私の、松井やより全仕事展に関わった感想文

さっぽろ自由学校「遊」のニュースレターに載せるために書いていた文章のデータも見つけました。2006年、28歳のときかなと思います。

数ヶ月前に松井やよりさんの著書を初めて読んだ。始めに読んだのは「女たちのアジア」だったが、松井さんの1970-80年の仕事を主に記録したこの一冊の本が内容が、私がこの1年「遊」の講座等に関わりながら少しずつ学んできた各々のテーマと重なる部分がとても多かったかことに、驚きと興奮をおぼえた。南北問題、途上国の中でもさらに苦しい状況に置かれている女性たち、その中で力を合わせて自立しようとする女性たちの動き、それを支援するNGOの働き、フィリピンや韓国等で民主化運動を担った女性たちのたくましさ、日本のアジアに対する侵略戦争・経済侵略・性侵略、マスコミの偏向報道、日本の男性社会の中で格闘する松井さんご自身・・・・・・。挙げたら切りがない。

それから間もなく、札幌で「松井やより全仕事展」を開催するための実行委員会が結成されたという話を耳にした。「遊」も仕事展の実行委員会に加わるということで、絶好の機会だと思いメンバーになった。「女たちの戦争と平和の資料館」に足を延ばし、展示資料の解説をしていただいて、松井さんの過去の業績を知るだけではなく、今現在こうして各地の女性たちがアクションをおこしていることの重要性を身をもって感じた。

仕事展では参加団体が自主企画を実施する。田中美津さん達の「ミューズカル」や、16年前の演劇ビデオ(秘宝)をちねま☆ゆう観てから、何でもやりたがりのわたしは女のお芝居をやってみたいと思い始め、「遊」のメンバーと芝居ものをできないかと相談した。「遊」の仕事展は12月10日~16日に開催する。
1990年の「遊」の第1回公開講演会の講師が、松井やよりさんだったそうだ。私は松井さんに実際に接することはできながったが、松井さんの人柄を勝手に想像している。エネルギッシュにいつも駆け回っていて、はっきりと意見を言い、怒るときは怒り、笑うときは笑う、というような生き生きとした人だったのではないだろうか。私は松井さん一人を神格化してみているのではなく、個性と個性をぶつけたり支え合ったりしながら、共に汗をかきかき市民運動を続けている多くの人びとの、情熱、愛と怒りと闘う勇気に対して、あらためて敬意を持つのだった。

「遊」の連続講座「いまこそリブ」を通してウーマン・リブの話を聴き、映像を観て、リブのミニコミ誌を読んだ。女たちが結集して解放へ向かった、そのうねり、そのぼこぼこと沸き立つような、女のすごさに心が動かされた。私の中にも「女」のすごさがあるのなら、掘り起こし、覆っている殻をはぎ、ねじれた形を元に戻してやりたいと思った。松井さんは、早くにアメリカでウーマン・リブ運動に触れ、日本でも「ウルフの会」の活動をしたという。私があらかじめ「遊」でリブに出会っていなければ、リブという記述にピンとはこなかっただろう。また、私がフェアトレードという言葉を初めて聞いたのも「遊」に関わってからで、南北の不公平な貿易や、女性が自立して働けるように支援している活動を知った。今年のさっぽろフェアトレード・フェスタでは「シャプラニール=海外協力の会」の活動を知ることができた。松井さんが80年にバングラデシュで取材した際の記述では、現地でいち早く活動していたシャプラニールの方と接したという記述を目にした。人と一緒に動きながら学んだことと読書から学んだことが、私の頭の中で繋がり合って輪郭が濃くなっていく。それぞれの体験で感じたことも繋がり合って、私の心の中で強度が増していく。私は「遊」で学ぶことによって、少しずつだが変わっていっている。そのことを自覚したので、嬉しくなり興奮したのだった。

以上、過去と現在をいったりきたりの、とりとめのない文でした。

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