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デビュー作 「誰も知らない丘の上で(上)」 紹介

誰にも知られてはいけない秘密をかかえた、どこにでもいそうな平凡な中学生、久甘優太(くあまゆうた)。
初恋の人、美香の失踪をきっかけに、物語は大きく動き出す。
その初恋の人を助けるために、ある能力を手に入れるが、そのことがまた、新たな波乱の幕開けであった。

 優太の出生の秘密とは!

 そして、久甘家に隠された過去とは!

 全3部作の第1作目!!

 ジェットコースターのような展開に、あなたはついてこれるのか⁉️


はいはい、ちょっと待って!!
なんかお決まりの予告編ね。
ちょっと映画見過ぎなんじゃないの?
あら、ごめんなさい。
私はヒロインの美香。幕朱美香(まくあけみか)中学1年生よ。
まだ初心者気分が抜けてない著者の代わりに、この本の見所を教えてあげるわ。
えっ?なんか中学生っぽくない?
あらそう?なかなか鋭い指摘ね。
最後まで読めば理由は分かるわ。
だから、ここではネタバレになるから
お・し・え・な・い・わ♡

さて、主人公は久甘優太(くあまゆうた)。
私と同じ中学1年生よ。
名字がとても珍しいわね。
ググってみても、この現代の日本には全く無い名字ね。
国立図書館にでも行けば、何か分かるかもしれないわね。
って、この話しはここまで。
そんなに広げても面白くないわね。
優太の友人に、影山登(かげやまのぼる)という男の子もよく出て来るわ。
少しお調子者で、私はちょっと嫌いね。
主人公の優太は、1年生ながらに強豪サッカー部のレギュラーになっちゃうほどの天才プレーヤー。
だから人気者だから、私も少し嫉妬しちゃうわ。
おっと、これ以上話すとネタバレしそうで怖いので、せっかくなので、本文の一部抜粋をご覧くださいませ!

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〜ここから本文より抜粋〜

見事に晴れ渡った、ある日の朝。
優太は、新しい濃い紺色の制服を着て、新たな出逢いに心踊らせていた。
 今日は、猛勉強の末合格した、有名私立中学の入学式である。

 中学校の最寄りの駅の改札をくぐると、目の前には見たこともない全く新たな世界が広がっている。

 ドン!!

 いきなり後ろから誰かにタックルされた。
その拍子に手に持っていた入学証明書を落としてしまった。

「ご、ごめんなさい!大丈夫ですか?これ、落としましたよ。」

可愛い声が聞こえた。

「だ、大丈夫です。」

「あれっ?これ、私と同じ中学校。私は美香、幕朱美香(まくあけみか)。君と同じ中学校の新入生なの。よろしくね。」

そう言うと、さっさと歩いて行ってしまった。

優太は、生まれて初めて雷にでも打たれたような衝撃を覚えていた。そう、雷に打たれる、この表現がぴったりであった。胸がドキドキしている。電車に乗ってきたのに、なぜか息切れしている。
優太は、胸のドキドキを不思議に思いながらも、中学校へと歩いて向かった。

中学校に着くと、すぐに入学式が始まった。

不意に、つんつんと背中を突っつかれた。

「あの、さっきの方ですよね?」

振り向くと、先ほどの女の子である。

「えっと、美香さんですか?」

「そうです、お名前聞くの、うっかり忘れちゃって。君、なんて言うの?」

「僕は優太、久甘優太(くあまゆうた)。」

「えっ?くあま?珍しい名前だね。どこ出身なの?」

「親の転勤で色々引っ越してきたけど、生まれは北海道。日本で1番北にある稚内(わっかない)ってところなんだ。でも生まれてすぐ関東に引っ越してきて、それから半年に1度くらいのペースで日本中あちこちに引っ越してきたから、北海道出身て感じがしないなぁ。」

「へー、そうなんだ。あ、ごめんなさい、先生が睨んでるわ。また後でお話ししましょ」

そう言うと、優太は、前を向いて退屈な入学式が終わるのを待った。

(まさか、さっきの子が同じクラスだなんて。10クラスもあるのに、こんな偶然があるんだな。あれっ、また胸がドキドキしている。このドキドキは一体何なのだろう。)


その日の夜、優太は、両親と晩御飯を食べながら、その日の出来事を話していた。
ただ一点、胸のドキドキについては話せなかった。

優太は、その夜、不思議な夢を見た。大きな鎌を持った鬼のような怖い女が目の前に立っている。口は裂け、額には目のようなものが見える。足元がよく見えなかったが、浮いているようにも見えた。

次の瞬間!優太めがけて襲いかかってきた!!

(うわっ、殺される!)

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最後までお読み下さり、有難うございます‼️

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