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【孫正義×ジャックマー特別対談】全文訳してみた@Tokyo Forum 2019

2019年12月6日(金)から3日間に渡って東京大学で開催されている「Tokyo Forum 2019」。
初日である本日の午後にはソフトバンクグループの孫正義氏アリババグループのジャック・マー氏の特別対談が行われました!

以下はその対談の全文訳レポートになります!

対談が英語だったのですが、完全な直訳ではなく大幅な意訳を加えております。一部聞き取れなかった部分や、訳に間違いがある部分、抜け漏れ等もございます。どうかご容赦ください🙇

それぞれの経歴

ソフトバンクグループ代表取締役会長 兼 社長 孫 正義氏と、Jack Ma Foundation アリババグループ創立者 馬雲(ジャック・マー)氏による特別対談です。モデレーターは経済キャスターである小谷 真生子氏が務めました。

孫 正義
ソフトバンクグループ代表取締役会長 兼 社長

孫 正義(そん まさよし、1957年8月11日生)は、1981年に日本ソフトバンク(現 ソフトバンクグループ株式会社)を創設し、代表取締役会長 兼 社長を務めるほか、Sprint Corporation、ヤフー株式会社、Alibaba Group Holding Limitedの取締役、およびArm Limited、ソフトバンク株式会社の会長を現任しています。
1981年9月(株)日本ソフトバンク(現 ソフトバンクグループ(株))設立、代表取締役社長
1996年1月ヤフー(株) 代表取締役社長
2005年10月Alibaba.com Corporation(現 Alibaba Group Holding Limited), Director(現任)
2006年4月ボーダフォン(株)(現 ソフトバンク(株)) 取締役会議長、代表執行役社長 兼 CEO
2013年7月Sprint Corporation, Chairman of the Board
2015年6月ヤフー(株) 取締役(現任)
2016年9月ARM Holdings plc(現 SVF HOLDCO (UK) LIMITED), Chairman and Executive Director
2017年6月ソフトバンクグループ(株) 代表取締役会長 兼 社長(現任)
2018年3月Arm Limited, Chairman and Director(現任)
2018年4月ソフトバンク(株) 取締役会長(現任)
2018年5月Sprint Corporation, Director of the Board(現任)
馬雲(ジャック・マー)
ジャック・マー財団 創設者、アリババグループ取締役・パートナー

1999年にアリババグループを設立し、1999年から2019年9月まで会長を、2013年5月まで同CEOを務めた。

現在、世界経済フォーラムの理事会のメンバー、浙江省企業家協会の会長、中国企業家クラブの会長を務めている。アントニオ・グテーレス国連事務総長により、2018年、国連デジタル協力に関するハイレベル・パネルの共同議長に任命される。ザ・ネイチャー・コンサーバンシーのグローバルボードメンバーでもあり、パラダイス ファウンデーションの共同議長を務めている。
杭州師範大学で英語教育の文学士号取得。
小谷 真生子
経済キャスター

大阪府生まれ。
1986年日本航空入社。
1990年に退社後、NHK総合「モーニングワイド」「おはよう日本」、NHK-BS1「ワールド・リポート」などのメインキャスターを務める。
1994年10月にテレビ朝日「ニュースステーション」に参加。
1998年4月より、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」メインキャスターを16年務める。
BSジャパンの企業トップのインタビュー番組「小谷真生子のKANDAN」も並行して出演。
2014年~2019年3月末までBSジャパン「日経プラス10」メインキャスターとして出演。
2005 年よりWFP 国連世界食糧計画の顧問。
2013年より世界経済フォーラム(World Economic Forum)IMC(International Media Council)のメンバー。
2015年、経済協力開発機構(OECD)年次総会にモデレーターとして登壇。

※それぞれTokyo Forum 2019のHPから転載

対談内容

簡単な挨拶から始まり、対談はモデレーターである小谷氏の質問からスタートしました。

①小谷氏の疑問
②2人が初めて出会った伝説の5(10?)分間。何を話したのか?
③2人が考える、お互いという人間
④異世界のサシ飲み。組織と理念について
⑤20年経ってみて思うこと
⑥起業家として重要なことはなにか?
⑦AIと人の関わり方について
⑧AI時代に必要な教育とは?
⑧AI時代に必要な教育とは?
⑨孫正義・ジャックマーをつくってきたもの
⑩若い世代に向けたアドバイス
⑪世紀を超えて愛される会社へ
⑫最後に

①小谷氏の疑問

小:昔、孫さんからマーさんをご紹介いただきました。当時アリババはまだ無名でしたが、なぜあのときご紹介いただけたのでしょうか?

孫:当時、アリババが創立されて4,5年のころでした。まだまだ小さい企業だったものの、僕は彼らの成功を確信していたので、小谷さんにも知ってほしかったんです。

マ:いまでも小さいですよ。

(会場笑い)

マ:そういってもらえると誇らしいですね。いま中国の発展に寄与できていることがとても嬉しいし、若者が自分たちについて語ってくれて嬉しく思います。ただし、これは僕が賢いからできたことではなく、愚直にハードワークしてきた結果です

②2人が初めて出会った伝説の5(10?)分間。何を話したのか?

小:2人の関係性が始まった「伝説の5分間」について、何を話したのでしょうか?

孫:5分じゃなくて10分だったかもしれないな。

(会場笑い)

孫:西暦2000年ごろ、ITバブルはピークを迎え、すでに弾け始めていました。だが中国は当時インターネットがはじまったばかりだったのです。

僕はアメリカ、そして日本の次に中国が来ると思っていましたので、実際に足を運び、現地で20以上のスタートアップ経営者と会いました。

ジャックはそのうちの一人でした。彼は僕に強い印象を与えました。投資したいと思わせるような強い印象です。

経営者と話すとき、まず最初の5分で「何をしようとしているのか」を聴くんです。
するとみんなお金の話をする。経営だったり、事業計画の話ばかり。

でもジャックは違いました。彼はこれからの未来がどうなるか、どうあるべきかを話しはじめたんです。IT、テクノロジーで中国の社会がどう変わるかを話してくれました。

そう、彼はずっと「哲学」「理念」の話をしました。目がキラキラしていて、僕は心を掴まれたんです。

マ:確かに世界を変えよういう話をしましたね。

孫:ジャックはお金に興味がないからね。

(会場笑い)

小:お金に興味がないのなら、なぜその場にいらっしゃったんですか?

マ:友人の紹介でした。Masayoshi Sonという人間がいると聞いていたんです。

僕はその直前に500万ドル(約5億円)を調達していたので、投資をもらうつもりはなかったのです。会場に入ってみたらみんなギラギラした経営者でした。

マサと会って、5分間将来の話をしていると、次は彼の方から「お金の話をしろ」と言われたんです。

(会場笑い)

マ:「お前はお金をつかえ」と言われました。

小:そこから友達になったのですか?

マ:そうですね。当時みんながインターネットの話をしていましたが、その可能性を本気で信じている人は中国にほとんどいなかったと思います。

僕は同じビジョンを見ている人を探していたんです。
犬と狼はよく似ていますが、別物ですから。(似たような夢を語っていても、インターネットを信じていなければ別の生き物)

マ:僕には、僕なりのビジネスプランはあったが、いわゆる事業計画はありませんでした。

③2人が考える、お互いという人間

小:そこから孫さんがメンターになったんですか?

孫:いや、メンターというより、世界をどうかえるか、未来について語ってきたので…

マ:友達、ソウルメイト、インターネットで世界を買える心の友、お互いの得意分野も苦手分野もわかるパートナーという感じです。
パートナーはお互いの強み、弱みを把握することが大事ですね。

マサは未来を信じて、ビジョンがあり、ガッツがある。そして、それをもって投資ができる。

孫:そのガッツが損を生むこともあるけれど。

(会場笑い。WeWork…!)

マ:なかなかそういう人は世界にいません。僕は僕として得意なところを持ち寄って協力したいのです。

もちろん、たまに喧嘩もします。ストリートファイターではないが、意見が合わないときは議論をたくさんします。敬意を持ちながらも意見をぶつけているのです。

孫:ジャックが一番得意としていることは人への思いやり
人を育てる、良いところを伸ばす、という部分がとても上手です。

彼は数学、プラグラミング、法学や会計のエキスパートではありません。でも、個々の専門家がいるのだからそれは任せたらいい。

ジャックは、各分野の優秀なひとを引き寄せられる。そして、若い世代をそれぞれの道の専門家に育てられる力があります。

④異世界のサシ飲み。組織と理念について

孫:昨晩、ジャックとサシ飲みをしました。よくやってるのですが、ずっと何時間も組織や理念について語っていました。

ジャック、語ってあげなよ。

(孫さんからの突然のパス)

マ:CEOというのはリーダーです。会社を率います。
将来に向かって方向性を定めます。もちろんそこには良い方向、悪い方向がありますが、良い方向性に向けてインスパイアしながら導くこと、そのために従業員を育てること、彼らが良い仕事ができる材料や道具を与えること、未来は明るいと思ってもらうことが大切です。

会社にとって一番の商品は従業員になります。彼らがいなければ製品もサービスも良くなることはありません。大学でいうなら生徒ですね。

人をエンパワーすることでビジネスは加速します。それが僕の価値観であり、ミッションです。

だから、CEOとは「Chief Education Officer」なのです。

小:はじめて話した10分間。彼が良い目をしていたなど、たくさんの理由があると思うが、投資を決めた一番の理由は?どうやって見抜いたのですか?

孫:犬と狼は似ているが違うという話が出たが、犬は犬同士、匂いでわかるんです。僕は彼が同じ血の流れが流れた動物だと思いました。クレイジーな者同士わかったんです。クレイジーだがバカではありません。

5分間、彼の理念、ビジョンを聞きました。
多くの人は論理的に正しいことを話します。しかし彼はパッションを持って、心から信じていることを話しました
美しい画像やデザインのプレゼンではないんです。僕はそんなものがほしいわけじゃない。心を感じたんです。

ちなみにジャックはこれまでにプレゼンの資料をもってきたことはありません。それでも彼が話し始めると信念、情熱、闘志を感じるんです。

彼の話を聞いて、世界が変えられることがよくわかりました。
だから「僕のお金をもっていけ」と伝えたんです。

なんなら、最後の5分は僕からお金をもっていくように説得したんですよ笑

マ:5,000万ドル(約50億円)のオファーをいただきました。でも僕は10分の1で良いと言ったんです。それまでそんな大金をもったことはなかったから。

結局、素晴らしいCFOがいたから決断しました。

でも5千万ドル(約50億円)、4千万ドル(約40億円)と交渉して、最後は2千万ドル(約20億円)まで下げていきました。(まさかの逆交渉www)

自分が戦っていること、その信念を信じてくれない投資家を信じたらダメです。
やっぱりお客様が一番、従業員が二番、そして最後が投資家です。
でもこれを言うと、投資家はみんな嫌な顔をする。

ある投資家は「そんなこというなら投資しないぞ」と言いました。
だから僕は「僕はもう嘘を付きたくないから、それなら株を売ってくれ」と伝えたんです。

やっぱり、お客様→従業員→投資家の順番です。

僕は、パワーポイントでのプレゼンはしません。僕は僕で話ができます。投資家の好むような計画を話すことはしません。多くのひとがやっていますが、それはよくありません。

小:孫さんは彼の有能さに気づかれたんですね。

⑤20年経ってみて思うこと

小:初めて会ってから20年が経ちましたが、お互いのことをどう思いますか?

マ:年取ったね(got old)。

(会場笑い)

マ:ふたりともパッショネイトです。未来を信じています。

孫:ジャックは変わってない、ご覧いただけるように、彼はお金を追いかけてるわけではありません。自分がやらないといけないことだけやっています。そして、若い起業家の育成が今の彼のミッションです。

彼は初めて会った日からそう(後続の育成について)言っていました。
やりかたも信条もずっと変わっていません。

ジャックはいつも若い人の育成に関心がありました。小さな起業家や商人へ、夢やチャンス、戦う機会を与えることに興味があるのです。

アリババ創業前も、教師だったしね。

マ:そうだね。一方でマサは人への投資に興味があるね。

孫:歳を重ねてもふたりとも変わらないね。

⑥起業家として重要なことはなにか?

小:起業家にとって重要な条件はなんでしょうか?

マ:未来を信じること、これがまず大切。これがないと起業家にはなれません。
そしてチームを信じることです。僕たちはチームで戦います。
明るい見通し、楽観的に考えられることも必要。つらいことも多いが、だからこそ明るく乗り越える。
僕自身、とてもチャレンジングで、人と働くことを好み、とにかく明るく働いています。

孫:僕らの共通点は、十分なお金を最初からもっていたわけではないのに、大きな夢、情熱をもっていたことです。
すばらしい大きな夢、ビジョン。そして情熱を持ち、チームを創ってそれらを実現してきた。

お金を追いかけていたら、お金は逃げていきます。
でも、夢を追いかけていたら、お金が追ってくる。

マ:お金を持つと失敗しやすいんです。お金がないと失敗しない。

私がいま持っているのは皆さんからもらっているお金です。だから責任がある。彼らへのリターンとなることをしないといけない。

例えば、100万ドル(約1億円)あるなら、「僕が稼いで貯めたお金」だと思えるでしょう。
でも、お金が増えてくると、悩みのタネが増えます。2,000万ドル(約20億円)となると、企業の評価額がどうだ、株価はどうだなんて考えてしまう。
10億ドル(約1,000億円)までいくと、もはや自分のお金ではありません。それはみんなからもらった「信頼」だから、ひとのために使う。それが「責任」です。

⑦AIと人の関わり方について

小:今回のフォーラムではAIを取り上げています。孫さんはAIユニコーン企業に1,000億以上を投資していますし、ジャックさんもアリババとして多くの投資をしています。お二人のお考えではAIがもたらす生活はどのようなものですか?どんなビジョンを見ているのですか?

孫:すでにAI企業に900億ドルほど投資し、現在セカンドファンドを用意しています。ファーストファンドと同じ規模のものです。

続く10年間でも僕は投資を続けていきます。

僕はとてもラッキーです。
なぜなら、AI革命が起ころうとしている今、この世にいて、かつ僕には十分な資金があります。意義ある変革へ投資、サポートができるんです。

人によってはすべて自分で発明しなければならないと考える人もいます。でも僕は、そう思っていない。
重要な発明や起業家をもっともっと見つけて、そこに力を貸すほうが重要なんです。

そういった起業家たちがみんなで世界を変える。そこでコラボレーションできればさらに世界を良くできます。

ジャックの場合は、人にとても関心があります。
僕はテクノロジーやビジネスモデルそのものに興味があります。

新しいテクノロジーやビジネスモデルを見ると本当にワクワクするんです。とにかく、嬉しい。楽しすぎて眠れないこともあります。

ビジネス目的、仕事だからやっているわけではないんです。本当に嬉しく、本当に楽しい。もはや趣味ですね。だから深くエンゲージメントします。

そしてそれが起業家たちへのエンゲージメントにつながっています。

小:14時間連続で会議をすると聞きました。途中で寝ているのかわかりませんが、毎日ですか?どんな感じ?

孫:仕事じゃない。ただ、楽しくてやめられないんです。アドレナリンが脳から出まくっています。AIってとても楽しい。

マ:アリババはAIを10年前から始めました。AIは、Artificial Intelligenceじゃなく、Alibaba Intelligenceだとよく言っています。

(会場笑い)

マ:データがたくさんあり、コンシューマーがたくさんいて、会社のオペレーションをよくするために技術を借りました。それがAIでした。

世界はITからDTへ変わっています。なお、DTはDonald Trumpではありません。

(会場笑い)

マ:Information TechnologyからData Technologyへの変化です。Dataは他のものへも力を与えます。

僕たちがこれを好む好まないに関わらず、その時代は来るんです。素晴らしい力を世界に与えてくれます。

でも問題が起きると思ってAIを懸念する人も多い。これは、受け入れる準備が整ってないから心配なだけなんです。あなたがAIのことを好むなら、AIはすぐにやってきます。

いま私はそんな人の心の準備を変えることに興味があります

これまでの教育は、知識を与えることが主でした。
でも、デジタル時代ではコンピュータのほうが、より多く、そしてより早く覚えます。間違えても、それを理解し修正できます。

だからこそDT時代では子どもたちへの教育を変えないといけない。

これまでの仕事がなくなると言われている。
そのとおりでしょう。こわいですが、それよりも楽しみが勝ります。

とにかく、教育を変えないといけません。

これまでは、人間が機械のように働く時代でした。
でもこれからは、機械が人間のように働く時代です。

人は機械ではありません。クリエイティブで建設的なことができるようになる。
学びはじめる、変わり始める、そして未来を受け入れていくことが大事です。

小:楽観視してますね。AIが世界を良くするんですね。

孫:そう。僕たちは動物的な勘でお互いが同じ未来を見ていることに気づきました。

AIは素晴らしいエキサイティングな社会をもたらします。人の世界を良くしてくれる。

これを根本的に信じているんです。説得するされるという話ではない、自然と信じてるんです。

だから一緒に戦って協力ができます。

⑧AI時代に必要な教育とは?

小:マーさんは教育の話をしましたが、具体的にどのような教育になるのでしょうか。

孫:議論すること、コミュニケートすること、議論をつくっていくことが大事です。

でもいまの教室はどうですか?みんな静かで、ひたすら何かを覚えようと一生懸命です。

年号がどうだとか、誰が何を発見したとか。でもそんなもの、Googleに載っているでしょう?

DebateしてCommunicateして、一緒にものを創っていくことが重要なんです。これからもっともっと必要になります。

ジャックは人が機械のように働いていたが、機械が人のように働く時代が来る、と言いました。本当にそうあるべきです。

おそらく、たった150年前。日本では明治維新がありました。
明治維新のとき、社会は劇的に変わったんです。

当時ですら、日本の人々の9割が農業を営んでいました。でも、いまはもう2〜5%くらいの数字です。

9割が農業だったときから劇的に変わっているでしょう?

その人達(農業をしていた人たち)は仕事を失くしましたか?そうじゃない。新しい仕事がありました。

もっともっとエキサイティングな仕事が生まれたんです。我々も教育も変わらないといけません。

マ:未来は変わっていきます。

覚えているならそれでいいけど、覚えていなければGoogleで検索すればいい。だったら、検索の仕方を学校で教えるようなことをしないと。

僕は大学をでて思ったんです。社会が一番の学校だと。
結局、常に好奇心をもって学ぶことが大事です。

例えば、博士号とか修士とか。そんなことが重要じゃないです。

常に学び続けることが重要です。
社会こそが大学であり、最高の教師は失敗なんです。

マサのいっているように、仕事がなくなるわけではありません。
20年、30年後は週3日、1日に2,3時間働ければ済むようになります。

私の祖父は1日18時間働いていました。常に忙しそうでした。
それが私達の孫(まご)、ひ孫になれば、週に3日、しかも1日に3時間だけ働いて忙しいと言っているでしょう。

過去200年で、製造業はたくさんの雇用を生みました。
これからの200年はサービス業です。

昔、祖父は人生において2,3都市しか訪れられませんでした。
でも、孫(まご)は2〜300都市を訪れられるようになります。

AIが悪いのではありません。受け入れる心の準備が整っていない人間が問題なのです。

小:昔お話したとき、将来的には一日に4時間働くことになるとおっしゃっていましたが、いまは3時間なんですね?(この訳、不安です)

マ:そうです。社会は進んでいます。

人は、働くためではなく、人生を楽しむために生まれているんです。
テクノロジーが働く時間を増やすなら、私はそんなの嫌いです。

⑨孫正義・ジャックマーをつくってきたもの

小:これを見ている皆さんは、あなたたち2人が理想の生き方・理想のキャリアだと思っているでしょう。だからこそ、そんなお二人に聞きたい。これまで生きてきた中で、10・20代のとき影響を受けたもの、インスピレーションを得たもの、あなた達の哲学の中核をつくったものはなんでしょうか。

孫:まず理想うんぬんの話ですが、私はまだなにも達成していません。いまはまだスタート地点。
まだやりたいことができていないんです。まだチャレンジしている、まだ戦っている。
僕の情熱、夢というのは今の自分よりももっともっと大きなもの、100倍くらいのものです。だから小さな一歩なんです。

小:夢は今の100倍だと?

孫:そうです。まだまだです。

話を戻します。僕が何からインスピレーションを受けたか?

それは、司馬遼太郎さんの『竜馬がゆく』という本です。

家庭教師の先生が教えてくれた本です。
教えてくれたその日、僕は眠れなかった。

晩御飯の前から読みはじめて、翌朝まで起きていた。
7巻か8巻のシリーズを毎日読みました。
最後まで読むまで止められなかった。

竜馬は本当にすごい人だと思いました。
彼は自分の心の中に革命をもっていました
自分の人生をささげてよりよい世界をつくったんです。

それを読んで、自分はなにをやってんだとおもったんです。
普通の学校で毎日楽しくやっている。でもこれじゃじゃよくない。
だから世界をもっとしろうと思いました。アメリカにいって世界をみようと思いました。

あの本が私の人生を変えたましたね。これまで、5,6回は読みました。
人生の岐路にぶつかるたびに読んでいますが、読むたびに表情が変わる本です。
自分のいる段階、それまでの学びによって学びが変わりました。

マ:僕もマサと同じで、何かを達成した気持ちはありません。キャリアがうまくいったとも思ってません。

成功したかどうかは死んだときのみにわかります。
キャッシュアウト、お金をつかうだけじゃ良くありません。(このあたりよくわからなかった…)

20代、30代の間は、良い会社ではない、良い上司を見つけましょう。
40代の間は、良い会社を見つけ、得意なことを精一杯しましょう
50代の間は、若い人を育てましょう。
60代を超えたら、孫や子どもの面倒を見て、自分の時間を大事にしてください。

それが人生だと思っています。

(この記事でも書いてありました。)

マ:僕は、カンフーストーリーが好きです。彼らはだれかを助けるために戦っています。テクノロジーも同じで、いろんなものを助けます。
僕は今、自分で経営することから人をヘルプすることに関心が移ってきました。

小:孫さんは竜馬でしたが、マーさんはだれから影響を受けましたか?

マ:キムヨンス(韓国の小説家)の本をよく読みます。ここに出てくる多くの架空の人が僕にとってロールモデルです。
どんな人からも学ぶことがあります。

例えば、みんなが悪いっていう人(bad guy)を、私は直接見に行って見極めたいと思います。素晴らしい人とみんなが言うなら、会ってみて、ちゃんと知りたいのです。

ある日、飛行機で雑誌を見ていたら、人徳者(great guy)についての特集がありました。よく読んでみると私だったんです。
私はそんなやつじゃないよ!と思いました。ちゃんと自分の目で見ないといけない。

この社会は多くの人の支えによって成り立っている。他の人の支えがあるから、自分がいます。年を重ねるほど、ロールモデルは自分自身であると思います。

孫:ジャックの言う通り。僕にとって、竜馬はスタート地点だが、あくまでもロールモデルのひとり。あと10人くらいはいろんな主人公やヒーローを思い浮かべます。

私は、父を尊敬しています。父と話をするだけでインスピレーションをもらうんです。
若い社員、起業家からも学ぶことがたくさんあります。敬意を払っています。輝く目をしているんです。

マ:そうですね。やはりチームワークを信じること情熱、そして助け合うことです。そういうものは年令問わず、大事です。

大学にいくたびに目を輝した若者と出会います。年をとってもそんな目をしていたら、問題になるだろうっていうくらいのギラギラさを持つ若者もいるんです。そういう若者と会っていきたい。

⑩若い世代に向けたアドバイス

小:若い方へのアドバイスはありますか?若いうちにこれは育てておけというアドバイスです。

孫:大きな信念をもつことです。大きな夢を持つことです。
自分の夢に対して、情熱を抱いてください。情熱が強いほど、達成できるものも大きくなります。

マ:楽観的に、そして愚痴を言わないで。”Be optimistic, don’t complain.”

若い人は文句を言います。それを見ているのはおもしろいのですが、例えば、チャンスがないとか、解決法がないとか。
でも、そういった環境での成長ってあるんです。
未来は明るいと思って、自分が変えるんだ、変えられるんだと思うことです。
逆に言えば、文句を言うひとが周りにいる環境はチャンスだと思います。(突き抜けられるため)

⑪世紀を超えて愛される会社へ

小:2人の共通点に長く続く会社をつくりたいというものがあります。孫さんは、300年続く会社を創りたい。マーさんは102年つづく会社。マーさん、なんでこんな細かいんですか?

マ:アリババは21世紀がはじまる1年前にできたんです。1999年です。だから確実に3世紀をまたぐように、102年と言っています。若い人がきちんと会社を育てていけば、実現できると思っています。

小:9月10日に会社を退任されましたよね。102年続いてほしいと言っています。孫さんも3世紀にわたっての企業を目指している。それぞれ、そのときに会社がどうなっていてほしい?

孫:ファウンダーとして、会社の未来には心を砕いています。僕が死んだ後、この会社がまだまだ成長し続けていけるか、会社が社会においてより重要性を増していくことができるかを考えています。この会社のDNAをつくった人間として、考えています。

一つの製品、サービス、ビジネスモデルがあれば、会社は数十年はもつでしょう。でも、素晴らしいビジョン、組織、カルチャーがあればおそらく300年、もしかしたら500年以上続くかもしれません。僕はそのことを信じてやっている。

組織構成を考えるにあたり、理念や文化も合わせて創っています。
100年先の予測は難しいから、具体的にビジョンを定めることは難しいですが、方向性を示す理念やビジョン、例えばAI革命という概念など、は考えることができます。
これによって人々の考えを刺激できるです。その方向性が続けばと思っています。

マ:僕も(アリババは)2〜300年つづいていける企業だとおもっています。

大学と教会は何百年もつづいていますよね?それは素晴らしい人、トップがいること、そして聖書のような本、フィロソフィーがあるためです。そういうものがあれば長く続きます。

102年後もアリババが続いているのなら、人も本も残っているはずです。
そのときに確かな価値を社会へ提供できるように願うばかりです。

⑫最後に

小:他に昨日のディナーではどんな話をしたんですか?

孫:組織、文化の話です。もしたったひとつの製品やビジネスモデルがあるだけなら300年は続きません。

でも100社あれば、そこには製品もビジネスモデルも100通りあり、起業家もそれだけいます。そして、彼らは社会に合わせて変化していきます。
その群のなかで一番輝いている起業家がいればいいんです。一つの信念、「デジタル革命で人々を幸せに」という考えのもと、みなで協力すれば良い
と思っています。

(ソフトバンクの掲げている"群戦略"ですね。この記事が詳しいです)

小:マーさん、アリババは日本に来ますか?

マ:もちろん。すでにきています。
お金を儲けるためではなく、人のためになる良いことを日本で行い、それでお金を貰えれば嬉しいです。それ以上良いことはありません。

小:おふたりとも本日は有り難うございました。

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いかがでしたでしょうか。

会場で実際に話を聞いた僕自身、本当に感激を受けました。

組織とはなにか、人生とはどういうものか。AIは私達の暮らしをどう変え、私達はどう変わらないといけないのか。最後には若い世代へのメッセージまで。

盛りだくさんの内容でした。

当日参加したくてもできなかった方や、孫正義氏とジャック・マー氏という生ける伝説の対談内容を知りたい方が多くいらっしゃると思います。

可能な限り多くの方に見ていただきたいので、こちらの記事はずっと無料公開する予定です。

なお、NewsPicks有料会員の方なら以下の記事でも内容が確認できます。僕も読んでみましたが、さすがのクオリティです笑

一方で、要点をつかみやすくするために話の順序が大幅に変えられていたり、2人の話が削ぎ落とされている部分も多く見受けられたので、会場の雰囲気まで感じたいという方には、できるだけ"そのままに"を意識したこのnoteをおすすめしたいです。

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夢に向かって情熱を持って、楽観的に、でも愚痴は言わず、突き進んでいきます。

有り難うございました!

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お読みいただいて有り難うございます!記事を有料にする気はありませんので、もしこのnote記事に価値を感じて頂けたら、サポートいただけると嬉しいです。

嬉しいです!有り難うございます
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「子どもが"世界で一番"ワクワクする機会をつくる」べく、Go Visions株式会社にてエデュテイメントTech事業『GoSOZO』に挑戦中 | それまではHRスタートアップでインド・アメリカ事業の統括をしていました | 外資クラウドにてセールス予定の20卒です

コメント1件

素敵なまとめありがとうございました!
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