今夜、向かってくる車のヘッドライトや街灯の光が霞んでいるのは眠気とアルコールのせいなんかじゃない。きっとこれはそう。きっとこれはそうなんだ、そう、これは....。

分厚い雲がラムネ色の衣を纏いこちらを見つめる頃、鋭く乱射する光線が1日の始まりを告げる。
9月下旬、蝉の声は無くなった。
まだまだ残暑、秋は徐々。

サウナ

ドクドク
ムシムシ
メラメラメラ
燃えてる
ダクダク
落ちてく
ポタポタ
汗まみれ
前髪
視えない
うつろに
歪んで
ジュ、
ジュワーん
ジュワジュワ
ジュジュジュ
時計の針が
おっそいねん
クラクラ
フワフワ
死んじゃうよ
だけどまだ
まだ
動かない
2になるまで
もうちょい我慢
扉にはやく
向かいたい
動けば動くで
ジリジリジリ
ここは砂漠か
はたまた
マグマか
歩いた先には
オアシス1つ
そ

左腕に太陽系。

登る坂道
上がる体温
ベタつく汗
沈むペダル
纏わりつく熱気
唸るチェーン
擦れるタイヤ
点滅する信号
見えるコンビニ
灰皿が１台
ふぅ
ここで、一服。

喫煙は水分補給

シャボン玉を吹きながら

「これが、天神祭で良いね」

蝉を見た。
小学生の時にみたセミより小さく視えた。
飛んで、ぶつかって、ベランダにとまった。
驚かしてやろうと思ったけれど、彼の寿命の話を思い出したので眺めておくことにした。

晴天、熱風、夏燦々。

夜、まっしぐら。
向かう時はいつでも、
民営鉄道をハイジャックしたい。

煙はプカプカ、クラムボンもプカプカ笑った。

猫が三匹。ゆらゆらごろにゃん。聞こえる馴染みのない言語。静止したブランコ。熱帯夜の空白。
このベンチで澄み切った水色が見えるまで飲もう。
今夜は。

週末、終電間近の車内は酒臭い。

その星はいま目に見えているが、
何億年も前に既に亡くなっている。

という事と、

近くにいてほしいけど、
キスはしてほしくない。

という感覚は似ている。

体系理解はできるが、納得がいかない。

死=存在の否定、 ではなく、
キス=好き、でもない。