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オワコンなPBWを最小単位で立て直す

昭和は遠くなりにけり

私も昭和50年生まれの氷河期世代です。平成を経て令和へ、もうふたつ前。昭和生まれから見たら、明治の人になったような感覚でしょうか。

かつてインターネットやMMORPGのなかった時代、郵便を媒体に隆盛を誇ったネットワークRPG「プレイバイメール」の末裔たるPBWも、もはや過去の栄光は望めない状況にあります。

長らくPBWを延命させてきた「イラストオーダーサービス」にも、SKIMAやココナラといった競合が増えました。さらには個人運営のSkebの成功を見てpixivまでが有償リクエスト機能を開始。「うちの子」のイラストを頼むだけなら、もうPBWを選ぶ必然性はなくなりました。

では、今の時代に適した「第3のRPG」のあり方とはどんなものでしょう。以下、運営の中核メンバーがほぼ全員昭和生まれであろう商業PBWのダメなところをぶった切っていきます。

作り置きのシナリオは、パサパサで不味い

マクドナルドですら、注文を受けてからバーガーを作る時代になりました。Made For You.

ところがPBW業界は、15年前からずっと作り置きが主流です。自分のキャラにあったシナリオなんて、めったに出てきません。以前はトミーウォーカーさんだけが、プレイヤーから要望を聞いてシナリオを作る取り組みをしてました。なんでやめちゃったんでしょうね。

本当はどんな困難を乗り越えてでも、お客さんの声を聞く努力を続けるべきでした。聞いたふりじゃ、ダメですよ。

具体的に指摘すると、TW3エンドブレイカー!以降のアイデア投稿系のシステムはTW6第六猟兵のフラグメント投稿に至るまで全部聞いたふりでした。お前のアイデア、歪めた上に使い捨て。提案者に失礼です。

まずここから変えましょう。シナリオは作り置きしない。ゲームマスターをする人も自分のキャラを持って、普段からプレイヤーとして遊んだり積極的に交流する。それで、事前に好みを聞き出しておく。

食材は事前に用意していいけど、食べる人の好みに応じて調理しましょう。誰のために作ったか分からないシナリオでは、誰からも見向きもされない。

プレイヤー全員をマスター予備軍に

マスター試験なんか、やめましょう。過去PBWで実績のある人を、無試験で採用するのもやめましょう。もう古い常識は通じないんだから。

一般プレイヤー全員を対象に、ごく普通に遊ぶだけでマスターとしての素養も身に付く学習コースを開発する。テーブルトークRPGと同じくプレイヤーもマスターの手助けができるようにする。マスターが運営側、プレイヤーがお客さんの立場に引き裂かれていると歪みが生じます。協力してお話を築き上げる同志なんですから、本当は。

こうすることで、悪質クレーマーの発生を予防します。PBWに来るべきではない人をふるいにかけて、お帰りいただきます。

・ランキングで上位を狙いたい人
・ガチャで大当たりを求める人
・他人を蹴落として出世競争を勝ち抜きたい人

以上のような人は、来ないでください。

ぐだぐだ長文マニュアルは要らない、必要なのは原作小説

説明書を読まない人が、世の中には一定数います。そんな人にマニュアルを読ませようとしても無駄です。じゃあどうやって、ルールや設定を覚えてもらえばいいんでしょう。

その答えが原作小説です。物語に引き込んで一気に読ませてしまえばいい。主人公か仲間に「何も知らない初心者」のポジションを与えて、少しずつ世界の常識を学んで成長していく姿を描けばいい。漫画だとなお良し。

公式設定至上主義はくたばれ

種族「人魚」は追加予定ありませんとか、素手で戦うキャラは作れませんとか。そんな言い訳は聞きません、できる理由を考えなさい。公式設定なんかテーブルトークRPGみたいに、必要に応じて魔改造すればいい。

公式設定の改変を認めない=アレンジレシピ禁止ってことですよ。

だから改変しやすいように、複雑なプログラムは組まない方がいい。私もかつて、個人でなりきりSNSを開発しようとして挫折しました。ユーザーの声を聞かずに見切り発車で組んでしまったシステムを後から変えるのは、大変な手間です。

公式設定はただの初期設定、デフォルト。それを70年以上変わらない日本国憲法みたいに守り続けるのは、ただのアホ。現実に即したアップデートが必要です。若者が寄り付かない業界になってますよね?商業PBW。

使いたいキャラ、やりたい物語があったら、世界設定の方を合わせる。個人運営なら、柔軟にできますね。

ただの個人にもできそうなこと

以上の考えを踏まえて、私が個人でもできそうな「第3のRPG」のカタチを模索してみました。

・まずはnoteとかで原作小説を発表。物語形式のマニュアル兼商品サンプル
・noteのサークル機能とかで読者と交流、フィードバックをもらう
・pixivとかで小説のリクエストを受け付ける
・イラストはSkebとかで、個人で発注してください
・自分でプログラミングはしない

それのどこがRPGなんだ、と思う人もいるでしょう。私の考えるRPGの本質的な楽しみ「プレイヤーが役者になり、キャラのセリフや演出を考える」ことです。ごっこ遊び。

通信機能も無い昔のファミコンにはそれが不可能だったから、代用品としてみんなのよく知るドラクエとかが生まれました。でも代用品が本物の地位を奪ってしまった。こうして元祖のRPGは、ゲームソフトと区別するために「テーブルトークRPG」「Tabletop Role-Playing Game」と呼ばれるようになりました。

スクエニはドラクエTRPGを出すべし!

日本では30年あまりの間に、元祖のボードゲームRPG本家のゲームソフトRPGの間に深い分断が生まれてしまいました。

スクエニは責任とって、ドラクエのTRPGを出しなさい。ガチャゲーなんか乱発してる場合じゃないよ。日本人の多くは、まだ本当のRPGを知らない。

MMORPGでもPBWでもやろうと思えばできるのに、そもそも「なりきる」文化が定着してません。もったいない。

ドラクエウォークとか見ていても、どんどんRPGの本質から脱線した方向に迷走していくのは悲しいです。よくテレビで紹介される、海外で誤解された日本食や日本文化を見るような気持ちです。スシポリスだ!

というわけで、近日中に。遅くとも年内には個人で小規模な「小説RPG」をはじめようと思います。まずはお品書きをつくるところから。

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