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林業家との出会いが、わたしを変えた / 佐川町を冒険して(あゆ) #Season3

こんにちは!運営チームのあゆです!

innovationGO Season3 FINDコース、第3回目の冒険は…高知県佐川町を舞台にテーマは「林業」です。

U-18は、「やってみたいかも?」をみつけるために全6地域を冒険し、未来をつくるアイデアを考えることに挑みます。

冒険で出会ったひと・もの・ことや、ワークショップでU-18が考えたアイデアを、わたしの気づきと一緒にまとめてご紹介!

このnoteが、「やってみたいかも?」のアイデアをみつけるきっかけになれば、嬉しいです!


1. 森林が広がる地での出会い

今回訪れたのは、高知県佐川町。高知県の中西部に位置する、自然が豊かで、農業や林業が盛んな町です。

高知県は日本一の森林面積であり、なんと84%を森林が占めているそう!今回のフィールドワーク現場のすぐ横にも、森林が広がっている様子を見せてくれました。

佐川町は、自然を活かした農業や林業が盛んに行われています。特に「自伐型林業」を積極的に行っている町ということで、インタビューで詳しく教えていただきました!

地域を案内するナビゲーターとして学校と地域をつなぐ活動をされている大道剛さん(文鳥習社)、佐川町で活躍するローカル・プレイヤーとして自伐型林業を行う滝川景伍さん(林業家)にインタビューしました。

左からローカル・プレイヤーの滝川さん、ナビゲーターの大道さん


2. そもそも、自伐型林業って?

インパクトのあるチェーンソーの音と映像からスタート!これが佐川町の自伐型林業の作業風景。

林業という業種に馴染みがなかったわたしでも、興味津々で見入ってしまいました。

映像を踏まえて、林業家の仕事は木を切ることと、木材を運ぶための道造り・木材の運搬という大きく分けて2つあることを学ぶことができました。

続いて、滝川さんが取り組んでいる「自伐型林業」について、教えていただきました。そもそも、自伐型林業って???

通常行われる大規模林業では、木を育てて一気に伐採し、木材として出荷するまで約50年かけて行います。対して滝川さんが行う自伐型林業は、10年間で少しずつ木を切って、長い時間をかけて育てるサイクルなのだそうです。

大きな違いは、山の生態系を保ったまま木材をつくることができること。

皆伐ではなく、間伐をすることで山に木がない!という状況にならず、土砂崩れを防ぐこともできるそうです。

木々が茂った山を、将来へ繋げていくことができる自伐型林業。

わたしは今回お話を聞くまで、林業は大規模林業のような皆伐だけだと思っていましたが、自伐型林業のように間伐をして、森の状態を保つ方法もあるということを学びました。

滝川さんは、以前出版社に勤めていましたが、友人が自伐型林業に取り組んでいることを知り、話を聞くと林業の新しい世界に気づいたんだそう。それから、高知県佐川町に移住し自伐型林業に挑戦することに。

新天地で、新たな業種に挑戦する滝川さんの遂行力に驚きました。


3. 林業家としての意志と挑戦


林業を行う上で密接に関わる、自然のつながり。

雨は山でろ過され、川になり、田畑に流れて作物を育てたり、流れて海になる。この自然のサイクルの中で、山は多様な生態系や風景をつくる役割を果たしているのだそうです。

そんな山で作業を行う滝川さんは、「植えたからには、責任をもつ」と話されていました。

この言葉を聞いて、自分たちの生きている現代だけではなく、将来の自然環境にも影響を与える林業家としての責任感や、強い想いを感じました。

特に自伐型林業は、ながーく山と付き合うわけになるわけです。だからこそ、継続的にその山で林業が行える持続性も大切になります。そう、経済も考えなくてはならないのです。

ここで滝川さんが取り出したのが、ヒノキで染めたハンカチ、薪割り台(薪を割る際に安定させるための土台)。

なんと全てが、自伐型林業で出た木材の使いずらい部分からつくられたもの!こうした付加価値をつけることで、経済を循環もつくろうとされていたのです。

つくられた製品は、どれも木の温かみがあり、それでいて林業に縁遠い人でも、手に取りやすいものばかりでした。このような木工製品がわたしたちの生活に溶け込んでいってほしい...!

わたしがこのように感じたように、滝川さんもまさにこうした商品を通じて、林業のイメージも変え、人々と林業をつなげたいそうです。

これこそが、滝川さんの林業の未来をつくる挑戦です。

ヒノキ染めのハンカチを紹介する様子


4. U-18が考えたアイデアは?

佐川町のインタビューを通して、U-18はなににワクワクし、やってみたいかも?と感じたのでしょうか。ワークショップで出たアイデアをグラフィック・レコーディング(グラレコ)でご紹介します!

U-18のアイデアを記録したグラレコ

アイデアの中でわたしが印象に残ったものは、「佐川町の木工祭」です。

林業に興味を持ち、思い入れのある山をみなが持つことができる未来を設定しました。この未来は滝川さんへのインタビューで、人々に林業に興味・関心をもってもらうことの必要性を感じたことが、きっかけとのこと。

そこで、ヒノキ染めなどの木工体験や、木の器を用いて食事を提供することで木に触れる機会を増やし、佐川町の林業に目を向けてもらおうと「佐川町の木工祭」というアイデアを考えたようです。

様々な形で自伐型林業で育てられた木材に触れることができ、今まで林業に関心が薄かった人でも、親しみやすいイベントになると感じました。

木工祭を通して、地元の山にも目を向けてもらうことがU-18の最終目標だそうです。林業や山に対して、自分ごととして向き合えるようになる。そんな素敵なアイデアを、ありがとう!

他のアイデアも、いままでよりも林業との距離がぎゅっと縮まるようなものばかり。

U-18の中には、自然に関わる機会がほとんどないと話してくれた子もいました。そんなU-18が、林業に関するアイデアを真摯に考える姿は、わたしにとって刺激になりました。


5. わたしが冒険で感じたこと

今回、高知県佐川町を冒険し、林業について出会いました。

わたしは豊かな山や森に囲まれて過ごしてきましたが、林業に関する知識や関心はあまりなく、縁遠いものだと思っていました。ただ、こうして縁遠いものと感じしまうことが、自伐型林業の発展を難しくしていることに気づきました。

自伐型林業は、時間がかかる。つまり、ながーく山と付き合う必要がある。でも、ながーく付き合うためにも、経済のことも考えないといけない。そして、経済をまわすためにも、わたしたちが林業に興味・関心をもつ必要があるわけです。

でははたして、林業というものは、わたしたちにとって縁遠いものなのか。

わたしのお気に入りのテーブルは、木製です。木目や木の風合いがそのまま活かされているデザインで、とても落ち着きます。

このテーブルを作るためには、木材が不可欠であり、木材をつくるためには、木が必要になります。その木は、他でもない林業家の方々によって育てられています。

縁遠いと思った林業は、実はわたしの生活と繋がっていました。

わたしたちが縁遠いと感じているもの。

本当にそうなのか?周りを見渡して、よく考えてみよう。

決して繋がりがないわけではないはず。でも、その木材はどこからくるのだろうか。それを支える林業家のこと考えたことはあっただろうか。

わたしたち一人一人が林業に興味・関心をもち、林業家を応援していくことで、日本の林業の未来を変えていくことができるはず。

どうしたら林業に興味・関心をもってもらえるのだろうか?どのように林業家を応援してもらえるのだろうか?と考えている、自分がいる。

林業家との出会いが、わたしを変えた。


あゆ



☆U-18の知らない佐川町の世界☆
この記事の冒険の動画を、こちらから観ることができます!きっと、あなたの「やってみたいかも?」がみつかるはず!

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<この記事を書いた人>
あゆ。長崎県壱岐市出身。大分大学経済学部所属。i.clubインターン2期生。インターンでは、イノベーションや探究活動について学習中。猫と音楽と本が好き。Season1参加者。Season2高校生メンター。Season3からは大学生メンター&運営チームとして活動。

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