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シニアになって働く意味を考える⑫ ~じじい3人座談会@中華屋さん~

 今回はいつもの一対一のインタビューではなく、シニア3名(58歳、60歳、私61歳)の座談会です。町の中華屋さんで飲食しながらだったこともあり話題がアチコチに飛んでいます。
 各人のプロフィールを紹介しておくと、シニア58歳は親御さんの介護で離職中、シニア60歳は定年後再雇用中、シニア私61歳は定年がないので会社員継続中。

昔話から(シニアが寄れば自然な流れ)、「昭和の良き時代」はトンデモナイ

 我々が働き始めた1980年代は、土日出勤もフツウで月間の残業は80時間も当たり前。その残業手当を流行の電化製品(TVやビデオなど)や自動車購入に充てていました。「給料の手取りが増え、モノを買う」という経済成長好循環のお手本のような時代だったんです。
 タバコを自席で吸うのも普通。事務職の女性が毎朝お茶を入れてくれました。パワハラという言葉もなく、そんなものだと思っていました。
 「昭和の良き時代」などと言われる方がたまにいますが、私はトンデモナイ超ブラックで暗黒の時代だと思っています。「良き時代だった」って言う人は、無自覚にパワハラした側の人じゃないかなぁ、って思います。

お金や年金の話題ははずせない、国の支援制度は自分で申請しないと受けられない

 我々の年代を界に年金支給時期が60から65歳になり、「60歳定年は経済的にできなくなったよ。パワハラ先輩たちは60歳から(あるいは65歳前でも特別支給で)支給されていいなぁ」(身内同士のお酒の入った席での話です、すみません。我々より若い世代はもっと厳しいかもしれません)
 高年齢再就職給付金、高齢者雇用継続基本給付金、配偶者加給年金、振替加算、特別支給の老齢厚生年金、雇用保険からの基本手当(失業手当)等々、制度が難し過ぎる。
 定年や再雇用時期をむかえるシニアはしっかり勉強して、もらえるものはもらわないと。基本的に自分で申請しないと受けられないのが国の支援制度です。
 「投資はどうなの?」の話題もでる。「昔、株で儲けたこともあったけど、今親の介護で無職」とか「退職金全部で家のローン完済」とか「今さら(老い先も長くないのに)短期で儲けるなんてどうよ」とか。シニアは慎重であるべきか。
 

リスキリングって何?


 離職中シニア58歳は、就業復帰の準備として、総務省・経済産業省やGoogle、その他企業が協賛しているサービス「日本リスキリングコンソーシアム(リンク)」に登録したという。人気の高いコースはプログラミングやWebマーケティング等の若手向けで、基本自習型なので継続する強い意思が必要だそうです。
 政府や日経新聞や転職支援業界などは、「学び直し(リスキリング)は世界的なトレンド。日本ではデジタルスキルのある人材の割合が諸外国に比べて低く、2030年までに自動化によって代替される雇用の比率が高い」など煽っています。
 働き方もシニア個人が主体的に選んでいく時代が到来か?「そのためにはシニアもリスキリングだぞ」「既得権と言われても再雇用制度も悪くないよ」などの意見もでる。
 

最後は健康や病気自慢で「幸いにもxxx」が合言葉に


 この座談会の一番の若手(といっても58歳)は、親御さんの介護で離職中。その親御さんが老人ホームに入ってから体力的な面では楽になったが、メンタル的な負担がまだまだ大きいという。さらに、彼は過去心筋梗塞になり手術でステントを入れ血管を広げている。幸いにも回復したが、血管へのカテーテル(管)挿入の定期検診が欠かせないそうだ。
 60歳シニアは、数年前の健康診断で大腸がん(7cm大の腫瘍)が見つかる。切除手術を行い、彼も定期健診は欠かせない。幸いにも転移は見られない。
 私61歳シニアは飛蚊症。眼内の老化で網膜の一部が剥がれ、ミミズみたいな黒い影がずっと視野にいる。検査の結果、幸いにも網膜剥離までは至っておらず治療の必要なし。視野中の影は慣れると気にならなくなるって言われた。確かにその通りでした。
 というように、シニア3人とも「幸いにも」を経験していることになる。3人とも「不幸にも」にならなくて「幸い」です。

働く意味って?みんな、真面目に考えたことなさそう

 このNoteに掲載している一連のインタビュー記事では、そのヒントを「働く理由の8区分」から考えています:カネ、自己実現、社会貢献、承認欲求、自立、地位獲得、他者との絆、その他(仕事があるという幸せ、色々な経験、不安の解消など)
 シニア3人とも目の前の「生活のための仕事、健康、介護、年金など」に意識がいきがち。そもそも「働く意味」を考えるという問いがおかしいのか?でも私個人的にはもう少し、このテーマを探っていきたいと思います。

後記:


 この記事を書いてNoteにアップする前に思いついたことがありました。60歳になっても、まだまだ目先の事に意識がいきがちというのは「現状維持が安心だ」みたいなものかと?60歳前後の年齢では、(よほどの出来事に遭遇しない限り)若い頃と同じイメージの中で生きている気がするからです。どう思われますか?

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