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innov. note #1 心理的安全性

innov.メンバーが持ち回りで書いていくinnov. note.

記念すべき第1回目のinnov. noteは、Koheiが執筆させていただく。
(どんな企画も、言い出しっぺがやり始めないことには始まらないし、本当にやりたいなら誰の許可を得るでもなく、自分で始めちゃえばいいのである。)

「心理的安全性(Psychological safety)」

今回のinnov. noteでは、「活躍するチームと心理的安全性」に関して、Google子会社のre:Work社が親会社Googleに対して行なった調査の結果を邦訳する。
(Googleは、自社を研究対象として研究させる会社を子会社として持っている。なんという、素晴らしい会社だ。)

昨日、僕がinnov.とは別でやっているプロジェクト(100BANCH - Filter Bubble Busters)関連で、公文国際学園高等部の熱きエース教員・斎藤先生と面会させていただき、授業も見学させていただいた。

斎藤先生の高校2年生の地理の授業では、水害対策に関するグループディスカッションが行われていた。生徒さんたちの発言内容は玉石混合だったが、生徒さんたちはとても積極的に発言していたし、グループディスカッションでも活発な議論が繰り広げられていた。僕は「いや〜めっちゃいい雰囲気だな〜」と思ってその光景を見ていた。

授業後にご飯を食べながら話している時、斎藤先生が「挑戦できるのって、やっぱり、戻ってこれる場所とか、安心できる場所があるからだと思うんだよな」という趣旨の発言をした。そこで、僕はICU時代に卒業論文(「持続するホラクラシー型経営組織に共通する特徴」)を執筆する中で知った「心理的安全性」というキーワードと上記のre:Work社の調査を思い出した。

斎藤先生にこの調査結果を知ってもらいたいし、innov.メンバーにも、また、僕の友人知人でチームに属して活動する皆さんにも、「心理的安全性」について知ってもらえたらと思い、今回のnoteを書くに至った。

「より良い結果を追い求めるには、心理的安全性が重要である」
この調査結果をチームメンバー全員が知っており、チーム全体として心理的安全性を大切にするチームと、そうではないチームでは、チームとしてのパフォーマンスに雲泥の差が出ると思う。

(以下、re:Workによる調査記事の翻訳 by Kohei Koyama)
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グーグルで活躍するチームにおける5つの特徴
(The five keys to a successful Google team)

ポッド。ワークグループ。委員会。自律的な集団。
どのような呼び方をするとしても、あなたはGoogleでも、おそらくどこの会社でも、「チーム」の一員です。もし、優れたマネージャーの特徴を知っているのなら、優れたチームの特徴も知りたいと思いませんか?

GoogleのPeople Operations(HRと呼ばれる)のグループは、データと厳密な分析を使用してこの質問に答えようとしました。

「Googleのチームを効果的に機能させるものは何か」

本日AP通信に調査結果を公表しましたが、ここでも結果を共有します。
2年以上にわたり、Google社員(従業員)に200以上のインタビューを実施し、180以上のアクティブなGoogleチームの250以上の属性を調査しました。
私たちは優秀なチームに必要な個々の特性とスキルの完璧な組み合わせを見つけることができると確信していました...Rhodes Scholar(オックスフォード大学院でローズ奨学制度を利用した卒業生)を1人、外向性の人を2人、AngularJS(グーグルが開発しているwebアプリケーションフレームワーク)を使いこなせるエンジニアを1人、博士号取得者を1人。はい、出来上がり。ドリームチームが結成されましたよね?

そう、私たちは完全に間違っていました。
チームメンバーが「どのようにやり取りし、どのように仕事を行い、どのように自分たちの貢献を捉えるか」の方が、「誰がチームにいるか」より、はるかに重要です。誰をチームに入れるかに関する魔法のアルゴリズムを信じることは、もうやめにしましょう。

「5つの特徴」

調査の結果、Googleにおいて「成功するチーム」と「そうではないチーム」を区別する5つの主要なダイナミクスがあることが分かりました。

1. 心理的安全性
不安や恥ずかしさを感じることなく、このチームではリスクを取ることはできますか?

2. 信頼性
質の高い仕事を時間通りに行うために、お互いを信頼することができますか?

3. 構造の明確性
チームの目標、役割、実行計画は明確ですか?

4. 仕事の意味
私たちは私たち一人一人にとって個人的に重要な何かに取り組んでいますか?

5.仕事の影響力
自分がやっていることは社会にとって重要であると根本的に信じていますか?

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上記の5つの質問に「はい」と答えたあなた、おめでとうございます。おそらく、パフォーマンスの高いチームに所属しています。そうでない場合、すべての希望が失われるわけではありません。これは、どこに焦点を当てるのか、どのように改善するのか、そしてこの概念についてチームメイトと構造化された議論を行うために役立つショートカットです。

「心理的安全性」が全ての土台

心理的安全性は、5つのダイナミクスの中で最も重要なものであり、他の4つのダイナミクスを支えています。

チームメンバーに囲まれた中でリスクを取ることは簡単に思えますが、最後にプロジェクトで作業したときのことを思い出してみてください。ループの外にいるのは自分だけであるかのよう思われてしまいうのではないかと感じるリスクなしに、チームの目標は何かを尋ねることができましたか?「そんなことも分からないのか」と思われることを避けるために、何も明確にせずに作業を続行することを選択しませんでしたか?

結局、私たちは皆、他の人が私たちの能力、認識、および積極性をどのように知覚するかに悪影響を与える可能性のある行動を取ることに消極的です。この種の自己防衛は職場での自然な戦略ですが、効果的なチームワークには有害です。反対に、(心理的に)より安全なチームのメンバーは、お互いに共鳴しあい、間違いを認め、パートナーになり、新しい役割を引き受ける可能性が高くなります。そして、この安全性は、Googleにおいて従業員を評価するために設定している、ほとんどすべての重要な項目に影響します。心理的安全性が高いチームの個人は、Googleを離れる可能性が低く、チームメイトからの多様なアイデアの力を活用する可能性が高く、より多くの収益をもたらし、幹部によって2倍の頻度で評価されます。

Google社員はデータが大好きです。しかし、彼らは「データ遊び」がしたいわけではありません。彼らは行動したい。そこで、gTeamsエクササイズと呼ばれるツールを作成しました。5つのダイナミクスの10分間のパルスチェック、チームの状況をまとめたレポート、結果を議論するためのライブの対面会話、チームを支援するための開発リソースの調整改善するツールです。過去1年間で、300チームの3,000人以上のGoogle社員がこのツールを使用しています。これらのGoogleチームのうち、新しいグループ規範を採用したチーム(前週に取ったリスクを共有することから、毎回のチームミーティングを開始するなど)は、心理的安全性評価で6%、構造の明確性評価で10%向上しました。チームは、チームの有効性に関するフレームワークとこれらのダイナミクスについての議論を促す仕組みはこれまで存在しておらず、このフレームワークはこれまでの経験の中で最もインパクトのものである述べました。

ダブリンの営業チームからマウンテンビューのエンジニアリングチームまで、このフレームワークに焦点を当てることで、あらゆるタイプのチームの改善に役立つことがわかりました。

更新:本研究の全容と詳細、および、チームが心理的安全を促進するのに役立つツールを、re:Workガイドでご覧ください
←もし興味があれば読んでみてね!

(翻訳: Kohei Koyama)

ちなみに、こちらのURLで、本家googleさんが超絶丁寧に深掘りしてくださっているので、時間ある方はぜひ読んでみてください!(日本語の記事です)

僕の解釈

僕は「心理的安全性」という抽象的なコンセプトを「『失敗しても大丈夫だ』と思える雰囲気」という風に解釈している。
狙ったパスが通らなくても、「ナイストライ!」「惜しい!」と励まされ、「よし、次はワンテンポ早く出せるように頑張ろ!」と、失敗をポジティブに捉える事の出来る雰囲気。
ディスカッション中の発言が、ちょっと論点からズレちゃったとしても、「それはgood pointだけど、後でじっくり話そうぜ、今はこれについて議論しよ〜」と優しく言われ、「あ、そうか。次からもっと議論を俯瞰して見れるように頑張ろ!」と素直に失敗を次に活かせる雰囲気。

そういった雰囲気の組織では、メンバーが安心して挑戦を繰り返すことが出来る。「挑戦→失敗→学習→成長→挑戦...のサイクル」を素早く回すことができるから、メンバーの成長が促進され、その結果、組織としても良い結果を出せるだろう。

僕は、この調査を知って以来、心理的安全性を意識したチーム運営を行っているつもりだ。(結果を出したい!と強く思うあまり、チームの心理的安全性を損ねるような言動をしてしまう時もあると自覚している)
しかし、「結果を出したい」と思うなればこそ、「チームの心理的安全性を大切にする」というマインドセットを常に忘れずに持つことが重要になってくると理解している。

より現場レベルでの工夫としては、同じことを言うにしても、心理的安全性を高める伝え方と、心理的安全性を損なう伝え方があると思うので、心理的安全性を意識した伝え方を常に模索するとかも有効だと思う。相手の受け取り方を考えてから喋るということだ。これは、もう、1人の人間として、me better than yesterdayになるため、サボらず頑張ろ。

また、個人的に心理的安全性を高めるには、潤沢な貯金があったり、複数の収入源を持っていたり、安心できるパートナーがいたり、複数のコミュニティに属していることが大切だと思う。仮に1つの事でコケてしまっても、自分にはその失敗を活かす別の場所があるし、傷を癒すための安全地帯もそのための時間もある。と思えると、個人的な心理的安全性が高まり、より自由にリスクを取れるようになるのだと思う。

僕の所属しているチームはinnov.然り、クィディッチ然り、フィルターバブルバスターズ然り、スモールチームが多いので、「みんな、心理的安全性を大事にしていこうよ!」をチーム全体の共通認識として確立しやすいし、チームとして心理的安全性を大切に出来たらもっと良いチームになれると思う。このnoteがその1歩になるかなとか、思ったりもしている。

余談だが、先日、大学時代の寮のサッカーチームのOB/OG戦に行ったら、現役チームの選手がクリエイティブなパスに挑戦して失敗した時「ナイスアイデア!」「ナイストライ!」という声が飛び交っていた。心理的安全性を高める声かけで、すごくいいなと思った。

innov.
Kohei Koyama

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