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【毒親連載小説#58】オーストラリア編 6〜中庸への道〜

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結婚式を挙げたばかりの
2015年4月。

私たちは韓国での挙式を終え、
中国に戻ったあとすぐのこと
だった。

旦那は突然、
オーストラリアでの仕事が
決まったと私に教えてくれた。

それは同時に私の長年の
中国生活の強制終了を意味した。

彼は今までのエンジニア専門職の
キャリアを捨て、
新しい分野の会社の代表になった。

この大きな変化の渦に
吸い込まれるかのように、
私は今まで培ってきた中国での仕事も
生活もキャリアも人間関係も…
あとは過去の栄光も全て投げ打って、
未知の世界である
オーストラリアへの道へと
進むことになった。

いや、私には他の選択肢は
残されてはいなかった。

ただそのたった一つの道に
飛び込むしかなかった。

私は新しい世界にワクワクする一方、
この未知の世界に言い知れぬ恐怖を
感じていた。

この未知の国への渡航は、
私の今まで築いたものを
容赦無く奪い去っていった。

私はまるで荒野にポツンと一人
取り残されたかのような気持ちだった。

ここで私は一体、
何をすれば良いのだろう?
私には何も見えていなかった。

私に残されたもの。

それは旦那という存在。

それはまるで人生最大の
賭けをしているかのような
感覚だった。

英語が全く話せない。
仕事もない。
私は誰も知らない街でたった一人、
空白の時間だけがただただ流れた。

何もすることがなくなった私が
向かった先は、自分の体と心だった。

私は独身時代に貯めていたお金で、
カウンセリング、コーチング、
フラワーエッセンス、
コンサルティングなどを受けながら、
自分の内面に徹底的に向き合っていた。

また、独身時代に酷使し続けていた
私の体はボロボロだった。

海外に出てから
結婚するまでの独身時代は
自分のやりたいようにやってきた。

ビールが大好きだったし、
旦那には秘密だが
タバコも吸っていたし
不摂生ばかりで、そのしっぺ返しが
今になってやってきた。

そんな中、
オーストラリアに渡航したばかりの
2016年のことだった。

私の新たな出発の出鼻を
挫かれるかのように
私は2回目の流産を経験した。

(つづく)

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