見出し画像

オンライン授業は生徒の反応が見えなくてつらい

大学の先生からご質問をいただきました。
「オンライン講義をしておりますが、学生の顔や反応の見えない講義は精神的に疲れます。対処方法はありますでしょうか。」

これまで対面でしていた講義や研修をオンラインでせざるを得なくなった方が急増し、同様の悩みをよく耳にするようになりました。

驚かれるかもしれませんが、聴いている人の反応が見えなくても気にならずにお話ができる人もいます。自分が何をどう話すかの方が相手の反応より重要な人、架空の視聴者を想像しながら話ができる人、聴き手のリアルタイムの反応以外のもので評価を得られれば良いという人、などさまざまです。

ご質問された先生は「学生の顔や反応が見えなくて疲れる」ということですから、普段から学生の表情や反応を敏感に感じとって、それに応答しながら講義をされているのではないかと思います。
私たちは、いつもは入ってきている必要な情報が入ってこなくなると、無意識に足りない情報を探し続けます。そしてそのことにエネルギーを使い、消耗して疲れるのです。
これからもオンライン講義は必要とされるでしょうから、対策を考えてみましょう。精神的疲労をためないためだけではなく、より魅力ある講義をするためにとても大事なことです。

対策を考える前にまず、相手の反応がなぜ重要かについて自分の内面に向き合います。

聴き手の表情や反応から何を知りたいのか?

学生の表情や反応から、具体的にどんな情報を得たいと思っているか自分に尋ねてみてください。
たとえば、理解しているか、困っていないか、たいくつしていないか、面白いと思っているか、満足してるか、・・・など。

どういうことでそれが自分にとって大事なのか?

次に、「そこのことを知ってどうしたいのか?」を調べます。普段の対面の講義で無意識または意図的にされていることかもしれません。
さらに、「自分は何のために講義をしているのか?」「何が達成できたら自分は満足なのか?」と自分に尋ねてみてください。
たとえば、正しい知識を伝えたい、有能な先生でありたい、人の役に立ちたい、学生たちに学ぶことを楽しいと思ってほしい、有望な研究者に育ってほしい、〇〇〇な人間に成長してほしい、・・・など、大事にされていることがあるはずです。ご自身の、職業人としての存在意義、存在価値に関することかもしれません。
自分の目指している目的を深く理解し、その気持ちに自分で共感してみてください。

そのあとに、その目的やニーズを満たすために、オンライン講義の制約条件の中で何ができるのか、オンライン講義以外のところで何ができるか、具体的な対策を考えます。そして、できることから実践してみてください。
オンライン講義での不自由さを体験する前より、ずっと充実した講義になるのではないかと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?