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読書感想文「月の教科書」著:マドモアゼル・愛

※記事の最後に、関連講座のプロモーションを含みます。

星占いの12星座は、太陽の星座だと知っていた方も、そうでない方も。

星占い(以下、占星術)でよく取り上げられるのは、太陽星座。
生まれた月日のときに太陽が位置していた星座によって、12種類に分けられるものです。

1月の前半だったら、やぎ座。
1月後半〜2月前半だったら、みずがめ座。
といった具合ですね。

ご自身の太陽星座は、誕生日で分かります。
テレビやSNSの占いでも、よく取り上げられていますね。

今回ご紹介する本「月の教科書」で書かれているのは、太陽星座ではありません。

生まれた日時に「月」が位置していた星座によって12種類に分けられる、月星座について書かれています。

なお、私は占星術は素人ですので、詳しい解説ができないことをご承知おきください。

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月星座とは?

太陽は、12星座を1年かけて一周します。
太陽星座が「おひつじ座→おうし座→ふたご座…」と、次の星座へ移動するのは、約30日間隔。

いっぽう、月は約27〜29日で12星座を一周します。
月星座が1つの星座に滞在する期間は、約2〜3日程度。
太陽と違って、すぐに次の星座へ移動します。

なので、太陽星座が同じおひつじ座の人の中でも、月星座が、おひつじ座の人もいれば、うお座の人まで、12通りいらっしゃることになりますね。

これまでの「月星座」の解釈

これまで私が見聞きしてきた、月星座がもつ意味や解釈は、以下のようなものでした。

  • ありのままの自分/本当の自分

  • 感受性と反応力

  • 安心する場所

  • インナーチャイルド

  • 衣食住

  • 生まれ持った資質や性格

  • 前世

  • 無意識/内面/潜在意識

  • 心の深い部分にある傾向

  • 共感してほしいシーン

  • 理想の世界に巻き込むための入口

  • 無意識レベルで求めている感情

  • 隠れた心理や本音

これらの意味やキーワードから、月星座こそが「隠された本当の自分だ」と見る解釈もあるようです。

「月の教科書」による新しい解釈

一方、マドモアゼル・愛さんが書かれた「月の教科書」では、上に書いたような解釈に真っ向から反論。切り込まれていました。

いわく、月は欠損。幻想。偽り。
7歳以上は発展しない能力。
子ども時代に「最も得意だ」と思い込んでしまったもの。

にもかかわらず、それを自分と錯覚し、常に不完全感を与えるように働く。

一言でいえば「月星座は本当のあなたではない!」という本でした。

この解釈は、占星術界隈でも賛否両論のようです。

しかし、少なくとも私は著書を読んで、いたく納得させられましたし、自身の生きづらさから脱却する手がかりを得ることができました。

月星座しし座の場合

たとえば、私は太陽星座が、さそり座♏
月星座が、しし座♌です。

しし座が持つ意味やキーワードは、

  • I wll(私は志す)

  • リーダー気質がある

  • スター性がある

  • 周囲を自分のペースに巻き込む

  • 目立ちたがり屋

  • プライド

  • 自己肯定的

  • 自分に誇りを持って自己表現する

などが本来あるそうです。

ただ、月星座は欠損。
月星座がしし座の人は、これらが無い(のにあると思いこんでしまっている)とのこと。

なので、以下のように意味が変わります。

  • I wll(私は志す)
    ▶志を実現できない/将来のことが絵空事

  • リーダー気質がある
    ▶ない。誰も従ってくれない

  • スター性がある
    ▶華やかな面がない

  • 周囲を自分のペースに巻き込む
    ▶周りに振り回される/軽く扱われる

  • 目立ちたがり屋
    ▶影響力が弱い

  • プライド
    ▶強く素晴らしい人でありたい(のになれない)から、見栄を張り続ける

  • 自己肯定的
    ▶自己肯定感が低い

  • 自分に誇りを持って自己表現する
    ▶自分に誇りが持てず、本人も諦めている

Heroへの憧れ、男らしさへの憧れ

私はこの本を読みながら、これまでの人生を振り返ってみたのですが、月しし座の欠損に関連する「しくじり」が、あれもこれもと出てきました。

  • ドラゴンボールが好きで、強い男やHeroに憧れた少年時代
    ▶現実は弱虫、泣き虫で強情な性格だった。

  • 空手を習っていた小学生時代
    ▶全く強くなれず、転校先でイジメを受ける。

  • 部活で主将になった中学生時代
    ▶面倒だからと同級生たちから押し付けられて主将に。後輩にはナメられて、全然従ってもらえなかった。

  • ラグビーに打ち込んだ高校時代
    ▶弱小チームながらも、ある意味、憧れの強い男に最も近づけた頃。しかし、膝のケガが悪化して早々に引退。

  • やりたいことを必死に探した大学生時代
    ▶自分がやりたいことだ!やりたいことができる!と就職した先で、2ヶ月で適応障害になり、その後2年間社会から離脱する

  • 一念発起して、やりたいことで起業した20代
    ▶農業を学ぶも、農地のご縁に恵まれず。ようやく借りられた山間部の耕作放棄地で野菜を育てるが、獣害と台風により全滅。活動資金が尽きる。

と、しし座のテーマへ憧れを抱きつつも、それがかえって「男らしさ」というイメージとの乖離に苦しむことになっていた上に、自分がやりたいと志したことが、ことごとく大成していないんですよね。

このような人生を歩んできたものですから、すっかり自己肯定感がなくなり、自己尊重が欠落してしまっていました。

そして、未来を思い描くことさえできなくなっていた私は、まるで即身仏ジジイのように、生きる意欲も活力もなく、慢性的な体調不良に悩まされる日々を過ごします。

そこから脱出できたエピソードが、こちらです⬇

月星座の幻想から抜け出すには

ここまで、私のエピソードを事例としてお話ししてきました。

私の身近な人たちの月星座も振り返ってみると、みな一様に、月星座の欠損を「ないのに、ある」と信じ込んでいる人は、人生をやらかしていて、

月星座の幻想から抜け出した人には、その後に転機が訪れていることがわかりました。

それは私も例外ではなく、たとえば現在、提供させてもらっている人生相談や身心魂の分析は、私が「やりたい」と思って始めたことではなく、他者からの依頼や助言を受けて始めたものです。

いわば、しし座の「I wll(私は志す)」の逆の手を打ったということですね。

月星座は、弱み

私は著書を読み終えて、月の欠損とは、その人の弱みであり、憧れであり、世界観の誤認であり、傷ついたインナーチャイルドであり、信じ込みであるのだと解釈しています。

少年ジャンプの漫画「BLEACH」に

憧れは理解から最も遠い感情だよ

『BLEACH』20巻170話:久保帯人:集英社

というセリフが登場しますが、まさに月の欠損について言い得ているでしょう。

7歳で発達成長が止まり、大人になるにつれ理解から最も遠のくために、憧れを抱いてしまう。

理解から遠いということは、強みとして獲得できないということ。

それが、月の欠損なのかもしれません。

月の欠損の弱みが、他の強みを引き立たせる

私は、相談業も分析も、月しし座の欠損がなければ出来なかっただろうと感じています。

主観的に、感情的にではなく、客観的に俯瞰して、来談者さんの状況や心の状態を把握することが必要だったから。

なにより、これまでの私がそうであったように、自己肯定感や自己尊重が失われ傷ついてしまった人たちの気持ちが、痛いほどわかる。

月の欠損は、弱みであるからこそ、共感のストーリーがそこにありました。

「月の欠損」が賛否両論な理由

月の欠損の理論は、占星術界隈でも賛否両論のようです。

私は、その理由を3つ推察しています。

1つは、相反する惑星として著書で紹介されていた「太陽」の星座の性質やキーワードが獲得できていないから。

1つは、他の星座との兼ね合いによるから。

月星座が、たとえば太陽とか水星とか金星とか、他の惑星の星座と重なっているとか、関連しているとかで、おそらく捉え方や月星座の存在感が変わってくるのでは?と思いました。

そしてもう1つは、その人の意識発達の度合いによって、世界の捉え方、解釈が変わるからです。

この「月の教科書」の本は、(私が勝手に)測定したところ、意識レベルが700(悟り)でした。

書かれている内容が真実か否かの度合いで言えば、かなり高いです。

しかし、世の中の論文や辞書を、全ての人が読破し、網羅し、理解することができないように、全ての人が悟りを理解するのが難しいように、純度の高い真実は、主観的な解釈を拒む傾向があります。

おそらくですが、この本を読んで、内容を冷静に理解することができるのは、意識レベル250(中立)以上の視点が必要となるでしょう。

もしも、この本を読んでモヤッとしたり、イラッとしたりしたなら、それはあなたの中の何かが反応して、感情となって現れたから。

「デタラメだ!」と頭ごなしに批判するのは簡単ですが、一考の余地はあるかもしれません。

占星術は自己理解のための「呼び水」

占いの全てを信じる必要はありません。
逆に、全てを「デタラメだ!」と頭ごなしに批判することもできないでしょう。

なぜなら、占いで見聞きした情報で「あなたが何に共感し、何に違和感を覚えたか」が重要だからです。

たとえ、占いで言われていることがデタラメであっても、あなたが心の中で感じたこと、考えたこと、反応したことは、本物です。

私は、今回ご紹介したような占星術(それ以外の占いも)は、私たちが自分を理解するための「呼び水」だと捉えています。

そして、相談業にも関わらず、今回のように占星術の本を手に取った理由は、来談者さんの中に、占星術を扱われる方が何人もいらっしゃったから。

その方が信じる価値観や信念体系に触れることは、その方のことを理解するのに役立つと感じています。

今回は、マドモアゼル・愛さん著の「月の教科書」を、私の感想を交えてご紹介しました。お読みいただき、ありがとうございました。

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